エピソード3(脚本)
〇一軒家
前回のあらすじ!!
カレー美味い!!途中で止められたので後で食べようと思う。そしてリスタ、車爆走し過ぎだ──!!
阿良 陸「うわっ!?」
天使 リスタ「到着──!?」
光と衝撃波と音と共に何処かに着いたのが分かった。窓から外を見ると其処は自分の家の前だった
天使 リスタ「・・・なんで・・・」
阿良 陸「ここ、俺の家だ!」
阿良 陸「もうちょっと、ファンタジー溢れる所に来たかった・・・」
阿良 陸「リスタ?ここさ、おれの家だよ。思い出した!なんかあるのか?」
天使 リスタ「──!!」
天使 リスタ「そう、ここが陸の家なのね」
天使 リスタ「ならもうちょっとしたら何かが起きる筈・・・」
阿良 陸「何かって何が起きるっていうんだ?」
天使 リスタ「多分、もう少ししたら誰かが現れる筈──ほら!!ちょっと隠れて!」
阿良 陸「うわ!?あれは・・・俺!?」
リスタに押さえ込まれ隠されながら、それでも外を見ると家の前の通る人の影、それは小学生の頃の俺だった
阿良 陸(子供)「今日も疲れたー!!ただいま〜!!」
元気な声で玄関の扉を開けて子供の俺は家に入って行った
阿良 陸「あれは、子供の頃の俺か・・・?」
阿良 陸「どうなってるんだこれ!?なぁ──リスタ!?」
押さえ込まれた状態でリスタを観ると何故か泣きそうな表情をしていた
阿良 陸「どうしたんだ?」
天使 リスタ「・・・僕・・・」
天使 リスタ「・・・は!?何でもないよ!!」
阿良 陸「そうか?なんか泣きそうだったような気がしたんだが」
天使 リスタ「そんな事なってない、それよりも」
阿良 陸「そうか・・・?」
天使 リスタ「そうだよ!!そんなことより、このカレーライスの場所に着いたんだよ」
そう言ってカレーライスを見せてくるリスタ
阿良 陸「はい・・・?それはどういう?」
天使 リスタ「この装置はね、置いたものの場所に行ける装置なんだ」
阿良 陸「タイムスリップ出来るってことか!!」
天使 リスタ「そうそう、そんな感じ」
阿良 陸「ファンタジー続いてた──!!」
天使 リスタ「・・・まぁいいや。ツッコミしてたら進まない、続けよ」
ノリツッコミはいつでも大歓迎だ
天使 リスタ「それで、陸の家の前に子供の頃の陸が現れた」
阿良 陸「あぁ、これはどういうことなんだ?」
天使 リスタ「今から、陸(子供)がカレーライスを作り始めるんじゃないかな」
天使 リスタ「多分、探している”私”と一緒に」
阿良 陸「そうなのか?なら早速見つけに行かなくては!!」
案外簡単に終われるのかも知れない、しかし一つ疑問があった
阿良 陸「でもよ・・・俺家に入っていいのか?」
阿良 陸「俺の家なんだけどよ。二人ってやばいよな」
ドッペルゲンガーが現れたとなったら大騒ぎになってしまうのは俺でも分かったからだ
天使 リスタ「そこなんだよね・・・」
天使 リスタ「どうやって入るか考えないと、めんどくさい事になっちゃう・・・」
阿良 陸「透明人間になれたりしないのか?」
天使 リスタ「僕は出来るんだけど・・・陸がね」
阿良 陸「まじか・・・。薬とか魔法とか何か無いのか?」
天使 リスタ「そんなに万能ではないので・・・うーん」
二人顔を突き合わせて、悩みこむ事数分、俺はある考えが思い浮かんだ
阿良 陸「じゃぁ仕方ない・・・!スパイ作戦やろうぜ!」
天使 リスタ「スパイ・・・作戦!?どうやるの?」
阿良 陸「鍵をリスタが開けてこっそり忍び込む!!」
天使 リスタ「うわぁ〜・・・。バレる可能性ありすぎて、でも仕方ないか。その時はその時だよね」
天使 リスタ「そのスパイ作戦で行こう」
