第2話『モンスター石井来店』(脚本)
〇メイド喫茶
月「おかえりなさいませ、ご主人様」
客「どうも」
月「こちらへ、どうぞ」
客「はい!」
月「店長」
あみーな「今日も笑顔が素敵ね その調子だよ」
月「ありがとうございます!」
マイマイ「ビラ配り行ってきました」
月「マイマイさん、お疲れ様です!」
あみーな「マイちゃんお疲れ様」
マイマイ「お疲れ様です」
マイマイ「ご主人様をお連れしました」
モンスター石井「どうも」
月「おかえりなさいませ、ご主人様」
あみーな「お、おかえりなさいませ、ご主人様」
マイマイ「私が案内しますね」
あみーな「うん」
月「私、ビラ配りしたことないから ご主人様連れてくるなんて凄いな」
月「どうしました?店長」
あみーな「あ、えっとね」
〇メイド喫茶
モンスター石井(この子は中堅あたりかな)
モンスター石井(ターゲットは さっきいたツインテールの子にしよう)
モンスター石井「烏龍茶貰おうかな」
マイマイ「かしこまりました」
モンスター石井「さっきのツインテールの子に 変わってもらえるかな?」
マイマイ「あ、えっと、うちでは指名は出来かねます」
モンスター石井「それぐらいできないの?」
モンスター石井「こっちは客なんだけど」
モンスター石井「いいじゃん」
マイマイ「分かりました」
〇広い厨房
月「店長、どうかしました?」
あみーな「今来店されたご主人様についてなんだけど」
月「もしかして、有名な方なんですか?」
あみーな「うん、まさにその通りなんだよ」
月「タケゾーさんみたいに?」
あみーな「逆かな」
月「逆?」
あみーな「噂には聞いていたんだけど うちに来店されるのは初めてなの」
あみーな「どうやら、、」
マイマイ「ごめん、月ちゃん あのご主人様が呼んでるから 変わってもらえる?」
あみーな「本当は指名制とかはなくて」
あみーな「キャストが自分の意思で行くか キャスドリとか入れないとダメなんだけど 仕方ないか」
マイマイ「すみません、威圧がすごくて・・・」
月「平気ですよ!行ってきます!」
あみーな「あっ!行っちゃった!」
マイマイ「大丈夫かな」
〇メイド喫茶
月「こんにちは」
月「”月”って書いて”ルナ”って言います」
モンスター石井「へえ、ありきたりだね」
月「そうなんですよ!」
月「何となく付けちゃいました」
モンスター石井(ちっ、まだジャブだ)
モンスター石井「新人さん?」
月「はい!入店して3週間です!」
モンスター石井「どうりで、接客がまだ悪いわけだ」
月「至らない点があったら、ご指導ください」
モンスター石井「学生さん?」
月「そうです」
モンスター石井「老けて見えるね」
月「大人っぽくみられて嬉しいです!」
モンスター石井(なかなかやるな)
モンスター石井「貯めたお金で何してるの?」
モンスター石井「やっぱボーイズバーとかに通ってるの?」
モンスター石井「みんな好きだよね」
月「ボーイズバーって何ですか?」
モンスター石井「あっ、えっと 女性客用のコンカフェみたいなもんかな」
月「そうなんですね」
月「勉強になりました!」
月「ありがとうございます!」
モンスター石井「あ、うん」
モンスター石井(これは鎌をかけられただけだ)
モンスター石井「土日は男子とかと遊んでるんでしょう?」
月「うち、女子校なんで男子いないんですよ」
モンスター石井「へえ、そうなんだ」
月「土日は友達と麻雀やったり ザリガニ釣りしてます」
モンスター石井「ん?麻雀?ザリガニ釣り?」
月「楽しいんですよ、ザリガニ釣り」
月「夏になると用水路まで遠征します」
モンスター石井「あー、そういうことか 不思議ちゃんキャラ気取ってるわけか」
モンスター石井「あるあるだね その手には乗らないぞ」
月「尻尾の真ん中のヒレみたいなのを回して 引っ張ると背ワタがきれいに取れるんですよ」
月「これです!見てください!」
モンスター石井「あ、ちゃんと調理して食べるんだ」
月「茹でると本当にエビみたいな味なんですよ」
モンスター石井「なかなか手強い」
〇広い厨房
あみーな「凄い、見事に全部かわしてる」
マイマイ「しかも、かわすだけじゃなくて 質問に対して的確な返答してる」
あみーな「プライベートな話を聞き出すのは 基本禁止だけど、全部かわしてる」
あみーな「だけど、あのモンスター石井さん相手に どこまで続くんだろう」
マイマイ「いくつものお店を 出禁にされてる人ですからね」
あみーな「彼のモラハラで辞めた子もいるって聞いた」
マイマイ「月ちゃん頑張って」
〇メイド喫茶
モンスター石井(この子なかなかやるな)
モンスター石井「彼氏とかいるの?」
