エピソード4(脚本)
〇幻想空間
天使 リスタ「陸、陸!!もう少しで着くから・・・大丈夫だよね・・・」
心配そうな声が聞こえ、俺は目を覚ました
阿良 陸「うぅ〜ん・・・」
天使 リスタ「陸!!」
阿良 陸「り、リスタか・・・?」
目を開けると眼前には泣きそうなリスタの顔が
天使 リスタ「うん!僕だよ、リスタだよ!!目、覚さないから・・・起きてくれて良かったー!!」
阿良 陸「心配してくれてありがとう・・・ここは・・・」
天使 リスタ「移動空間だよ。陸、タイムの電撃浴びて気を失っていたんだよ」
阿良 陸「そういや・・・そうだったな・・・」
少しずつ思い出してきた、タイムの手を取ろうとして電撃喰らった事を
阿良 陸「タイムは・・・?」
天使 リスタ「タイムなら──」
タイム「ごめんシャー!」
突如、声が聞こえてきて車の外を見ると飛ぶタイムが泣きそうな顔でこちらを見ていた
タイム「ま、まさか、タイムに身体を触れようとする人がいるなんて思っていなくて・・・油断してたシャ・・・」
阿良 陸「そんなに電撃強くなかったから大丈夫だよ」
タイム「ありがとうシャ・・・いい奴シャネ」
阿良 陸「そ、そうか?」
タイム「そうシャヨ!!でも、タイムの電気は強いから見てもらった方がいいシャヨ」
天使 リスタ「そのつもり!!普通はあり得ないんだけど、ラディスタに行くつもり」
タイム「見えている時点で問題ないシャヨ!!」
タイム「あ・・・!!」
天使 リスタ「どうかした?」
タイム「着いて行きたいのはやまやまなんシャケド、時間シャ・・・」
タイム「悪いんシャケド、タイムはここまでシャ」
天使 リスタ「どうしたの?」
タイム「仕事の途中シャヨ・・・行かないといけないシャ」
阿良 陸「心配して着いてきてくれてありがとうな」
タイム「よくなったらまた会おうシャ!!よくここにいるシャ、何か困り事があったらいつでも来て欲しいシャヨ!!」
天使 リスタ「タイム、忙しいもんね。一緒に着いてきてくれてありがとう」
タイム「色々と複雑そうシャケド、2人なら大丈夫シャヨ!」
天使 リスタ「・・・ありがとうね」
阿良 陸「絶対、また会おうな!!」
タイム「・・・!!もちろんシャ!!」
タイムはそういうと踵を介して別の方向に飛んでいくのだった
阿良 陸「タイム、見た目によらずいい奴だったな。あと声が面白い」
天使 リスタ「色々な種類のタイムがいるんだけど、あのタイムはいい子だったね」
阿良 陸「まだ、いるのか?」
天使 リスタ「タイムはここの守護者だからね」
天使 リスタ「何かあれば解決しにいく、あの時も現世の人に見られたからタイムは来たんだよ」
阿良 陸「俺達が小さい頃の俺と幼馴染に見つかってしまったからか」
天使 リスタ「そう、僕達は現世で現れちゃいけない存在だからね。タイムはあの後時を戻して無かった事にしたんだ」
阿良 陸「無かった事?」
天使 リスタ「うん。僕達がいた事実の前までタイムが時を戻して記憶を僕が食べたんだ」
天使 リスタ「小さい頃、変なお兄さんとお姉さんに会った経験ないよね?」
阿良 陸「そういや、ないな。覚えていそうな物だ」
天使 リスタ「それをどうにかするのも、僕達の仕事の一つなんだ」
阿良 陸「じゃぁタイムは・・・」
天使 リスタ「何かあったのかも知れないね」
最初の方から気になっていた事があったのだが、、、それ以上の事があり過ぎて聞けていなかった
阿良 陸「なぁ、リスタ・・・」
天使 リスタ「どうしたの?」
阿良 陸「単刀直入に聞くぞ?」
天使 リスタ「う、ん・・・」
阿良 陸「お前、一体何者なんだ?」
