エピソード51(脚本)
〇奇妙な屋台
店主「いらっしゃい! こんばんは!」
ヨリコ「こんばんは。 こちらによく当たる占い師さんがいらっしゃると聞いたのですが・・・」
ヨリコ「ちょっと相談したいことがありまして」
店主「占い師さん? いま呼んできますから、 これ飲んで待っていてちょうだい〜」
ヨリコ「ありがとうございます」
ヨリコ「・・・ふぅ」
〇オフィスのフロア
トウヤ「皆様よろしくお願いいたします!」
流石「サスガお坊ちゃん 素晴らしいですな!」
トウヤ「お坊ちゃんはヤメロよ。 恥ずかしいだろ」
キリト「いえいえ、お世辞ではありません。 先代から譲り受けたこの会社を牽引するのにふさわしく」
キリト「ご立派になられて・・・ このキリト嬉しく思います」
トウヤ「キリトには世話になるなぁ」
秘書ミソラ「新社長! 皆様お待ちでございます!」
トウヤ「あぁ今行く! あとは頼んだぞ」
流石「フッ」
キリト「何を笑ってるんだ?」
流石「あのオメデタイお坊ちゃんに だよ」
キリト「そんな事言うもんじゃない。 俺たちの野望は、まだ始まったばかりだ」
流石「わかったよ。 アンタが完全に実権を握るまで 大人しくしてるさ」
流石「それより例の件は?」
キリト「あぁ順調さ。 今夜、会うことになってるらしいからな。 社長は彼女に逆らえない」
流石「フフ、フフフ、ハーッハッハ」
キリト「・・・」
流石「こりゃ失敬」
〇ホテルのレストラン
メイド「どうぞ」
トウヤ「ありがとう」
トシゾウ「就任おめでとうございます。 心よりお祝い申し上げます」
トウヤ「ありがとう。 僕がここまでになれたのも あなた達のおかげです」
トウヤ「支援していただいたからこそ いまの僕があるのですから」
トシゾウ「坊っちゃんは、お若いのに 礼儀がきちんとなさっている。 それはとても強い武器になるでしょう」
トウヤ「ありがとうございます。 まぁ今日は祝の席ですから 存分にお過ごしください。」
トウヤ「君!」
秘書ミソラ「はい!」
秘書ミソラ「皆様にお土産がございます。 当社の製品でございます」
リュウジ「そんなに気を使われなくても いいのですが・・・」
キンヤ「こちらも手土産があるのですよ」
トシゾウ「我々の力よりて、なしえたもの、 どうかお納めください」
トウヤ「ありがとう これでウチも安泰でしょう」
〇ホテルのレストラン
チリリ〜ン
キルケ「はぁ~い♡ ちょっといいかしら?」
トウヤ「キルケさん! 来てくれたんですね!」
トシゾウ「その方は・・・?」
トウヤ「ちょうどいい!紹介します。 僕の恋人のキルケです!」
キルケ「どうぞよろしく〜」
キルケ「ひっ!」
トシゾウ「どうかしましたか?」
キルケ「い〜え なんでもないの〜」
トウヤ「ちょっと送ってきます ごゆるりとお過ごしください」
トウヤ「さっ行こう」
キルケ「ええ、 ごきげんよう〜」
秘書ミソラ「ご無礼いたしました。 失礼いたします・・・」
〇占いの館
謎占い師さん「それで、どういったお悩みで・・・」
ヨリコ「最近、息子が変なのです。 怪しい女の言いなりになってしまっていて・・・」
謎占い師さん「それで心配だということですか?」
ヨリコ「主人は病で入院したので 社長業を息子に譲ったばかりなのですが、何かおかしくて・・・」
ヨリコ「その女は突然やってきて 銀行の頭取の娘だと言い、 融資を持ちかけてきました」
ヨリコ「その女が来た途端に 病気ひとつしなかった主人が 急に倒れたんです・・・」
ヨリコ「急に会社も傾いてしまい 長年お付き合いのあった銀行に見限られ 資金ぐりも悪化してしまって」
ヨリコ「人手に渡りかけた所をとある方に 救っていただいたのですが、 その方に一度見てもらったほうが 良いと言われ」
ヨリコ「ココを訪ねた次第なのです」
ヨリコ「なにか不幸が取り付いてるような・・・」
謎占い師さん「わかりました。占ってみましょう。 コチラに手を当ててください」
ヨリコ「こうですか?」
謎占い師さん「ムムムムムー」
謎占い師さん「強い風が吹き〜 水しぶきをあげ 炎吐く〜」
謎占い師さん「そんな感じです、 お気をつけください・・・」
ヨリコ「風が吹いて水しぶきで炎が燃える・・・ なにかしら火を使うなら、お台所とか?」
ヨリコ「風が吹くなら野外よねぇ キャンプとかかしら・・・」
ヨリコ「でもそれと、女の方と どういう関係があるのかしら?」
謎占い師さん「わかりません・・・が、 これから起こることと、 解決方法のひとつなのかもしれません」
