第6話『ほほえむ、ミライ』(脚本)
〇黒
〇巨大研究所
〇暗い廊下
将軍「お疲れ様でした」
シャドー(影沼ノエル)「・・・・・」
シャドー(影沼ノエル)「なかなか、面白い体験だったよ」
将軍「そうですか」
シャドー(影沼ノエル)「ああ・・」
シャドー(影沼ノエル)「あんなヤツがいるんだな」
将軍「・・・・・」
シャドー(影沼ノエル)「ところで アンタ達の兵隊って、どれくらいいるんだ?」
将軍「そうですね、まあ・・」
将軍「世の中を ひっくり返す可能性があるくらいは・・」
シャドー(影沼ノエル)「・・・ふ~ん」
シャドー(影沼ノエル)「で、もし」
シャドー(影沼ノエル)「世の中がひっくり返ったら、どうなるんだ?」
将軍「はい」
将軍「今の世界とは違う」
将軍「全く新しい秩序が生まれ」
将軍「新しい守護神と共に」
将軍「新世界が誕生します」
シャドー(影沼ノエル)「・・過激だな」
将軍「そうですか?」
シャドー(影沼ノエル)「・・・・・」
〇魔物の巣窟
〇黒
第6話
『ほほえむ、ミライ』
〇小さい倉庫
山下コウイチ「おはようございます」
キタムラ「おお」
キタムラ「来ていきなりだけどよ」
キタムラ「ちょっと車で出かけるから、お前も来いよ」
山下コウイチ「どこ行くんすか?」
キタムラ「いいから、ついてこいよ」
山下コウイチ「・・・はい」
〇黒
〇秘密のアジト
山下コウイチ「あの・・アニキ」
山下コウイチ「ここ何なんすか?」
キタムラ「・・あの団体の倉庫だよ」
山下コウイチ「・・・え?」
山下コウイチ「・・・今度、何かあるんすか?」
キタムラ「まだハッキリとは、わかんねえけど」
キタムラ「近いうちに」
キタムラ「都会のど真ん中で、花火大会らしい」
山下コウイチ「・・・マジすか」
キタムラ「いつもは証拠が残らねえ位の 地味な花火だったけどよ」
キタムラ「今度は派手になりそうだぞ」
山下コウイチ「・・・・・」
山下コウイチ「あの・・」
山下コウイチ「その、花火って今日移動させるんすか?」
キタムラ「いや、今日は下準備だよ」
キタムラ「湿気ってねえか見に来たんだよ」
山下コウイチ「そうすか・・」
倉庫番「お疲れ様です」
キタムラ.「おお、様子どうだ?」
倉庫番「こんな所、誰も来ませんわ」
キタムラ.「いいじゃねえか、暇でよ」
倉庫番「もう、飽きましたわ」
キタムラ.「くくくっ」
〇黒
〇兵器の倉庫
山下コウイチ「・・・・・・」
山下コウイチ「あの、アニキ・・」
キタムラ「なんだ?」
山下コウイチ「これ・・あの姉妹に言われたんですよね?」
キタムラ「そうだよ」
キタムラ「御神託をちょうだいして」
キタムラ「準備してんだよ」
山下コウイチ「あの・・」
山下コウイチ「よく判らないですけど」
山下コウイチ「もしかしたら」
山下コウイチ「あの姉妹が 間違ってる場合もあるんすよね?」
キタムラ「ああ?」
キタムラ「間違いも何もよ」
キタムラ「信じてる連中にとっちゃ」
キタムラ「あの姉妹の言葉は全て真実なんだからよ」
山下コウイチ「・・・・・」
山下コウイチ「・・洗脳状態じゃないすか」
キタムラ「そりゃ、そうだろ」
キタムラ「あんな団体は全部一緒だろうがよ」
キタムラ「ただ、あの双子姉妹はホンモノだけどな」
山下コウイチ「・・・そうすか」
山下コウイチ「でもアニキ、いいんすかね?」
山下コウイチ「関係ない人達が 巻き込まれるかも知れないすよ」
キタムラ「そんなの関係ねえだろ」
キタムラ「俺達、下っ端は言われた通りやるだけだよ」
山下コウイチ「・・・・・」
〇怪しい研究所
〇近未来の開発室
島崎アイ「・・・あ、来たわね」
トム「やあ、ミライ」
羽田ミライ「アイさん、トム」
島崎アイ「・・・ミライ」
島崎アイ「だいぶ元気になったんじゃない?」
羽田ミライ「はい、有り難うございました」
島崎アイ「いや、私は特に何もしてないわ」
羽田ミライ「そうですけど・・」
羽田ミライ「とにかく有り難うございました」
島崎アイ「うん・・ふふっ」
島崎アイ「でも、さっそくなんだけど」
島崎アイ「データを送った通り」
島崎アイ「シャドーが大胆に動きだしたわ」
羽田ミライ「はい、先ほど確認しました」
島崎アイ「ねえ?ミライ」
島崎アイ「どうして この団体がシャドーに接近したんだと思う?」
羽田ミライ「・・・はい」
羽田ミライ「この団体を率いる双子の姉妹は過去に」
羽田ミライ「かなり過激な発言をしていますね」
島崎アイ「そうね・・」
島崎アイ「世界を一新か・・」
羽田ミライ「私は単純に」
羽田ミライ「シャドーの持っている戦闘能力を欲したのだと思います」
島崎アイ「うん・・」
島崎アイ「でも、私はちょっと腑に落ちないなぁ」
羽田ミライ「・・そうですか?」
島崎アイ「うん。 シャドーがこんな団体と・・なんて」
島崎アイ「でも・・」
