第7話『たたかう、ミライ』(脚本)
〇黒
〇魔物の巣窟
〇黒
第7話
『たたかう、ミライ』
〇祭祀場
「私達に張り付いた」
「異分子を排除しなさい」
将軍「・・・はい」
将軍「至急、対処いたします」
〇小さい倉庫
キタムラ「・・・はい」
キタムラ「・・・判りました」
〇山奥の研究所
〇小さい倉庫
山下コウイチ「お疲れ様です」
キタムラ「・・・・・・」
キタムラ「・・・・・・」
キタムラ「・・・・・・」
山下コウイチ「・・え」
山下コウイチ「・・・どうしたんすか?」
キタムラ「・・・なあ?」
キタムラ「お前よ」
キタムラ「隠してる事あんだろ」
山下コウイチ「え?」
山下コウイチ「なんすか、いきなり」
山下コウイチ「えっ!ちょっと!」
キタムラ「おめえ・・スパイだろ」
山下コウイチ「・・・何、言ってんすか!」
山下コウイチ「そんな訳ないでしょ!」
山下コウイチ「やめて下さいよ!アニキ!」
キタムラ「なにが、アニキだよ」
キタムラ「・・・騙しやがってよ」
〇黒
〇小さい倉庫
山下コウイチ「・・・・・・」
山下コウイチ「・・・アンタに殺られる程」
山下コウイチ「ヤワじゃねえぞ!」
〇山奥の研究所
山下コウイチ.「こちら山下です」
山下コウイチ.「・・・すみません」
山下コウイチ.「身許がバレました」
山下コウイチ.「これから、そちらに向かいます」
山下コウイチ.「・・お、お前!」
シャドー(影沼ノエル)「・・・ふーん」
シャドー(影沼ノエル)「お前、羽田ミライの仲間なんだな」
シャドー(影沼ノエル)「その気合いの入ったコスプレに騙されたよ」
シャドー(影沼ノエル)「違和感は感じてたけどな」
シャドー(影沼ノエル)「やっぱり、直感は大事だな」
山下コウイチ.「ど、どうするつもりだ!」
シャドー(影沼ノエル)「どうするって言われてもね・・」
シャドー(影沼ノエル)「今の俺は、あの姉妹の」
シャドー(影沼ノエル)「お友達になったみたいだから」
シャドー(影沼ノエル)「・・・こうするしかないだろ?」
〇黒
山下コウイチ.「うぐっ・・」
〇黒
〇黒
〇ビルの屋上
島崎アイ.「・・・・・・」
島崎アイ.「ミライ・・」
島崎アイ.「悲しい気持ちは判るわ・・」
島崎アイ.「私にも同じ経験はある」
羽田ミライ「・・・・・・」
島崎アイ.「でも、これは仕方ない事なの」
羽田ミライ「・・・・・」
島崎アイ.「私でも、アナタでも」
島崎アイ.「いつ同じ事になるかも知れないの」
島崎アイ.「それは誰にも判らない」
羽田ミライ「・・・・・・」
島崎アイ.「彼が命と引き換えにして得たものは」
島崎アイ.「私達が大切に引き継ぎましょう」
羽田ミライ「・・・・・・」
〇見晴らしのいい公園
〇黒
〇大きい研究所
〇開けた景色の屋上
柳原伊知郎「・・・・・」
島崎アイ「・・はい」
島崎アイ「・・承知致しました」
島崎アイ「今回はあくまでも」
島崎アイ「無差別テロ抑止としての作戦」
島崎アイ「という事ですね」
柳原伊知郎「ああ・・形式上、そういう事だな」
柳原伊知郎「シャドーが関わる可能性がある限り、 応援は要請出来ない」
島崎アイ「・・・そうですか」
島崎アイ「ミライには 負担が大きいかも知れませんが・・」
柳原伊知郎「ああ」
柳原伊知郎「彼女にはなるべく」
柳原伊知郎「無理のない様に、と願っているが」
柳原伊知郎「我々としては」
柳原伊知郎「あの団体の、危険な兆候を察知した以上」
柳原伊知郎「集団が肥大化していない、今の内に」
柳原伊知郎「中枢を叩き潰したいと思っている」
島崎アイ「はい」
島崎アイ「では、こちらも最善を尽くします」
柳原伊知郎「ああ・・・頼んだよ」
〇怪しい研究所
〇近未来の開発室
羽田ミライ「・・・」
島崎アイ「ミライ?」
羽田ミライ「はい」
島崎アイ「絶対に、感情に流されてはダメよ」
羽田ミライ「・・はい」
島崎アイ「自分の置かれている立場を 肝に銘じて欲しい」
島崎アイ「この社会には常に不安の影が付きまとってる」
島崎アイ「絶対に表に出ることは無いけど」
島崎アイ「その影を払拭するのが私達の役目」
島崎アイ「そして、その為に」
島崎アイ「どんな時でも、プロフェッショナルとして」
島崎アイ「冷静沈着な行動を心掛けるの」
島崎アイ「どんな事があってもね」
島崎アイ「わかった?」
羽田ミライ「はい」
島崎アイ「では今から12時間後」
島崎アイ「深夜0時に作戦決行します」
羽田ミライ「はい」
島崎アイ「トムは いつでもミライと繋がれる場所で待機して」
トム「はい」
島崎アイ「ミライ?」
島崎アイ「万が一、シャドーと対峙した場合は」
島崎アイ「絶対に無理な交戦はしないこと」