ヨリコ「そう・・・わからないけど 気をつけてみるわ ありがとう」
〇キャンピングカーの中
トウヤ「初めての社外親睦会だ。 いい天気で良かったな!」
キルケ「そうね。 ワタシは得意の弓で獲物を 捕まえてくるわ〜」
トウヤ「フフ頼もしい!」
秘書ミソラ「あの〜」
トウヤ「なんだい?ミソラくん」
秘書ミソラ「いただいたコチラは、いかが致しましょう?何枚か有るのですが・・・」
トウヤ「よし!コレを車に貼っておこう!」
トウヤ「これでよし!」
〇森の中
トウヤ「キルケは良い所を知っているよな。 空気も気持ちいいし」
ヨリコ「トウヤ。」
トウヤ「やぁ母さん!家族サービスを兼ねた 親睦会のアイデアはいいだろう?」
トウヤ「みんなの仲も深まるってもんだよ。 ねぇ母さん!」
ヨリコ「あの・・・女の人。大丈夫なの?」
トウヤ「キルケの事? すごく頼りになるんだよ! 今だって狩りに行くって! 頼もしいだろう?」
ヨリコ「そう・・・? とりあえず、風と水と火に 気をつけてって、言っておくわ」
トウヤ「えー?なんだろう謎解き? 風と水と火だね。 覚えておくよ」
ヨリコ「じゃあワタシは向こうにいるわ」
トウヤ「じゃねー♡」
サワサワサワ
トウヤ「風か。 気持ちいい風だな」
流石「やぁ坊っちゃん! ご機嫌いかがかな?」
トウヤ「サスガ、こんなときでも お前スーツなのか?」
流石「えぇ、これしか持ってないんでさ」
キリト「まぁ彼には、体力仕事ではなく 細かい作業をして もらいますから」
トウヤ「ま、よろしく頼むよ!」
「はい、坊っちゃン・・・」
流石「・・・おい!」
キリト「あぁ心配するな。 「恋人の弓矢が当たる」作戦は上手くいくだろうさ」
流石「ハハハハハ あいつの命も今日で終わりか!」
〇けもの道
キルケ「ハーイ!」
キルケ「いるんでしょ?」
ザッ
キリト「まぁな」
キルケ「射止めたら、ワタシの好きにして良いんでしょ?」
キリト「あぁ、もちろんだ。 煮るも焼くも好きにしろ」
キリト「俺は向こうにいる。 終わったら声をかけろ、いいな!」
キルケ「ハイハーイ♡」
サッ
〇けもの道
「いないいなーい」
「ばあ!」
バブーちゃん「アヒャヒャヒャヒャ!」
バブーちゃん「ひゃー!」
ドカーン!
ゴオオオオ!
「わーーー!」
ちびグリーンドラゴン「風よ吹け!」
サァァァァ
ちびグリーンドラゴン「あー危なかった!」
ちびレッドドラゴン「おまえ、チビなのにスッゲェナ!」
バブーちゃん「だー!」
ユズル「こんな所で遊んでいたのか! 探したぞ!」
バブーちゃん「だー」
ユズル「ちゃんと見ててくれたのか?」
「もちろんだ! 僕らはドラゴンの卵から生まれた子どもを守る義務があるんだ!」
ユズル「そうか、ありがとう。 さ、ご飯の時間だ、あっちへ行くぞ」
バブーちゃん「バブー!」
〇けもの道
ガサッ
キルケ「あっ!いたわ!」
トウヤ「♪〜」
キルケ「いい気なもんね。覚悟!」
ヒュッ
弓矢が放たれた!
ヒュウウウウ
フッ
キルケ「あっ消えた!」
キルケ「逃さないから!」
〇キャンピングカーの中
トウヤ「・・・」
トウヤ「はっ・・・ここは」
秘書ミソラ「社長!ご無事で良かったです!」
トウヤ「僕は森の中にいたはず・・・ どうしてココに?」
秘書ミソラ「良くわかりませんが、突然コチラに現れましたの」
秘書ミソラ「外の様子が少しおかしいので ワタシは中で休んでおりましたわ」
トウヤ「外の様子がおかしい?」
秘書ミソラ「窓の外をご覧ください、他の人がいないのです。」
トウヤ「本当だ・・・ どこに行ってしまったのか」
トウヤ「あっ、母さんは!?」
秘書ミソラ「見当たりませんね・・・」
トウヤ「母さんが変なこと言ってたんだ。 「風と水と火に気をつけろ」 だったかな?」
秘書ミソラ「風と水と火・・・ なんでしょう?」
トウヤ「さぁな。 他の人を探さないと・・・」
〇ホテルのエントランス
ヨリコ「はっ、ココは?」
キンヤ「大丈夫ですか?」
謎占い師さん「皆さんはコチラに避難させました。 天候が悪くなったのでね」
ヨリコ「ありがとうございます!」
ヨリコ「そう、トウヤは?」
〇けもの道
キルケ「このまま逃がすわけには いかないのよ!」
キルケ「・・・」
キルケ「Tut o adamı! Qurban olum.〜」
キルケ「Külək və su, mənə kömək et!」
ヒュウウウウオオォ
キルケ「風よ水よ あの人を捕らえよ!」
〇森の中
ビュオオオオオオオォ
く、車が飛んでる!
