〇ラジオの収録ブース
曽部家イオナ「HI、10時９分になりました。渋谷TALK、今日も渋谷から皆さんのお話をお聞きします。428-109迄お電話ください」
曽部家イオナ「誹謗・中傷、冷やかしや道案内は厳禁。私の意見が聞きたい方、お待ちしています」
　　この番組はCH428統宮放送がお送りします

〇撮影スタジオ（机あり）
曽部家イオナ「さあ今日最初のゲストは」
　　あの・・渋谷へは何線に乗れば
　　SE「ブツッ！」（回線が切れる音）
曽部家イオナ「すいません、自分で調べてくださいね。では次の方」
　　おお、やっと繋がったよ。おい、今日まで何回電話したと思ってんだ！その時間返せよ！
　　SE「ブツッ！」（回線が切れる音）
曽部家イオナ「私は落ち着いて真剣にお答えしたいと思っています。そのお気持ちにはお詫びいたします」
瀬能正「初めまして。選んで頂いてありがとうございます」
曽部家イオナ「HI、初めまして。やっと真面な方が来ましたね。なんとお呼びすればよろしいでしょうか？」
瀬能正「はい、正です」
曽部家イオナ「OK正さん。どんなお話を」
瀬能正「はい。彼女と別れて１年が経とうとしています。でもずっと引きずってて。何をするにも彼女が出てきて。辛くて」
曽部家イオナ「そう。彼女とは何で別れたのかな」
瀬能正「二人の格差が原因だと思います」
曽部家イオナ「格差？それって、時代劇とかでお姫様とその家来の恋的な・・・」
瀬能正「まあ、例えは間違っていないと思います」
曽部家イオナ「じゃ格下が正で、格上が彼女って事？」
瀬能正「はい」
曽部家イオナ「どんな格差なの？」
瀬能正「彼女の家系は代々公務員で、ご両親も公務員同士で。私が公務員でない事でお付き合いを許してくれなくて」
瀬能正「彼女も気にしてなんとなく距離が出来てしまって」
曽部家イオナ「なに公務員って。たかが職業のひとつじゃない」
瀬能正「裁判官です」
曽部家イオナ「裁判官？えっ？代々？それも家族も全部？」
瀬能正「はい」
曽部家イオナ「そう、それはプレッシャーだね。なんか被告人みたいだな正」
瀬能正「はい」
曽部家イオナ「ゴメン。別に責めてる訳じゃないから。正は？」
瀬能正「一般と云えるサラリーマン家庭に育って、今はＩＴ系の一般企業に勤めてます」
曽部家イオナ「へえ。じゃどこで知り合ったの？まるで別世界の人と」
瀬能正「大学のサークルで。複数の大学でボランティアやってて。一緒に被災地に行ったりして」
曽部家イオナ「そう、それが運命の出会いってやつだ。正はどうしたいの？」
瀬能正「想いを伝えたいと思います」
曽部家イオナ「それは彼女も望んでいると思う？そう自信ある？」
瀬能正「わかりません」
曽部家イオナ「単に自分の想いだけを伝えるだけなら止めた方が良いと思うよ。それは正の自己満足と彼女にとっては迷惑でしかないから」
曽部家イオナ「今までの君たちとこれからの君たちが、これからも同じ気持ちでいられるなら、彼女もそうしたいと正が思えるなら。正はそう思う？」
瀬能正「はい」
曽部家イオナ「じゃ応援するよ。あとは前進あるのみ」
瀬能正「あっ電話かかってきました彼女から。切りますね、ありがとうございました」
曽部家イオナ「せわしいな。Good Luck」

〇放送室
天野林太郎「失礼します」
曽部家イオナ「HI、お待たせしました。なんとお呼びすれば？ああ本名は控えてくださいね」
天野林太郎「ああ、では林で」
曽部家イオナ「はい林さん。今日はどんなお話ですか？」
天野林太郎「最近、娘がふせっておりまして仕事も手につかない感じです。思い当たる事はあるものの、それが本当なのかと。見てるのも辛くて」
曽部家イオナ「林さんが思うその思い当たる事は？」
天野林太郎「約１年前。私が説得して付き合っていた彼氏と距離をおいていることが要因かと」
曽部家イオナ「なぜその彼氏が気にいらないのですか？」
天野林太郎「我々の家系は代々裁判所勤務同士が家族関係にあります。しかし娘はまったく異なる方と」
曽部家イオナ「昭和ですね。今は令和ですよ。平成の次。時代は変わっています」
曽部家イオナ「昔がそうだから、これからもそうじゃなくちゃイケナイなんて誰が決めるんですか？」
曽部家イオナ「付き合っていた事実を知っていたという事は、ある程度認められていたのでは？」
天野林太郎「そうかもしれません。娘が中学に上がってすぐに母親が亡くなり必死で娘を育ててきました。手探りですが迷惑だったかもしれません」
天野林太郎「でも娘はそれに答えるようにわがままひとつ言わずに。今回もそれを受け入れて」
天野林太郎「親族や妻に申し訳ないと思う反面、娘には娘の想いを優先してやりたいと思う葛藤の日々です」
曽部家イオナ「こんな私が云えることは、娘さんは林さんの、また林さんの奥様の物ではないと云うことです」
曽部家イオナ「またこの先を決めるのも娘さん自身が決めるべきです。だってその先に林さんはいないでしょ？」
天野林太郎「その通りですね。なぜあの時反対したのか」
曽部家イオナ「心配なのは親だから当然でしょ。でもどこかで林さんは許していたのではないですか？」
曽部家イオナ「法律は、ルールは守るべきだが万人には当てハマらないと。子供の幸せを考えない親なんているのかな」
天野林太郎「仕事柄、そう望まない親も存在すると断言できます。この世には望まれない子供も生をうけるのです」
曽部家イオナ「深い話ですね。一言云いたいのは、林さんの家系が格上で彼氏の家系が格下なんて誰が決めるのでしょうか」
曽部家イオナ「格差なんて言葉、この世から無くなれば良い」
天野林太郎「おっしゃるとおりです」

〇ラジオの収録ブース
曽部家イオナ「娘さんのお幸せを陰ながらお祈りいたします」
天野林太郎「ありがとうございました」
曽部家イオナ「では一旦Music Timeに」
　　♪～♬～
　　番組スタッフ「Twitterの投稿流します」
　　投稿１「この番組に似合わない真面目な話だった」
　　投稿２「正と林さんは繋がっているの？なんか凄い」
　　投稿３「イオナさん、ありがとうございました。また彼女と始めます、未来を渋谷から」
曽部家イオナ「OKまた始めよう。渋谷TALK　428-109」