天使 リスタ「どういうこと・・・?」
阿良 陸「本があっただろ?」
天使 リスタ「あぁ〜うん。落ちて来た本だよね」
阿良 陸「そうだぞ、それだ!本の表紙に描いてあったのを見て、驚いたぞ!」
阿良 陸「お前の顔が描かれていたんだが・・・あれはどういう事なんだ?」
天使 リスタ「それね・・・」
天使 リスタ「いや、僕も色々と新発見というか驚きの連続で実はよく分かってないんだよ」
阿良 陸「そうなのか?なんか表紙にヴァンパイア少女物語って書いてあったんだけど」
天使 リスタ「ヴァ、ヴァンパイアではないよ。血は吸わないから。僕が食べるのはあくまでも記憶、走馬灯だけ」
阿良 陸「それもそうか、ならより一層何でこのヴァンパイア少女物語の主人公そっくりなんだろうな?」
天使 リスタ「・・・。僕が好きだから・・・だったりして」
阿良 陸「え・・・?」
天使 リスタ「いや、仮説に過ぎないから何でもないよ。あんまり考えてなかったんだけど、僕の記憶とかそういうのあんまり無いなって」
天使 リスタ「・・・。整理させて欲しいかな」
阿良 陸「そうか!分かった!!」
天使 リスタ「いいの?」
阿良 陸「何となくだけど、悪いようにはならない気がするからな!!」
天使 リスタ「・・・ありがとう。取り敢えず、病院にもうすぐ着くと思うから、診てもらいたいんだ、気を失うほどの電撃は怖いから」
阿良 陸「黄泉にも病院ってあるんだな〜」
天使 リスタ「うん、ある。僕達は死なないんだけど、怪我はするから。何でかはわからないけどね」
阿良 陸「!?死なないのか?」
天使 リスタ「・・・。死なないよ、この黄泉世界から抜ける方法は転生くらいじゃないかな?」
阿良 陸「リスタ、お前何歳くらいなんだよ?」
天使 リスタ「うーん。そういや何歳なんだっけ?」
阿良 陸「いやいや、年齢くらい覚えているもんだろ。俺は多分17歳」
天使 リスタ「多分って・・・。僕もそのくらいじゃないかな?そういや何でそんなことも気にしてないんだろう・・・」
天使 リスタ「あ!!着いたみたい!またワープするから気を付けてねー!!」
阿良 陸「え!?」
〇城の救護室
モワモワ空間を抜けた先に待っていたのは如何にも病院らしき場所だった
ベッドが沢山あり、ベッドの上では人やら動物やら不思議な生命体が治療を受けている。
瓶の生命体らしい生き物が忙しく無く動き回り、看病している様子が目にとれた
メディスン「足出して欲しいスン、包帯巻くスンよ」
クロ「ん・・・分かった・・・」
車からリスタと俺は降り、リスタは前同様魔法陣の中に車を仕舞い込む。
天使 リスタ「お邪魔しますねー!!博士いないんですか〜?」
周りの生き物が一斉にこちらを向く、俺はリスタに質問を投げかけてみた
阿良 陸「此処は何処なんだ?」
天使 リスタ「病院だよ〜タイムの電撃喰らったから一応ね、診てもらおうと思って」
阿良 陸「なんか人間じゃ無さそうな生き物もいるんだけど」
天使 リスタ「今更過ぎるのでは・・・ここは黄泉の世界、奈落病院だからね」
阿良 陸「え・・・!?俺来ちゃいけなかったんじゃ・・・」
天使 リスタ「大丈夫なんじゃないかな、陸の記憶部屋とそう変わらないし」
周りの生き物達が気にしなくなって来た頃、忙しなく誰かがこちらに向かって来た
メディスン「スッン!?衝撃波が現れたと思ったらやっぱりリスタじゃないスンカ!!」
メディスン「もう少し大人しく入ってきて欲しいスン」
こちらに向かって現れたのは、瓶の擬人化みたいな生き物であった
天使 リスタ「あ、メディスン!!博士に用事があって来たんだけど、此処にいる?」
