スイーツ(脚本)
〇コンピュータールーム
意味のない笑い 自己否定 下卑 そんな虚意識はアリスがスイーツにして食べちゃうぞ
有珠(ありす)「は〜今日の掃除当番は私か」
ミル「スイーツ スイーツ」
有珠(ありす)「もういいよ 甘いものは あたまくらくらするし」
苺「スイーツは甘いものだけじゃないよ」
有珠(ありす)「それもそうか」
有珠(ありす)「とりま掃除機かけてくる」
苺「いってら〜」
〇宇宙空間
宇宙空間に浮遊するうさぎ型の虚意識たちを掃除機で吸い込んでいく
有珠「すっきりした 掃除完了 これをブラックホールにぽいっとな」
有珠「ブラックホールに入れた虚意識は私達のスイーツ(食料)に変換されるんだ」
有珠「チャラチャラしたスイーツじゃなくて懐石料理とかがいいなあ」
〇コンピュータールーム
遊「有珠おかえり」
リオン「おつかれ〜」
有珠(ありす)「ただいま〜」
有珠(ありす)「さて、私の晩ごはん なにがくるかな」
壁から懐石和菓子が出てきた
有珠(ありす)「和菓子・・・ たしかにチャラチャラはしてないけど〜 甘いもの以外はできないの?」
リオン「グルメだね 有珠は」
メカアリス「虚意識は訳あって甘えられなかった意識だから変容をかけなかったら甘いものとしてこっちで生成されるのよ」
有珠(ありす)「あーね 意識変容の研究をしようっと」
有珠(ありす)「生成回路が変わるかもしれない」
〇英国風の図書館
有珠(ありす)「ここは『宇宙船アリス』の図書室・・・」
有珠(ありす)「料理本コーナー、はじめて来た」
有珠(ありす)「へえ〜 料理好きの人はとことん料理に凝れるんだな おもしろい」
???「やあ 有珠」
鏡の中から帽子屋が出てきた
有珠(ありす)「わあ いま研究してるから、哲学をふっかけたりして邪魔しないでよね」
哲かけホワイトハッター「するする」
有珠(ありす)「・・・」
哲かけホワイトハッター「パラレルワールドは存在するだろうか?」
有珠(ありす)「え・・・?」
ホワイトハッターは笑みを浮かべながら鏡の中に引っ込んでいった
有珠(ありす)「もう なんなの」
鏡の中をじっと見つめる
有珠(ありす)「私は誰 私は誰」
哲かけホワイトハッター「おっと 鏡の中に問うのはそれまでにしておきなさい 自我のゲシュタルトが崩壊して帰らぬ人になってしまうよ」
有珠(ありす)「ひっ」
有珠(ありす)「・・・パラレルワールドって料理に関係ある?」
哲かけホワイトハッター「おおありさ」
有珠(ありす)「ふーん・・・」
私は数時間(といっても宇宙船内ではリニアな時間がないけど) 図書室で考えた
有珠(ありす)「スイーツというパラレル時系列を作らなきゃいいのかも スイーツを否定するほどスイーツが引き寄せられてくる?」
〇コンピュータールーム
ミル「有珠おかえりー」
苺「研究どう?」
有珠(ありす)「はかどったよ」
有珠(ありす)「あ、ごはんできた音した」
壁の扉から皿が流れてくる
有珠(ありす)「あ! 懐石料理だ! キタ~」
ミル「おめでと〜」
有珠(ありす)「みんなは何食べてる」
ミル「マカロン・パリジャン」
苺「マカロン・ド・ナンシー」
遊「マカロン・ド・コルムリー」
リオン「マカロン・ダミアン」
有珠(ありす)「私以外全員マカロンじゃん」
有珠(ありす)「マカロンって一種類じゃなかったの?」
遊「新種を作ってもいいかも」
有珠(ありす)「それ楽しそう」
有珠(ありす)「いますぐできそう ちょっと1個マカロン貸して」
リオン「はい!」
有珠(ありす)「よしよし・・・ チョコペンで自画像を描いて・・・」
有珠(ありす)「できた マカロン・有珠」
有珠(ありす)「完璧オリジナルの新種マカロンだよ」
有珠(ありす)「どこにも同じものがなかったらいつでも新しくいられる これが悟りなのかも?」
宇宙の国のアリスが掃除機でウサギ吸ってるの面白いなあ。マッドハッターならぬホワイトハッターとはお茶会しないのですね〜。コルムリーとかナンシーとか修道院のマカロン美味しいですよね。この宇宙船も近未来の女子修道院ぽいかも。あとは宇宙船内にチェシャ猫的なトリックスターがほしいところですにゃ。