〇キャンピングカーの中
「うわー!」
〇森の中の沼
ビュオオオオオ!
ザバーンザバーン
〇キャンピングカーの中
ザバーンザバーン
トウヤ「これからどうするんだ?」
秘書ミソラ「とりあえず、水に浮いてますけど 窓を開けるわけには いきませんね・・・」
トウヤ「風と水・・・かな、後は火・・・ ココで火が出たら、 逃げ場はないぞ」
秘書ミソラ「トウヤ様」
トウヤ「なんだ?」
秘書ミソラ「このままだと死んでしまうかもしれません。 だから言います」
秘書ミソラ「ワタシ、アナタが大好きなんです!秘書と社長って立場が違いすぎるのは、わかっています!」
トウヤ「ミソラくん・・・」
秘書ミソラ「このまま二人で死んでしまっても ワタシは後悔しません・・・」
秘書ミソラ「あんな女に取られるくらいなら・・・」
トウヤ「ダメだ!死んじゃうなんて考えたらダメだ!生き延びよう!な!」
秘書ミソラ「トウヤ様・・・」
トウヤ「圧力でガラスが割れた! 水が入ってくる!」
秘書ミソラ「トウヤ様・・・」
トウヤ「よし! オレにしっかり捕まっていろ! 泳ぐぞ!」
ブクブクブクブクブクブク
〇湖畔
ザバーン
トウヤ「はぁ、はぁ、なんとか 岸までついた・・・」
チャッ
弓矢の先が頭を狙っている。
キルケ「しぶといわね。助かったと思った? 残念ね。 アナタはココで死ぬのよ」
トウヤ「キルケ、お前なのか・・・ 俺を殺そうとするのは」
キルケ「アナタは私の手で死ぬの。 永遠に私のもの」
キルケ「さぁ、おやすみなさい!」
ビュッ
キルケ「キャッ、何!?」
バブーちゃん「ぶー!」
バブーちゃん「ギャー」
キルケ「キャー!!!」
キルケ「たいさーん!」
シュッ
トウヤ「はっ! 俺はいったい・・・」
トウヤ「ミソラ!ミソラ!起きて!」
トウヤ「くそ!起きない!」
トウヤ「水を飲んでるのか・・・ じ・・・人工呼吸・・・」
トウヤ「緊急事態だ、仕方ない・・・」
トウヤ「・・・」
トウヤ「・・・」
秘書ミソラ「ん・・・んん・・・」
秘書ミソラ「はっ、ゲホッ、ゲホゲホッ」
トウヤ「・・・」
秘書ミソラ「社長・・・が・・・助けてくれたの?」
トウヤ「ミソラ・・・社長はやめてくれ。 トウヤって呼んでくれよ」
秘書ミソラ「トウヤ・・・さん。 夢じゃないの?」
トウヤ「こんなリアルな夢があるかよ」
〇湖畔
バブーちゃん「だー!」
ちびレッドドラゴン「あーこんな所にいた!」
ちびグリーンドラゴン「勝手にいなくなっちゃ ダメじゃないか!」
バブーちゃん「だー!」
「あっこら逃げるなー!」
ユズル「あーよしよし 帰ろうか」
バブーちゃん「だー!♡」
グリーンドラゴン「ほら!お前たちも帰るぞ!」
ちびグリーンドラゴン「ハーイ!」
ちびレッドドラゴン「ハーイ!」
〇奇妙な屋台
店主「無事に戻ってこれて 良かったわね〜」
ヨリコ「ありがとうございます! お陰様で助かりましたわ! 主人も快方に向かっていますの!」
ヨリコ「新しいお嫁さんも来るみたいだけど・・・」
店主「その子なら大丈夫よ! 心配ご無用!」
ヨリコ「そうかしらね。 でもさみしいわ、一人息子だもの」
店主「じゃあコレをお持ちなさいな」
ヨリコ「ありがとう また寄らせていただくわね。 お茶ごちそうさま」
店主「おやすみなさい、良い夢を♡」
「店主とドラゴンと護り札」は不思議な屋台で始まり、様々な場面が展開されますね。店主の温かい挨拶やトウヤの就任、そしてキルケの登場など、ワクワクする展開が魅力的です。特にキルケの謎めいた存在には興味が湧きます。ヒューマンなジャンルなので、登場人物たちの人間関係や成長も楽しみです。物語が進むにつれて、風や水、火に関連する要素が登場するようですね。どんな展開が待っているのかワクワクします。全体的に魅力的な要素が詰まった作品で、これからの展開がますます楽しみです!
キルケさんの呪文、ひょっとしたらアチラ側の方なのでしょうかね?
ユズルさんが戦う展開かと思いきや、バブーちゃん強すぎww
ドラゴンというよりは「店主とバブーと護り札」でしたね。バブーちゃんとちびドラゴンたちのスリーショットが可愛くてたまりません。流石さんの胡散臭さもすごかった。