月「いませんよ!」
モンスター石井「いたとしても言えるわけないか」
月「男の人好きになったことはないですけど 女の子ならありますよ」
モンスター石井「あー、百合営業か」
モンスター石井「よくあるやつだ」
モンスター石井「よくいるよね」
モンスター石井「可愛い女の子が好きとか言っちゃう子」
モンスター石井「いやってほど聞いてきたよ」
月「中学生の時に 後輩の女の子から 告白されたこともありますよ」
モンスター石井「えっ?マジ?」
月「はい」
モンスター石井「付き合わなかったの?」
月「はい、交際はまだ早いかなって」
月「中学生のとき 好きだった女子の先輩はいます」
モンスター石井「やっぱ男の人が好きなんだ」
月「違いますよ 好きになった人が好きなだけです」
月「それに性別は関係ないと思います」
モンスター石井「恋愛は自由だと?」
月「はい」
モンスター石井「そ、そうか」
月「好きになったものを 誰にも止める権利はありません」
モンスター石井「こころがぁぁ」
月「ご、ご主人様!?」
月「ご主人様!」
モンスター石井「・・・・・・」
〇電車の中
モンスター石井「今日もコンカフェ楽しかったな」
モンスター石井「あれは?」
コンカフェ嬢「ほんと、ランド楽しかったね」
彼氏「喜んでくれたなら良かったよ」
コンカフェ嬢「あっ」
モンスター石井「あ、いや」
コンカフェ嬢「こ、これは違うの」
彼氏「誰?」
コンカフェ嬢「お客さん」
モンスター石井「お客さん、、、 いつもならイシーさんって呼んでくれるのに」
〇雲の上
天使様「さあて、今日のお仕事も終わったし エステ寄ってビール買って帰ろう」
モンスター石井「ここは?まさか天国?」
天使様「・・・・・・」
天使様「業務時間外だ!」
天使様「地上に戻らんかいボケ!」
モンスター石井「な、なんだ!?」
天使様「よし、帰ろう」
〇メイド喫茶
モンスター石井「はっ!?ここは!?」
月「ふれてんですよ」
モンスター石井「さっき、一瞬天国行って 天使らしき人にボコられたような」
月「イシーさんって面白いんですね!」
モンスター石井「僕の負けです」
モンスター石井「あなたの言うとおり 好きになっものを止める権利なんて 誰にもありません」
月「そうですね」
モンスター石井「君みたいなキャストは初めてです」
モンスター石井「実は推しのコンカフェ嬢がいたんです」
モンスター石井「たまたま何でもない日に その子が他の男と一緒にいる姿を見て コンカフェを恨むようになったんです」
月「そうだったんですか」
モンスター石井「しかし推しが誰と付き合おうが自由だ」
月「タイミングが悪かったんですよ」
モンスター石井「僕はコンカフェのキャストに いろいろと求めすぎていました」
モンスター石井「そのせいで、コンカフェを 楽しむ何たるかを忘れていました」
モンスター石井「僕に推しがいるように キャストにも推しがいる」
モンスター石井「それと同じです」
月「もう苦しまなくていいんですよ」
モンスター石井「ありがとう」
月「コンカフェは楽しいところです」
モンスター石井「そうですね」
モンスター石井「最初コンカフェに通っていた頃を 思い出しました」
モンスター石井「今までの非礼お詫びしましょう」
モンスター石井「大変失礼致しました」
月「いいんですよ」
月「気にしてませんから」
月「その代わり、また来てくださいね」
モンスター石井(まるで天使だ)
モンスター石井「もちろん」
モンスター石井「お詫びにここにいるキャスト全員に キャスドリを入れさせてください」
モンスター石井「マイマイさんにも謝らないとな」
月「みんな呼んできますね」
モンスター石井「そして、あなたを推しにします」
月「やった!嬉しい!」
〇メイド喫茶
次回予告
どうにかモンスター客を
持ち前の天然で切り抜けた月だったが
新たなご主人様が来店する
それはお嬢様育ちの月にとって
初めて遭遇する人種だった
果たして、月はこのピンチを
切り抜けることはできるのか!?
次回『ガチ恋番長イワッチ来店』
月「次回もあなたの心に 萌え萌えてん!」
月「麻雀はおじいちゃんから教わりました」
会話の絶妙さ加減、思わず月ちゃんに拍手してしまいました👏 麻雀とザリガニという、これまた素晴らしいチョイスで😂
月ちゃんを推し続けたくなるストーリーで、彼女の100人推しゲットまで見続けたくなります😊
コンカフェ行ってみたーい!!✨☺️執事カフェ的なところ行ってみたーい!!✨😆
そして、ルナちゃん可愛いし、かわし上手ですね✨☺️
あれは、応援したくなりますねー!!次回のご主人様もなかなか手強そうなので、楽しみにしてます!!