正義のハンカチ

謳歌(脚本)

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〇中庭のステージ
先生「校則で決まってるし、みんなハンカチ持ってきてるわね?」
りえ(持ってるけど今日のハンカチ小汚いんだよな)
先生「委員長、みんなのハンカチ回収して」
委員長「はい」
先生「ランダムにハンカチを一人1枚渡すので それになり切って演技してください」
りえ(うおっ 自分のよりも小汚いハンカチが回ってきた)
りえ(黄色がグレーががっていて、雑巾みたい)
りえ(誰のハンカチかわからないけど、いじめなどのトラブルの原因になるので、こんなことやるべきではないのでは?)
先生「ふにゃふにゃの馴れ合いなんかしてないで、存分に闘いなさい」
先生「さあ ひとりずつ ステージの上で思い思いのセリフを叫ぶのよ」
りえ(うるせえな 上からキャアキャアと まずお前が手本をみせろよ)
りえ(というか闘うとか非人道的なことを教師が推奨するなよ 狂ってるのか?)
るか「りえちゃん セリフ決めた?」
りえ「いや全然 セリフ? ねえよ っていうセリフにしようかな」
るか「あはは! いいね」
りえ「いや折角の機会だし、ここはバッチリ演説決めようかな?」
りえ「うーん」
  そうこうしているうちに自分の番が回ってきた
  私は先生の前に歩いていく
先生「あらどうしたの? セリフはステージの中央で発表してね」
  私は無言で黄色いハンカチを先生に渡した
りえ「・・・」
  私はそそくさと元いた場所に戻った
先生「あら 反抗的な演技ね」
  クラスがざわついたが気にしない
  私は学校が気に食わない
  教育過程がなんだが知らないが
  やることなすこと強制されるのは
  人道的ではない
りえ(不登校になりたい こんなところにいたらアホになりそう)
りえ(学校やめたいけど親に文句言われそうで面倒だな)
ヤンキー「キャーハハハハハ」
りえ(ヤンキーにでもなるか? 猿っぽくてやだなあ)
りえ(ま、あと1年の我慢すりゃ自由な高校に上がれる)
りえ(はあ・・・ 税金と時間の無駄だなあ・・・)
りえ(皆はそうは思わないのだろうか? 青春? 楽しんでるらしいし)
りえ(周りを変えようとするのもアホらしいしフリースクールに転入したいな)
りえ(いや 安上がりだし 家で一人で好きなこと勉強してようか?)

〇おしゃれな教室
  調べたら、難しい試験や高い金がなくても入れるフリースクールがあった
りえ「あ すごい 落ち着いた校風だ 科目は選べるし  持ち物検査ないし ハンカチ強制携行じゃない 人道的だ」
りえ「学校も捨てたもんじゃないな」
めい「ねえ りえ 放課後一緒にタピオカ飲みいこー?」
りえ「うんー! わあ 青春っぽい」
りえ「自己実現を謳歌してる気分! これが人道的ってことかあ」

コメント

  • 「ハンカチを使って演技」とはナンジャラホイと思ったけど、その理不尽さがまさに学校における理不尽さの押し付けを象徴してると感じました。猿っぽいヤンキーはどの学校にも一匹はいますね。

  • 義務教育課程を遥か遠い昔に通りすぎた私ですが、校則や風紀検査など、果たしてそれほど意味があったのかなあとこのストーリーを読みながら振り返りました。強要や強制は何時でも良くないですね!

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