島崎アイ「わかった?」
羽田ミライ「はい」
島崎アイ「私はトムを通じて、指示を出します」
羽田ミライ「はい」
島崎アイ「では、羽田ミライ中尉」
島崎アイ「アナタの無事を心から祈ります」
羽田ミライ「はい、有り難うございます」
〇見晴らしのいい公園
〇ヘリコプターの中
柳原伊知郎「それでは、最終確認だ」
柳原伊知郎「今回の作戦に対して 異議申し立てはあるか?」
島崎アイ「いえ・・ありません」
島崎アイ「最終ターゲットは あくまで『カミシモト姉妹』ですね」
柳原伊知郎「その通りだ」
柳原伊知郎「そして、今回の作戦は」
柳原伊知郎「シャドー絡みの可能性がある為」
柳原伊知郎「羽田ミライ中尉、単独での任務となる」
島崎アイ「はい、確認済みです」
柳原伊知郎「彼女が『カミシモト姉妹』を 討ち取った時点で作戦終了だ」
島崎アイ「はい」
柳原伊知郎「作戦の成否は」
柳原伊知郎「羽田ミライと君にかかっている」
柳原伊知郎「君達チームの健闘を祈る」
島崎アイ「はい」
島崎アイ「有り難うございます」
〇黒
23:59
〇キャンピングカーの中
島崎アイ「では、ミライ」
島崎アイ「準備はいい?」
はい
島崎アイ「トムは大丈夫?」
はい
0:00
島崎アイ「では、これより作戦開始します」
〇巨大研究所
『ミライ、まず正面に2人だわ』
了解
〇武骨な扉
「ウッ! グッ!」
トム、解錠して
了解
解錠完了
『トムは、この位置に残って』
はい
『ミライ、ここから指示を出すわ』
了解
〇黒
『ミライ、前方からひとり』
兵隊「グアッ!」
『続いて、前方からふたり組』
兵隊.「何者だ!」
兵隊「誰もいないぞ」
兵隊.「ウガッ」
兵隊「お、おい!・・なんだ! 何がどうなってんだ!」
兵隊「ガハッ!」
『続けて前方から、もうひとり』
兵隊.「おい!どうした?!」
兵隊.「グハッッ!」
『ミライ、待って』
『近くにもう1人反応があるわ』
『気をつけて』
『シャドーかも知れないから』
はい
〇暗い廊下
将軍「おい!止まれ!」
将軍「なにっ・・・消えた」
将軍「ど、どこだ!」
将軍「ウッ!」
『ミライ、ターゲットはこの先、右手よ』
了解
〇祭祀場
ターゲット、確認
「・・・・・・」
「・・・ねえ」
「・・・やめて」
「私達、何もしてないよ」
「お願いだから、撃たないで」
「お願いだから・・」
?、「ミ~ライ!」
えっ・・
「ミライのお名前はね」
?、「自分で人生を切り開いて欲しくて」
「一生懸命、考えてつけたんだよ」
・・お母さん
『ミライ、どうしたの?』
いや・・
『早く、任務を遂行して』
・・・はい
シャドー(影沼ノエル)「ひとりで乗り込んで来るとはな」
〇黒
〇祭祀場
シャドー(影沼ノエル)「・・・・・・」
シャドー(影沼ノエル)「・・・・・・」
シャドー(影沼ノエル)「・・・・・・」
〇黒
こちら、ミライ
ただいま、任務完了しました
『了解』
『これで今回は終了よ』
『すぐに帰還して』
・・・・・・
『ミライ?』
『すぐに戻って』
〇祭祀場
シャドー(影沼ノエル)「・・・・・・」
シャドー(影沼ノエル)「・・・可哀想にな」
シャドー(影沼ノエル)「この娘達も」
シャドー(影沼ノエル)「俺に関わらなきゃ」
シャドー(影沼ノエル)「長生きできたのにな」
シャドー(影沼ノエル)「・・・・・・」
シャドー(影沼ノエル)「・・・で、ミライ」
シャドー(影沼ノエル)「どうする?」
シャドー(影沼ノエル)「このまま続けるか?」
シャドー(影沼ノエル)「この娘達の予言だと」
シャドー(影沼ノエル)「俺かお前、どっちかが死ぬらしいぞ」
シャドー(影沼ノエル)「さあ、どうする?」
シャドー(影沼ノエル)「決着をつけるか?」
『ミライ!』
シャドー(影沼ノエル)「君は、どうしたいんだ?」
『ミライ!戻りなさい』
『命令よ!』
・・・はい
了解です
〇黒
〇黒
〇物置のある屋上
羽田ミライ「・・山下くん」
羽田ミライ「・・・ずいぶん変わったよね」
山下コウイチ「え?」
山下コウイチ「頭と眉毛、剃ってるからじゃないの?」
羽田ミライ「そうかなぁ?」
山下コウイチ「そうだろ?」
山下コウイチ「あ、これ毎日剃ってんだよ」
山下コウイチ「俺、本当はこんなキャラじゃないでしょ?」
羽田ミライ「うん・・そうだね」
山下コウイチ「サラリーマンとかなら向いてんだけどなぁ」
〇物置のある屋上
山下コウイチ「羽田は良い方向に向かってるよ」
〇物置のある屋上
羽田ミライ「・・・・」
羽田ミライ「ありがとう・・」
羽田ミライ「さようなら・・」
羽田ミライ「山下くん・・」
羽田ミライ「・・・じゃあね」
〇見晴らしのいい公園
〇見晴らしのいい公園