~罪を犯した閻魔王~転生地獄再編成記

村崎陽花

3話 地獄の試練(脚本)

~罪を犯した閻魔王~転生地獄再編成記

村崎陽花

今すぐ読む

~罪を犯した閻魔王~転生地獄再編成記
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇裁きの門
小野「閻魔王、資料をお持ち致しました」
閻魔王「ああ、助かる」
小野「おや、先程まであなたの周りをちょろちょろしていた者は?」
閻魔王「変成王(へんじょうおう)か? 彼はもう戻ったぞ」
小野「・・・ふうん、そうでしたか」
閻魔王「何が面白くないんだ?」
小野「いえ。彼は十王の一人なのに未熟なので、呆れているだけです」
小野「本来なら一人で行うべきところを、一々あなたの指示を仰いで」
閻魔王「あれはあれで、良いところも多いんだ 俺は好きだけどな」
小野「はあああっ!? 何故!?」
閻魔王「ああいう真っ直ぐな気質な者は、地獄では貴重だ」
閻魔王「きっと・・・良い王になる」

〇一軒家
閻架「じゃあ、父さん、母さん。行ってきます」
初江「閻架、おはよう」
閻架「あ、初江。あれから調子は大丈夫?」
初江「うん、私は平気よ」
閻架「なんか変な感じだな 初江が地獄の王の生まれ変わりだったなんて」
閻架「俺も自分が閻魔王だなんて思いもしなかったからさ」
初江「あんなことがなければ、記憶は戻らなかったのかもね」
閻架「無理してない?」
初江「んーそうね・・・ 私は良いのだけど、閻架が少し心配ね」
閻架「え、俺?」
閻架「あの天界の男が言ったことは、もう気にしていないよ」
閻架「・・・悩んでも、仕方ないし」
初江「そう? もし落ち込んでいたら、気分転換に学校さぼっちゃおうって言うところだったのに」
閻架「ええ!? 気持ちは嬉しいけど、俺はともかく、初江はダメだよ!」
初江「ふふ、閻架のそういうところ、良いと思うよ」
???「随分と楽しそうだな」
閻架「お前は・・・!」
閻架「この間、皆の魂を奪った奴!」
閻架「何故あんなことをしたんだ!?」
謎の男「お前を呼び出すためだ。閻魔王」
謎の男「俺はお前に用があったんだ 一緒に来てもらおう」
謎の男「一人でな」
閻架(もしもここで応じなかったら、何をしでかすかわからない・・・)
閻架「わかった」
初江「閻架!?」
初江「そんな・・・」

〇滝つぼ
閻架「ここは・・・」
謎の男「お前にはここで地獄の試練を受けてもらう」
謎の男「本来これは亡者用で、地獄が解体してからは使用していなかったんだが・・・」
謎の男「今のお前には丁度良いかもな」
謎の男「でないと俺は、お前を王として認めない!」
閻架「お前は一体何者なんだ!?」

〇学園内のベンチ
初江「はあっ、はあっ・・・ 小野先生!」
小野「どうしたんですか、そんなに走って」
初江「大変です! 閻架が攫われました!」
小野「何ですって!?」
初江「先生は知っていたのですか? 皆の魂を奪った“彼”の正体を」
小野「・・・魂を操れる者は限られていますからね」
小野「彼の正体は・・・」

〇滝つぼ
謎の男「・・・やっぱり閻魔王は俺を忘れたんだな」
謎の男「俺の名は・・・」
変成王(6番目の王)「地獄にて六番目の裁きを下す、 変成王(へんじょうおう)だ!」
閻架「お前も、地獄の王・・・!?」
閻架「でも何で天界の者と・・・」
変成王(6番目の王)「うるさい、先にこの試練を受けてもらうぞ!」
閻架「うわっ、大岩が・・・!?」
変成王(6番目の王)「俺の試練はこの岩が流れる川を渡らせるんだ」
変成王(6番目の王)「そして罪を犯した者を呵責する」
変成王(6番目の王)「今のお前に相応しいだろう」
閻架「くそっ、うわあああ!」
閻架(岩が・・・今のは死んでもおかしくなかった!)
変成王(6番目の王)「地獄ではこれ以上、死ぬことが出来ない」
変成王(6番目の王)「王として再び立つのなら、この苦しみを受け入れるんだな!」
閻架「待て・・・うわあああああ!!!」
閻架(とにかく、川を渡らないと・・・)
閻架「はあっ、はあっ、何だよこの川、終わりが見えない・・・!」
閻架(閻魔王は一体、何の罪を犯したんだろう・・・)

〇学園内のベンチ
小野「変成王は、以前の閻魔王をとても慕っていたのです」
初江「確かにそうでしたね でもそれならどうして・・・」
小野「だからこそ、許せないのでしょう 地獄の掟を破るような罪を犯した閻魔王を」
小野「拗らせた情ほど、厄介なものはありません」
小野「閻魔王は今きっと、死ぬほどの苦しみを受けている」
初江「!!」
初江「なら、なおさら助けに行かないと!」
小野「けれど何を言っても、閻魔自身で打ち勝たないと彼には届かない」
初江「そんな・・・」