メディスン「此処は病院スン。音を余り立てないで欲しいスン」
天使 リスタ「ごめんなさい。次からは気をつけるね」
メディスン「分かったならいいスンけど・・・博士なら奥スンよ」
メディスン「なんかあったスンか?」
天使 リスタ「隣の男の子なんだけど、タイムの電撃くらってしまったんだよね」
メディスン「タイムの電撃喰らったスン・・・!? この人、まだ死んで無いように見えるスンが!?」
色々とパニックしている様子のメディスンにリスタが簡単にこれまでの事を説明した
メディスン「そうだったスンか・・・珍しい患者さんもいたスンね」
天使 リスタ「あんまり前例が無いから色々と困っちゃてるんだけどね」
メディスン「ウエスタン博士なら何か知っているかも知れないスンよ!!」
そう切り返したメディスンは俺に向かって
メディスン「初めましてスン、私の名前はメディスン、沢山いるから難しいかも知れないスンけど花の色が違うスンので」
メディスン「それで覚えて欲しいスン!!因みに私は紫スンよ」
阿良 陸「阿良 陸だ。よろしくな!!」
握手をしようと手を上げた時、リスタが止めに入った
天使 リスタ「手、繋いだら駄目だよ。メディスンにはそれぞれ別の役割があるんだけど、この子は毒の子だから」
阿良 陸「毒!?」
メディスン「そうスン。薬物治療に毒が必要な時もあるスン。身体全部を毒水に覆われているスンよ」
阿良 陸「握手出来ないんのか・・・」
メディスン「その気持ちだけで嬉しいスンよ!!」
阿良 陸「したかったな〜」
天使 リスタ「そういう人なんだよ・・・メディスン、それでタイムに握手したって訳」
メディスン「なるほど・・・スン」
メディスン「タイムも握手されると思わなかったスンよね・・・」
メディスン「ウエスタン博士、奥にいるスンよ!!いつまでも此処で話しててもしょうがないスン」
メディスン「着いて来て欲しいスン」
メディスンに連れられて病院の奥のドアを開けるのだった
〇病院の診察室
メディスン「ウエスタン博士、連れて来たスン」
ドアをメディスンが開けてくれて入った先にいたのは見るからに博士って感じの人物であった
ウエスタン博士「ほっほっほっほ!!私がウエスタン博士じゃよ」
ウエスタン博士「何の要件で訪れたんじゃ?」
阿良 陸「阿良 陸です。えっと・・・」
握手をして、今までの経緯を軽く説明してみた
ウエスタン博士「まだ、痺れるのじゃ?」
阿良 陸「少し、ビリビリする感じするんですけど殆ど有りません」
ウエスタン博士「分かったのじゃ。痺れ止めの薬を渡しておくから飲んでみて欲しいのじゃ」
阿良 陸「分かりました」
天使 リスタ「博士、大丈夫かな?」
ウエスタン博士「リスタもいおったのじゃ?大丈夫じゃよ、軽く痺れたくらいじゃったので痺れ止めを飲めば治るのじゃ」
ウエスタン博士「それでなのじゃけど・・・」
何かウエスタン博士が言おうとした時だった。バーンっという音共に誰かが上がり込んできた
ヌイ「リスター!何やっていたのよ!!リスタが奪ったって死神の1人が私達の所に来てるわよ?」
天使 リスタ「ヌイ・・・!? それはどういうこと?」
ウエスタン博士「やはりそうじゃったか・・・」
天使 リスタ「何かあったんですか?」
ヌイ「何かじゃ無いわよ!自分の担当だった青年を1人リスタに取られたって」
ヌイ「あ・・・この人!!」
突然、猫耳の女の子に指を刺された
阿良 陸「何だ?何があったんだ!?」
メディスン「外まで声が聞こえてるスン!!何かあるなら外でやって欲しいスン」
現場は大混乱。落ち着かない様子だった為、病院という事もあり、移動する事となった