島崎アイ「あの男を惹き付ける 何らかの要因があったんでしょうね」
〇黒
〇近未来の開発室
羽田ミライ「・・・・・」
島崎アイ「そうだ、ミライ」
羽田ミライ「はい」
島崎アイ「この団体を調べてる仲間と」
島崎アイ「情報共有して欲しいの」
島崎アイ「直接会って、 アナタなりに感じてもらいたいの」
羽田ミライ「はい、判りました」
島崎アイ「今回は」
島崎アイ「その仲間と動いてもらうかも知れないから」
島崎アイ「コミュニケーションを図っておいてね」
羽田ミライ「・・・はい」
〇ビルの屋上
山下コウイチ「久しぶり!」
羽田ミライ「・・・あの」
羽田ミライ「山下くん・・・だよね?」
〇物置のある屋上
羽田ミライ「山下くん・・」
羽田ミライ「・・・ずいぶん変わったよね」
山下コウイチ「え?・・」
山下コウイチ「頭と眉毛、剃ってるからじゃないの?」
羽田ミライ「そうかなぁ?」
山下コウイチ「そうだろ?」
山下コウイチ「あ、これ毎日剃ってんだよ」
羽田ミライ「ふふふっ、大変だね」
山下コウイチ「まあね・・」
山下コウイチ「俺、本当はこんなキャラじゃないでしょ?」
羽田ミライ「うん・・そうだね」
山下コウイチ「サラリーマンとかなら向いてんだけどなぁ」
羽田ミライ「ふふふっ」
山下コウイチ「だから毎日、必死で演じてるよ」
羽田ミライ「そうかぁ」
山下コウイチ「うん、マジ大変だよ」
山下コウイチ「役者と一緒だな」
山下コウイチ「NGは命取りだけどさ」
羽田ミライ「・・・でも」
羽田ミライ「山下くんなら大丈夫」
山下コウイチ「えっ、そうか?」
羽田ミライ「うん、自信を持って」
山下コウイチ「羽田に言われたら、ちょっと自信つくな」
羽田ミライ「・・・ねえ?」
羽田ミライ「そのタトゥーって、本物?」
山下コウイチ「いや、シールだよ」
羽田ミライ「本物みたいだね・・」
山下コウイチ「ああ・・」
山下コウイチ「羽田とはレベルが違うけどさ」
山下コウイチ「一応、俺もプロだからね」
山下コウイチ「ディテールにこだわらないとさ」
羽田ミライ「・・・ふふふっ」
山下コウイチ「えっ?なに?」
羽田ミライ「いや、なんでもないよ」
山下コウイチ「そうか?」
羽田ミライ「・・・うん」
羽田ミライ「・・・ふふふっ」
山下コウイチ「あ、羽田?」
羽田ミライ「なに?」
山下コウイチ「・・・シャドーには気をつけろよ」
羽田ミライ「・・・あ、うん」
山下コウイチ「・・・まあ」
山下コウイチ「お前なら、大丈夫だと思うけどさ」
羽田ミライ「・・・うん」
山下コウイチ「羽田は俺達、同期の誇りだよ」
羽田ミライ「・・・・・・」
羽田ミライ「どうも・・・ありがとう・・」
〇祭祀場
〇祭祀場
「ヒトならざる者と共に光が来ます」
シャドー(影沼ノエル)「なんだそりゃ?」
「アナタの命を」
「狙っています」
シャドー(影沼ノエル)「・・・ほう」
シャドー(影沼ノエル)「心当たりがありすぎるな」
シャドー(影沼ノエル)「・・・いや」
シャドー(影沼ノエル)「ヒトじゃないって」
シャドー(影沼ノエル)「アイツらか」
〇黒
〇祭祀場
シャドー(影沼ノエル)「まさか俺がアイツらに負けるのか?」
「いえ、未来の事は誰にも解りません」
シャドー(影沼ノエル)「キミらにも解らないのか?」
「はい・・」
「未来は常に不確定です」
「運命は自分で引き寄せるのです」
シャドー(影沼ノエル)「・・・ふっ」
シャドー(影沼ノエル)「そうじゃなきゃ、つまらんな」
〇物置のある屋上
山下コウイチ「でも、羽田」
山下コウイチ「昔のピリピリした感じが無くなったよなぁ」
羽田ミライ「えっ?」
羽田ミライ「そうかな・・」
山下コウイチ「なんでだろうな?」
山下コウイチ「今も大変なはずなのにさ」
羽田ミライ「昔はそんなに酷かった?」
山下コウイチ「いや、酷いって訳じゃないけどさ」
山下コウイチ「・・・必死だったんだろうな」
山下コウイチ「昔は こんなに笑いあえる感じじゃなかったしな」
羽田ミライ「・・・・・」
山下コウイチ「まあ、でも羽田は良い方向に向かってるよ」
羽田ミライ「え?」
羽田ミライ「そうなのかなぁ」
山下コウイチ「間違いないね」
山下コウイチ「あっ!」
山下コウイチ「今さらだけど、今回はヨロシクな!」
山下コウイチ「今日、その為に来たんだよ」
羽田ミライ「うん」
羽田ミライ「・・こちらこそ、よろしく」
山下コウイチ「でも、羽田と一緒だと心強いわ」
羽田ミライ「そんな事ないよ・・」
山下コウイチ「いや、安心感が違うよ」
山下コウイチ「あ、安心してちゃ、マズイか」
羽田ミライ「気を引き締めていかないとね」
山下コウイチ「ああ、そうだな」
山下コウイチ「ホントはこんなに ヘラヘラしてる場合じゃないんだわ」
羽田ミライ「はははっ」
羽田ミライ「そうだよ、山下くん」
〇黒
〇祭祀場
「異分子が入り込んでいます」
〇黒