『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

第2話 果たされなかった約束(脚本)

『浮気』しないと恋人が死んでしまいます

鉄火キノコ

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〇公園のベンチ
  俺は彼女が好きだった
  そして、彼女にも好きな人がいた
  でも、それは
  俺ではなかった
藤田賢雄「どうしたんだよ?」
藤田賢雄「こんな夜遅くに呼び出して」
鈴鹿カスミ「急に、ごめんね」
鈴鹿カスミ「私さぁ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「う・・・・・・」
藤田賢雄「う?」
鈴鹿カスミ「うわき・・・・・・されてたみたい」
鈴鹿カスミ「彼氏に」
藤田賢雄「え?」
鈴鹿カスミ「すごく、悔しくて」
鈴鹿カスミ「う、うぅ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「うぅ」
藤田賢雄「な、泣くなよ!!」
鈴鹿カスミ「グスン」
鈴鹿カスミ「ありがと」
鈴鹿カスミ「なんか、ごめんね」
鈴鹿カスミ「こんな話できるの、賢雄しかいなくて」
藤田賢雄「気にすんな」
鈴鹿カスミ「はぁ・・・・・・」
鈴鹿カスミ「もうやだ」
鈴鹿カスミ「死んじゃいたい」
藤田賢雄「そ、そんなこと言わないでくれよ」
鈴鹿カスミ「だって!!」
鈴鹿カスミ「私には、あの人しかいないから」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「今言うのは、酷いことかもしれない」
藤田賢雄「でも・・・・・・」
藤田賢雄「俺さぁ・・・・・・」
藤田賢雄「ずっと前から、カスミのこと」
藤田賢雄「す・・・・・・」
藤田賢雄「好きだったんだよ」
鈴鹿カスミ「え・・・・・・」
藤田賢雄「俺は、絶対に”浮気”しない!!」
藤田賢雄「カスミを悲しませない!!」
藤田賢雄「”約束”する!!」
藤田賢雄「だ、だからさぁ」
藤田賢雄「今言うのもなんだけど・・・・・・」
藤田賢雄「俺と!!」
藤田賢雄「付き合ってくれ!!」

〇男の子の一人部屋
  早朝
  藤田賢雄の部屋
藤田賢雄(朝か)
藤田賢雄(なんだか、昔の夢を見ていた気がする)
藤田賢雄(もう、覚えてないけど)
藤田賢雄「はぁ」
藤田賢雄「撮影いくか・・・・・・」
藤田賢雄「あと」
藤田賢雄「浮気・・・・・・」
藤田賢雄「どうするか考えないとな」

〇一戸建て
  藤田家前
???「よーっす!!」
神崎太希「おっは!!けんゆー」
藤田賢雄「太希!?」
藤田賢雄「ど、どうしたんだよ」
藤田賢雄「こんなとこまで」
神崎太希「いやまぁ」
神崎太希「カスミちゃん、倒れたろ」
神崎太希「んで」
神崎太希「おまえ、カスミちゃんと仲いいだろ」
神崎太希「ちと、おまえの方も沈んでないかって気になってな」
  神崎太希は、藤田賢雄のクラスメイトで”親友”である
藤田賢雄「あぁ、そういうことか」
藤田賢雄「心配してきてくれたのか」
神崎太希「べ、別にそんなんじゃねーよ」
浜口ユメノ「たいちゃん、めちゃんこ心配してたよ」
浜口ユメノ「藤田くんのこと」
神崎太希「ばっきゃろ!!」
神崎太希「んなことねーよ」
浜口ユメノ「ツンデレだね」
藤田賢雄「あぁ、だな」
神崎太希「ちげーよ!!」
神崎太希「男のツンデレとか需要ねーよ!!」
藤田賢雄「てか、悪いな」
藤田賢雄「心配かけたみたいで」
神崎太希「気にすんな」
神崎太希「それよりカスミちゃん、どうなんだよ」
藤田賢雄「まだ、安静にしてないといけないらしい」
浜口ユメノ「そっか」
藤田賢雄「ちなみに、二人は今日」
藤田賢雄「デートでもするのか?」
神崎太希「あへぇ」
浜口ユメノ「うぅ」
藤田賢雄「知ってんだぞ、おめーら付き合ってんの」
「・・・・・・」
神崎太希「ま、まぁな」
神崎太希「つーか、賢雄もさぁ!はやく彼女つくれよな!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「わかってるよ」
藤田賢雄「なぁ、太希」
神崎太希「うん?」
藤田賢雄「”大切”にしてやれよ」
藤田賢雄「彼女さんのこと」
神崎太希「おう!!もちろんだ!!」
神崎太希「あと、おまえのことも大切にするぜ!」
藤田賢雄「気持ち悪い」
神崎太希「うるせー!!」
神崎太希「でも、”約束”したよな。俺らはずっと”親友”だって」
藤田賢雄「あぁ、したな」
藤田賢雄「でも」
藤田賢雄「そのセリフはイタいし、気持ち悪い」
神崎太希「うるせー!!」