〇滝つぼ
閻架「はあ、はあ・・・ もうこれ以上は・・・」
閻架(何でこんなに大変な思いをしているんだろう もう地獄の再編なんて・・・)
閻架(でもそうしたら、俺が地獄へ落とした奴は・・・)
閻架「ん・・・? 水の勢いが収まって、川が3つの道に分かれてる?」
変成王(6番目の王)「ここまで来たな」
変成王(6番目の王)「今までの行いで、お前は自分が正しいと思うのなら、この中から正しい道を選んで進め」
閻架(どれも同じような道だ。けど・・・)
閻架「道は、これを選ぶ!」
閻架「ぐわああっ!?」
変成王(6番目の王)「やはりお前は何もわかっていない!」
変成王(6番目の王)「この道は、進めば更なる罰が与えられる」
変成王(6番目の王)「お前が本当に正しい人間なら自分を正しいと思うはずがない!」
閻架「うわあああああ!!!!!」
閻架(ヤバイ・・・意識が・・・)

〇炎
閻架「!! お前は・・・!」
閻架「そっか・・・ お前は今、罪を償っているんだな」
閻架「俺は地獄に落としたお前のことを忘れるわけにはいかないんだ・・・!」
閻架「閻魔王!?」
閻架「と、変成王!」
閻架「もしかしてこれは、閻魔王の記憶が混じってる!?」
変成王(6番目の王)「閻魔王、本当に俺が次代の変成王で良いのですか?」
変成王(6番目の王)「篁殿の方が相応しいんじゃ・・・」
閻魔王「いいんだ。俺はお前が良い」
閻魔王「それに篁は、俺の周りで仕事をしている方が良いらしいからな」
変成王(6番目の王)「でも、俺は・・・人を裁くような立場の者じゃありません」
閻魔王「そういう考えを胸の中にいつも持っていてくれ」
閻魔王「だから私はお前を選んだんだ」
変成王(6番目の王)「・・・わかりました」
変成王(6番目の王)「ご期待に沿えるように、俺、頑張ります!」
閻架「・・・俺だってそうだ」
閻架「人を地獄へ落とすのが、正しいかどうかなんて誰にもわからない・・・」
閻架「正しくないかもしれないなんて、わかっている」
閻架「本当は地獄行にするより、もっと良い手段だってあるのかもしれない」
閻架「でも・・・」
閻架「誰かが罪を償わせる役を担わなければいけないんだ!」
閻架「その罪ならば、この俺が背負う!」
閻架「だから俺は、地獄を再編するって決めたんだ!!」

〇滝つぼ
変成王(6番目の王)「何っ!?」
閻架「変成王。これが、俺の答えだ」
???「罪を犯した閻魔王は、それでもなお罪を背負って地獄を再構築する」
小野「それでこそ、あなたです」
変成王(6番目の王)「篁!」
小野「いい加減、観念なさい。変成王」
小野「あなたはどうあがいても、こちら側の人間なんです」
小野「たとえ天界の者が手を差し伸べようとしても、ね」
小野「そこにいるのは、あなたも敬愛する閻魔の姿ではないかもしれない」
小野「けれど、その心根はきっといつか、同じ景色を見せてくれる」
変成王(6番目の王)「・・・認めない」
変成王(6番目の王)「ここでお前を認めるわけにはいかないんだ!!」
変成王(6番目の王)「はあああああっ!!」
小野「閻魔王!!」
変成王(6番目の王)「俺の攻撃が・・・消えた・・・?」
閻架「寂しい思いを、悔しい思いをさせて悪かった、変成王」
閻架「俺はもう一度、お前も含めて地獄を再編させたい」
閻架「お前の優しいところも、真っ直ぐなところも、前の閻魔王は大好きだった」
閻架「俺もきっとそう思う 良い王なんだよ」
閻架「前の閻魔王は皆をまとめる役割だったけど」
閻架「今の俺は対等な王としていてほしいと思った」
閻架「同じ王の仲間として、地獄を再編するのを協力してほしい」
閻架「今の俺とはまた別で 前の閻魔王も好きでいていい」
閻架「それじゃあダメかな?」
変成王(6番目の王)「前の閻魔王・・・」
閻魔王「俺はお前が良い」
変成王(6番目の王)「・・・ちくしょう」
変成王(6番目の王)「何でいなくなってしまったんだよ・・・!」
閻架「変成王・・・」
変成王(6番目の王)「・・・はあ」
変成王(6番目の王)「わかったよ」
変成王(6番目の王)「ただし。今のお前が地獄の王に相応しくないと思っている王は、俺だけじゃない」
変成王(6番目の王)「その者たちを切り捨てるか、受け入れるか、お前次第だ」
閻架「ああ、わかった」
変成王(6番目の王)「まったくお前は・・・」
小野「ええ、本当に呆れるぐらい優しすぎます」
閻架「いいよ、俺は前の閻魔王と同じ行動はとれないと思うから」
閻架「俺は俺のやり方で、閻魔王をやっていきたい」

〇睡蓮の花園
天界の男「やはり変成王は、閻魔についたか・・・」
天界の男「致し方ない でもまだ、十王が全員揃うわけではない」
天界の男「まだまだ、他の王たちが今の閻魔を認めていないのだからな・・・」
  続く・・・

成分キーワード

ページTOPへ