エピソード2(脚本)
〇SHIBUYA109
ついにたどり着いた。
ここは渋谷・・・・・・ そう、大阪でいう
大阪あい「難波!」
天王寺はるか「ちょっと、今なんとおっしゃいました!? ここが難波!?」
大阪あい「えっ、何。どなた?」
天王寺はるか「私は、天王寺はるか。 はるばる大阪から、東京の天王寺である渋谷を見に来たのです」
大阪あい「そんな、天王寺が渋谷なんて印象、初めて聞いたよ?」
大阪あい「天王寺は、ここまで人が多くないし、ハルカスとかがあるから・・・・・・ そう、スカイツリー駅周辺じゃない?」
天王寺はるか「まあ! こんな早速喧嘩をふっかけられるなんて・・・・・・! さすが難波の方、柄が悪い」
大阪あい「難波の人ってなぜ決めつけるんです。私は大阪あい。まあ、難波=大阪みたいなものですけど」
梅田みゆき「あら。こんな駅前で、何の騒ぎかと思ったら面白い論争してるじゃない」
梅田みゆき「楽しく聞かせてもらっていたけれど、一つだけ訂正に来たわ。大阪は梅田。難波はあくまでなにわよ。ミナミ」
大阪あい「な、なんですって! 大阪の街のイラストも写真もだいたいアポロ、道頓堀! 梅田駅が映されることはめったにないでしょ」
大阪あい「なんなら、渋谷だけでなく、原宿だって難波です~。秋葉原は日本橋に譲るけど」
天王寺はるか「なんて欲張りな! なら代々木は天王寺では? 大阪城公園には譲りません!」
梅田みゆき「品川は梅田よ。異論は認めないわ」
天王寺はるか「って私たち、なぜ陣地争いみたいなことしてるんでしょう? よりによって渋谷にまできて標準語で」
〇SHIBUYA109
梅田みゆき「それもそうね。日も暮れてきたし、これから渋谷含めた陣地争いは、カフェででもしましょうか」
天王寺はるか「えっ、これ本気だったんです? まさかあなたたちも・・・・・・」
大阪あい「もしかして・・・・・・」
梅田みゆき「そう、土地神。ずっと東京についで二番目といわれてきた大阪の意地」
梅田みゆき「見せてやりましょう」
天王寺はるか「ほんなら、もう猫かぶらんでいいんやね! あー標準語なんぎやったわ~」
大阪あい「なんや、安心したわ。一緒に侵攻するんなら、お互いの邪魔はせんとこうね」
梅田みゆき「ええ。いいわよ。渋谷が初戦の地になるのは申し訳ないけれど・・・・・・」
梅田みゆき「ゴジラにも化け物にも、地震にも、しょっちゅう破壊されている場所だもの」
梅田みゆき「ちょっと神様が暴れるくらい今更でしょ」
大阪あい「なんであんたは標準語のまんまなん?」
梅田みゆき「だって、私は梅田だもの。キタよ。キタ。天王寺や難波や天王寺、それこそ堺みたいなミナミの柄の悪いほうとは違うわ」
天王寺はるか「むきーー! やっぱりこれは」
大阪あい「先にミナミVSキタを始めるしかないやん。 渋谷のみなさんには悪いけど・・・・・・」
「変神!」
こうして勝手な土地神の戦いは、夕刻に開始された。
会社帰りの渋谷のサラリーマンたちにはよい迷惑だが、それもまた渋谷らしさ。
広い度量をもって、日本が沈没したり、爆撃されるときに真っ先に沈む・・・・・・
渋谷ゴッド「それが渋谷っしょ!」
渋谷的大阪がどこになるのかは、わかりませんが、たのしく読めました。風のような作品でした。有難うございました。
渋谷のお話にあえて大阪を持ってくる発想が
新しいなと思いました✨
「変神」がとても記憶に残るワードでした🙆♀️笑
発想がとても面白いです。昔ながらのベタなテレビ番組とかで”東京vs大阪”の構図はよく見ますが、大阪内での争いは逆に新鮮です。