St.2 青春-中編(脚本)
〇住宅街の公園
ライト「転校、、、転校?」
AM 10:30
私は、母の言葉を脳内で繰り返しながら、彷徨っていた
〇明るいリビング
シオン「参加するからには、絶対死なせない!」
シオン「取って置きの秘策と、転校の手続きをしてくるから、安心してね!」
ライト「いや、待って転校の話は、 もうちょっと詳しく、教え────」
「らいちゃんは、何も心配しないでねぇぇぇ!」
ライト「ちゃんと、話してよぉぉ」
〇住宅街の公園
ライト「お母さんの力には、なりたい」
ライト「誰かが傷つくのを止められるなら、止めたい!」
・・・・・・・・・
ライト「でも、、、転校はイヤだ」
十五年間、私はこの町で暮らしてきた
この、月宮市で────────
ライト「大事な友達もいる。 中学生まではせめて一緒に、いたい」
ライト「でも、、、」
軽い気持ちだった事を痛感する。
死ぬ覚悟も、ましてや、転校する勇気もない
ライト「どうしよ、今からやめるって言う?」
・・・・・・・・・
ライト「でも、、、お母さん、一生懸命だし」
ライト「うぅ、分かんないよ」
でも、何もしなかったら後悔する
私の本当にしたいことって?
ライト「私の一番大事な物は、なに?」
〇住宅街の公園
大切な、、、大切なのは、、、
それから、どのくらい悩んでいただろう
ふと、私の頭上に影が落ちる
「悩める子羊よ、親友の胸を貸そうか?」
コウちゃん「よっす、ライト♪」
コウちゃん「何かあったなら話、聞くよ?」
目の前に、私の親友がいた
声をかけられただけで、不安が吹き飛んだ
笑顔を見るだけで、釣られて笑顔になった
ライト「コウちゃん、大好きだよ?」
コウちゃん「・・・・・・」
コウちゃん「ミャッ!?」
〇住宅街の公園
コウちゃん「ふぅ~、愛の告白かと思った」
ライト「ち、違うの! 顔見たら安心して!」
コウちゃん「でも、私はライトが大好きだよ?」
ライト「う、うん。私も好きだけど──────」
・・・・・・・・・
苦痛じゃない、ちょっとした空白の時間
コウちゃん「え、付き合う?」
ライト「そう言う意味は含んでないよ?」
コウちゃん「よねぇ~? LIKEだよね~?」
コウちゃん「もう、二押し、いや三手か?」
ライト「ん、うん?」
目の前の金髪の子は、
福宮 幸(フクミヤ コウ)ちゃん
小学校からの幼馴染みで、
運動神経抜群の女の子です
(因みに、時折LOVEな波動を感じます)
コウちゃん「・・・ふむむ、話を聞くと、デスゲームに参加させられそうになっていると?」
ライト「すごーく、端的に言えば、うん」
コウちゃん「断れば?」
ライト「それが、難しいから困ってるんだよ」
お母さんの悲しそうな顔なんて見たくない。
人が争い会って、殺し会うなんて────
コウちゃん「詩音さんが一番悲しむのは、 ライトが居なくなった時だと思うよ?」
ライト「それは、、、うん」
コウちゃん「強制された訳じゃない。 死なせない為に、詩音さんは何かしてる」
コウちゃん「なら、一番はやっぱり参加しないことだよ♪」
ライト「それで、いいのかな?」
コウちゃん「私が、許す!」
ライト「アハハ、なにそれ?」
ライト「でも、そっか。そうだよね?」
コウちゃん「そうだよ? ライトは愛されてるんだよぉ?」
ライト「うん、じゃあちゃんと伝えてみる」
ライト「ありがと、コウちゃん♪」
コウちゃん「うむ、どういたしまして」
そうだ、一番大切な物はまだ分からないけど、
少ないとも、今はまだ、コウちゃん達と青春をしたい
ライト「私、まだコウちゃんと離れたくないや」
コウちゃん「LIKEなのが、辛いところだね」
ライト「、、、うん?」
そうと決まれば、早速──────
コウちゃん「あ、待って、ずっと言いたい事あったんだけど」
ライト「ん、何かな?」
LOVEの波動は感じるけど、告白はないよね?
あっ、夏休み、遊ぼうって話かな?
コウちゃん「髪、凄い綺麗だね」
コウちゃん「黒髪も好きだけど、真っ白なライトも好きだよ♪」
・・・・・・・・・
ライト「あぁ~、すっかり忘れてた髪のこと!?」
ライト「ど、どど、どうしよ?」
ライト「黒く染めれば、大丈夫かな?」
コウちゃん「別に、そのままでも良くない? 私は校則OKだよ?」
ライト「コウちゃんがOKなのは、生まれながらの髪色だからだよ!」
ライト「えぇ~、これ夏休み明けに怒られるかな?」
コウちゃん「どっちでもいいから、髪触らせてぇ~」
ライト「わりと深刻な悩みだよ?」
やっぱり、日常って感じがしていいな
非日常なんて、私には向いてないよね
???「イチャイチャするの、やめてくれる?」
ライト「・・・・・・え?」
ライト「ッコウちゃん!?」
目の前から、コウちゃんが消えた。
いや、地面に呑み込まれた?
ライト「アナタの仕業ですか?」
アラカ「そう、私の仕業」
アラカ「語り手同士、語り合おうか?」
〇住宅街の公園
コウちゃんが消えるまで、
近づいてくるのに気づかなかった
お母さんと同じような、不思議な力のせい?
ライト「アナタも、語り手(トレクト)ですか?」
アラカ「──────トレクト?」
アラカ「へぇ~、この力って、そう呼ぶんだ」
よく分かってない? でも、敵だよね?
ライト「何で、私達を攻撃したんですか!」
アラカ「何でって? アナタも持ってるんでしょ?」
その子が見せたのは、紫の水晶のようなもの
お母さんが見せてくれたものと、色以外は同じだった
アラカ「これ、欲しいんだけど?」
と言われても、今は持ってない。
────家まで帰らせてくれる?
ライト「何で此処で襲って来たんです? 場所、神凪町(カンナギ町)って聞きましたよ」
アラカ「あぁ、そうだね。 石の力を発揮したいなら、そうかもね」
アラカ「でも、先取りするなら、先手必勝でしょ?」
アラカ「相手が力を使いこなす前に、潰すって訳」
ライト「それなら、コウちゃんは、関係ありません!」
アラカ「それ、人質として使えますって宣言したようなものだよ」
アラカ「さぁ、人質交換といこうか?」
そんなこと、言われても手元に────
ライト「な、何で、ポケットに入ってるの?」
アラカ「さて、選択してもらえる?」
アラカ「自分か、友達かを──────」
そんなの、友達に決まってる!
でも、本当に無傷で返してくれるの?