ありえないよなぁと思いながら、
ノリで言ったら採用されてしまったのであった・・・
天使 リスタ「まず、この馬を戻さなきゃ。ちょっと降りてくれる?」
阿良 陸「あぁ、分かった」
車から降りるとリスタは、さっきの魔法陣みたいなのを出し、何処かにしまい込む
仕舞い終えると、こちらを見ながら
天使 リスタ「じゃぁ、作戦決行。僕がドアの中に入るからそうしたら陸は扉を開けてくれる?」
阿良 陸「タイミングはどうするんだ?」
天使 リスタ「そうだなぁ・・・タイミングを観て外に光を出すからそうしたら入って来て欲しい」
阿良 陸「光だな!分かった!!」
天使 リスタ「早速始めようか」
そういうとリスタはドアをすり抜けて中に入っていった
阿良 陸「すり抜けまで出来るのか・・・」
待つ事数分後
阿良 陸「まだか?」
突如ドアの前に現れた、謎の光と音が炸裂した
阿良 陸「うわっ!?花火かこれ!?リスタの言っていた光ってこれだよな!?」
阿良 陸「開けるぞ?」
俺はドアを捻るとドアは普通に開いた
〇シックな玄関
阿良 陸「お邪魔しまーす・・・」
昨日までいたと思われる家に入った筈なのに懐かしく感じていた
阿良 陸「自分の家の筈なのに恐る恐る何故入っているんだろう・・・」
阿良 陸「リスタ〜何処にいるんだ?」
天使 リスタ「陸・・・無事入れたんだね」
阿良 陸「あぁ、ってかビビったぞ!花火とか!!」
天使 リスタ「?分かりやすくなかった?」
阿良 陸「分かりやすかったけどよ・・・」
突然声が遠くから聞こえて来た
「りくくんー!そうじゃないよ てはこうね〜、ねこのてにするんだよ」
「こうするの?」
「そうそう!あってる!」
廊下の奥から幼い声が聞こえてきた。
阿良 陸「なぁ、リスタ。今カレー作っている最中なのか?」
天使 リスタ「そうみたい・・・なんだけどね」
歯切れが悪そうにこちらをみるリスタ
阿良 陸「どうしたんだ?」
天使 リスタ「うーん。どういう訳か・・・いやみた方が早いか」
天使 リスタ「陸、出来るだけ足音立てずに着いて来て」
阿良 陸「わ、わかった・・・」
俺たちは廊下を恐る恐る歩いていき、台所のドアの前に辿り着いた
天使 リスタ「ちょっと開けてるから其処から見てくれる?」
台所からは楽しそうな声と美味しそうな匂いが立ち込めている
阿良 陸「わかった・・・」
〇綺麗なキッチン
恐る恐る台所を覗くと、子供の頃の俺とぼやけた人影とが立っていて誰なのか分からなかった
阿良 陸「なぁ、あれは誰なんだ?」
天使 リスタ「そうなんだよ・・・」
天使 リスタ「誰かいるのは分かっているんだけど・・・誰なのかが分からない」
阿良 陸(子供)「ルウ?をいれたらいいんだよね?」
謎の女子「そうだよ〜でももうちょっとまってね」
謎の女子「このあくってのをとりのぞいてから・・・」
謎の女子「ひをとめて、ふっとうがおさまったあとにルウはいれるんだよ〜」
阿良 陸(子供)「まだ、あとなんだね」
謎の女子「そうだね、もうすこしでカレーたべれるよ」
阿良 陸(子供)「わーい!!まだかな〜」
謎の女子「たのしみだね〜」
二人は一つの鍋をじっと見ながら話し続けている
阿良 陸「なぁ、肝心の子の姿が見えないのは何故なんだ?」
天使 リスタ「・・・陸。姿見で誰だか思い出せない?」
阿良 陸「そうだなぁ・・・出かかって来ている気がするんだけどな・・・」
阿良 陸「もうちょっと見てみないと分かんないや・・・リスタ、もうちょっと中に入っていいか」
そう言いながら、ドアをすこしづつ開けて身を乗り出す
天使 リスタ「待って、絶対に見つかったらダメなんだからね──」
阿良 陸「分かってるさ・・・」