〇教室
内田監督「カット────」
内田監督「いやぁ、今日も最高だったね!!」
「ありがとうございます!!」
内田監督「お疲れさん!!」
「お疲れさまです!!」
三雲しほ「藤田君は、いい人いないの?」
藤田賢雄「え?」
藤田賢雄「急にどうしたんですか?」
三雲しほ「だーかーらー!!」
三雲しほ「女の子だよ!!」
藤田賢雄「いやぁ、特にいないですね」
三雲しほ「ていうか」
三雲しほ「昨日も聞いたけど」
三雲しほ「ホントに彼女いないの??」
藤田賢雄「いないですね」
三雲しほ「やっぱ、怪しいんだよな・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「気になる子さぁ、一人ぐらいいるでしょ?」
藤田賢雄「いないですって!」
藤田賢雄「もぉ!いい加減にしてくださいよ!」
三雲しほ「むぅぅ」
三雲しほ「つまんない」
藤田賢雄(こんなこと聴いてくるってことは)
藤田賢雄(もしかして、俺のこと・・・・・・)
藤田賢雄(もしそうだったら、この人を”浮気のターゲット”にするか)
三雲しほ「ちなみに、私は今度、彼氏と遊園地行きます!!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄(そうだった、この人彼氏いたんだった)
藤田賢雄(ていうか、そもそも女優を”ターゲット”にするのはリスクが高すぎるよな)
藤田賢雄(三雲しほは、ナシだな)
三雲しほ「えへぇ、遊園地楽しみだなぁ」
藤田賢雄「遊園地って、あの海の近くんところですか?」
三雲しほ「うん!そだよ!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「”遊園地”か・・・・・・」

〇線路沿いの道
  藤田賢雄の脳内を
  記憶が支配する
鈴鹿カスミ「楽しみだね!遊園地!」
藤田賢雄「まぁ、ずっと行きたがってたもんな」
鈴鹿カスミ「うん!!」

〇教室
藤田賢雄「あんなことがなけりゃな・・・・・・」
三雲しほ「うん??」
三雲しほ「何か言った??」
藤田賢雄「い、いやぁ、何もないです」
三雲しほ「あ!!」
三雲しほ「彼氏には止められてるんだけどね」
三雲しほ「せっかくだし」
三雲しほ「私がデートで撮った写真、見せたげるよ」
藤田賢雄「やめてください。迷惑です」
三雲しほ「そんなこといわずにさぁ!!」
三雲しほ「これ見たら、彼女欲しくなるかもしれないよ!」
藤田賢雄「別にいいです!!」
藤田賢雄「人ののろけなんて、見ても気分が悪くなるだけなんで」
三雲しほ「うるさーい」
三雲しほ「見ろぉ!!」
  三雲しほは、強引に写真を藤田に見せてきた。
藤田賢雄「え・・・・・・」
三雲しほ「こん人が私の彼氏!!」
三雲しほ「かっこいいでしょ!」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「ねぇ!」
藤田賢雄「・・・・・・」
三雲しほ「聴いてるのぉ!?」
藤田賢雄「あ、あぁ、すみません」
藤田賢雄「ちなみに、いつから付き合ってるんですか?」
三雲しほ「ヒ・ミ・ツ」
藤田賢雄(うぜぇ・・・・・・)
三雲しほ「私、たぶん、この人と結婚するかも!!」
藤田賢雄「人気女優なんだから、もっと自重してくださいって」
三雲しほ「だって、ホントに大好きなんだもん!!」
藤田賢雄「自分にファンがいるってこと」
藤田賢雄「忘れないでくださいよ!!」
三雲しほ「わかってるよぉ」

