祠(脚本)
〇屋敷の大広間
心愛(みあ)「あらお客様、今日も聞きに来たの?」
心愛(みあ)「そう!じゃあ、今日は不思議なお話をするわ!」
心愛(みあ)「それじゃ、ごゆっくり」
〇病室
私の息子は、産まれてすぐ心臓に持病が見つかりました。
母親「カナくん、最近調子はどう?」
男の子「元気だよ!」
母親「そう。何かあったら先生か看護師さんに言ってね」
母親「次はお姉ちゃんも一緒に来るからね」
男の子「うん!」
男の子「・・・」
男の子「僕の病気、治るのかな・・・」
〇大きい病院の廊下
私はある日、とある噂を耳にしました。
「ねえ、この病院の守り神のこと知ってる?」
「しってるしってる~!この前妹が入院したんだけど、守り神が祀られてる祠に参拝したら すぐに治ったの~」
私は、祠に参拝することを思い付きました。
もちろん、祈るだけで病気が治るのなら医者は要りません。
しかし、息子の心臓の手術が数日後に迫っていたので、成功祈願で祠に参拝しようと思ったのです。
〇古びた神社
母親「ここが、噂の祠・・・」
母親(息子の心臓の手術が成功しますように・・・)
ふたたび目を開けるとその祠は、神々しい光を放っていました。
〇大きい病院の廊下
その後、息子の手術は成功、退院が決まりました
母親「カナくん、ようやくおうちに帰れるよ」
男の子「やった~!帰ったらおねーちゃんとたくさん 遊びたい!」
あれから十数年。私は定期的にあの祠にお参りに行っています。
そのお陰か、私や、私の家族の回りでは大きな事件や事故もなく、平和に暮らしています。
〇屋敷の大広間
心愛(みあ)「今回はこころが暖まる話だったわね」
心愛(みあ)「でも、この祠には怖い噂もあるの」
心愛(みあ)「祠があった病院は数年前に畳まれた」
心愛(みあ)「その病院の解体工事をしようとした作業員が解体作業中に瓦礫が落ちてきて大怪我をおったらしいの」
心愛(みあ)「やはり、祠や廃墟には気を付けたほうがいいわね」
心愛(みあ)「今日はここまで」
心愛(みあ)「また来てくれるのを待っているわ」