フラグというのは立ててはいけないものなのかも知れない・・・
本が近くにあり落としてしまった
阿良 陸「やばっ!?」
天使 リスタ「あ!?」
阿良 陸(子供)「だれかいるの!?」
謎の女子「だれ?」
急いで廊下の方に逃げようとする俺たち
〇シックな玄関
天使 リスタ「陸、急いであとすこしだから!!」
阿良 陸「分かってるよ・・・!!」
案外、廊下というのは長いもので、後ろからついて来た二人が声を上げた
阿良 陸(子供)「お兄さん誰・・・!?」
謎の女子「・・・!?」
阿良 陸「あ!?」
その瞬間だった──
風と共に、時間が止まった。正確には俺とリスタ以外の時間がだが
阿良 陸(子供)「──」
阿良 陸「二人が固まってる?」
動かない二人を呆然と見ているその瞬間、電撃が俺を直撃しようとしていた──
天使 リスタ「──!!タイムが来てしまった」
天使 リスタ「陸!危ない!」
阿良 陸「うわっ!?」
リスタが俺を突き飛ばし、電撃を回避する。そしてリスタも電撃っぽいものを出し目の前で電撃が対立する
タイム「シャー!?なんで庇うんシャー!!人間を動かない様にしなければいけないんシャー!!」
天使 リスタ「そうなんだけど・・・この人はちょっと違うみたいだから──!!」
謎の生命体がリスタと対峙し、2人は言い争いをしながら、火花を散らしていた
タイム「シャ!?何が違うんシャー!?我々の事を知る人間はいちゃいけないんシャー!!」
天使 リスタ「走馬灯の部屋から来て、現在進行形で試験途中なんだよ!!」
タイム「シャーッ!?」
その言葉を聞いた途端、タイムと呼ばれた謎の生命体は攻撃をやめた
天使 リスタ「はぁ・・・。落ち着いたみたいだね」
タイム「シャ・・・生きてる様に見えるんシャヨ・・・」
天使 リスタ「生きてるよ、仮死状態だけど」
タイム「仮死状態シャカ・・・それで試験シャカ」
タイム「前例が余り無いシャけど・・・」
2人は俺を見ながら話している
天使 リスタ「そうだよね・・・僕達が見える人なんて僕聞いた事ないよ」
タイム「見えるんシャカ!?」
タイムが俺に詰め寄る
阿良 陸「あぁ・・・なんか電撃纏わりついてる黒いローブの不思議な宇宙人が」
そういうと、憤慨みたいな態度で
タイム「シャ──!!宇宙人じゃなくてタイムシャ!! 時間を操っている1人シャ!!」
阿良 陸「時間を操っている・・・」
阿良 陸「ヤバい・・・」
タイム「怖気付いたシャか!」
固まる俺とドヤ顔のタイム
阿良 陸「時間!来たーー!!これぞ異世界ヤッフー!!」
タイム「・・・シャ!?」
今まで、俺とタイムのやり取りを見ていたリスタが呆れた様子で
天使 リスタ「この人、ビックリするくらいにポジティブなんだよ・・・」
阿良 陸「俺は、ちょーぜつ、楽しいぞ!!」
天使 リスタ「ほらね?」
タイム「ポジティブ過ぎやしないシャカァ・・・?」
呆れた様子で見るリスタとタイム。何故なんだろうな?こういうのは楽しんだもん勝ちだと思うんだが?
阿良 陸「楽しくなってきたー!次はどんなやつに会えるんだろう!」
阿良 陸「あ、俺とした事が!!」
タイム「なんシャ?」
阿良 陸「自己紹介だよ!俺の名前は阿良 陸!! よろしくな!!タイム」
そう言って俺はタイムの手らしき所に手を合わせる
タイム「よ、よろしくシャ・・・!?」
阿良 陸「痛ぁー!!」
触れた瞬間、静電気を10倍くらいに増量した痛みが俺を襲う
天使 リスタ「大丈夫?タイムは全身を電撃で覆われているから触れると痺れるんだよ!」
阿良 陸「先にそれを言って欲しかった・・・」
リスタが俺に近寄り、心配そうに説明する中で俺は意識が朦朧としていくのだった・・・