〇川沿いの公園
  夜の公園
神崎太希「どーしたんだよ」
神崎太希「けんゆー」
神崎太希「こんな時間に、急にこんなとこ呼び出して」
藤田賢雄「なぁ、おまえ」
藤田賢雄「女優の”三雲しほ”とはどんな関係だ!?」
神崎太希「??」
神崎太希「何言ってんだよ、急に」
藤田賢雄「これを見ろ」
神崎太希「・・・・・・」
藤田賢雄「おまえ、”浮気”してるのか??」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「なぁ、俺たち”親友”だよな」
藤田賢雄「話をそらすな」
藤田賢雄「もう一度聞く」
藤田賢雄「おまえ、”浮気”してるのか?」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「その写真、”しほ”が見せたのか?」
  藤田賢雄はうなづく。
神崎太希「はぁ」
神崎太希「他言するなって言ったのにな・・・・・・」
藤田賢雄「認めるんだな」
藤田賢雄「”浮気”を」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「なぁ、おまえさぁ」
神崎太希「”女”ってどんなモノだと思う?」
藤田賢雄「!?」
藤田賢雄「質問の意図がよくわからねぇな」
神崎太希「あのなぁ、けんゆー」
神崎太希「俺はよぉ、オンナってのは”アクセサリー”だと思ってる」
藤田賢雄「?」
神崎太希「例えば、スクールカーストでトップのオンナ」
神崎太希「例えば、モデルのオンナ」
神崎太希「例えば、女優」
神崎太希「そういう価値のあるオンナといるだけで、自分の価値も上がったような錯覚と、優越感を得ることができるんだ」
藤田賢雄「何言ってんだよ、おまえ」
神崎太希「まぁ、彼女のいないおまえにはわからん話だわな」
藤田賢雄「・・・・・・」
神崎太希「とにかく俺は、”価値のあるオンナ”がほしい」
神崎太希「ただそれだけだよ」
藤田賢雄「おまえ、そんな理由で」
藤田賢雄「”浮気”したのか?」
神崎太希「あぁ」
藤田賢雄「恋(れん)病とは関係ないのか?」
神崎太希「あぁ!?なんだ?それ」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「いや、なんでもない」
神崎太希「もしかしてさぁ」
神崎太希「おまえ、”三雲しほ”に惚れてるのか?」
藤田賢雄「・・・・・・」
神崎太希「フフフ」
神崎太希「なるほどなぁ。しほに惚れちまったか」
神崎太希「やらねぇよ。おまえには」
神崎太希「俺にとって、”2番目”に価値があるオンナだからな」
藤田賢雄「最低だな。おまえ」
神崎太希「自覚はしてるよ」
神崎太希「おまえだって、”浮気”すればわかるよ」
神崎太希「俺の気持ちがな」
藤田賢雄「わかりたくねぇよ」
藤田賢雄「三雲さん、本気でおまえに惚れてたぞ」
藤田賢雄「それに、ユメノさんだって・・・・・・」
神崎太希「・・・・・・」
藤田賢雄「恥ずかしくないのか?」
神崎太希「あぁ」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「おまえがそんな奴だとは思わなかった」
神崎太希「・・・・・・」
藤田賢雄「俺の知り合いに、浮気されて死ぬほど苦しんでた女がいる」
藤田賢雄「それを見て、思ったんだ。俺は、浮気は許せないって」
神崎太希「・・・・・・」
神崎太希「しほとユメノに言うのか??このことを」
藤田賢雄「・・・・・・」
藤田賢雄「じゃあな」
神崎太希「待てよ!けんゆー」
神崎太希「おまえ、俺からしほを奪う気か?」
藤田賢雄「・・・・・・」
神崎太希「チッ、無視かよ」
神崎太希「親友の彼女を狙うなんていい度胸だな」
神崎太希「やらねぇよ。おまえには」
神崎太希「絶対にな・・・・・・」

〇公園のベンチ
藤田賢雄(正直、彼氏持ちの女を、しかも女優を”ターゲット”にするのは悪手だと思っていた)
藤田賢雄(でも、あいつからなら、奪ってもいいと思えた)
藤田賢雄(いいや、正確には)
藤田賢雄(奪うべきだと思えた・・・・・・かな)
藤田賢雄(だから)
藤田賢雄(三雲しほは、俺がもらう)

〇病室
神崎太希「おっす、カスミちゃーん。体調はどうだ?」
鈴鹿カスミ「お!」
鈴鹿カスミ「神崎くん!!見舞い来てくれたの?」
神崎太希「おう!」
鈴鹿カスミ「ありがとー!!」
神崎太希「なんか、元気そうだな」
鈴鹿カスミ「うん!!元気いっぱいだよ!!」
神崎太希「なら、よかった」
神崎太希「でさぁ、病人にこんな話もちかけるのも悪いとは思ってるんだけど」
神崎太希「カスミちゃん、けんゆーのこと好きだろ?」
鈴鹿カスミ「うん!!」
神崎太希「付き合いたいよな?」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「まぁね」
鈴鹿カスミ(そういえば、私たちの関係はまだ秘密にしてたんだった)
鈴鹿カスミ(この人、私と賢雄が付き合ってないと思ってるんだ)
神崎太希「あいつさぁ、女優の三雲しほに惚れてるらしいんだよ」
鈴鹿カスミ「え・・・・・・」
神崎太希「病人にこんなこと言うのもなんだけどさぁ」
神崎太希「速く、けんゆーのことオトさねぇと」
神崎太希「あいつ、女優と付き合っちまうぜ」
鈴鹿カスミ「・・・・・・」
鈴鹿カスミ「何かの間違いだよ」
神崎太希「そうかな?」
神崎太希「まぁ、速めに告白することをオススメするぜ」
神崎太希「すまん、邪魔したな」
鈴鹿カスミ「うん、ありがと」
鈴鹿カスミ「嘘・・・・・・だよね」
鈴鹿カスミ「勘違いだよ。きっと」
鈴鹿カスミ「だって」
鈴鹿カスミ「約束してくれたもん。浮気しないって」

次のエピソード:第3話 悪夢の始まり

コメント

  • 複雑な恋模様!
    どうなるのかドキドキです~

  • キノコさんこんばんは
    お邪魔します〜

    トリックスターが出てきましたね
    賢雄はしほと浮気?
    ドロドロで人間関係が複雑に絡み合ってきました
    続き読みます

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