エピソード1(脚本)
〇教室
2022年 2月8日
とある高校の教室、昼休み
神楽坂 高嶺「ねぇ、高橋君」
神楽坂 高嶺「東京に行ったことがあるって本当?」
神楽坂 高嶺「しかも、渋谷に」
高橋 信五「・・・えっ。そうだよ・・・」
〇黒
信五の心の中
高橋 信五「なんで・・・」
高橋 信五「神楽坂高嶺が僕に話しかけているっ!?」
高橋 信五「クラスのマドンナのような人が僕みたいなモブに話しかけてくるなんて・・・」
高橋 信五「夢でもみているのかっ!?」
〇教室
神楽坂 高嶺「そうなんだ~話は本当だったんだー」
高橋 信五「僕が渋谷に行ったことがあるって誰から聞いたの?」
神楽坂 高嶺「高橋君のお友達、早坂君から聞いたんだー」
神楽坂 高嶺「「信五は東京、しかも渋谷に行ったことがあるんだ!」って、聞こえてきたから~」
高橋 信五「早坂・・・あー、蓮太か」
〇黒
高橋 信五「し、」
高橋 信五「信五って言った!! 神楽坂さんの口から「信五」って!!」
高橋 信五「実際、言われるとハッズー!!」
〇教室
神楽坂 高嶺「高橋君?急に黙ってどうしたの?」
高橋 信五「えっ!・・・ごめん、ちょっとボーっとしていた・・・」
神楽坂 高嶺「そうなの?大丈夫?」
高橋 信五「う、うん。大丈夫だよ。たいしたことないから・・・」
高橋 信五(神楽坂さんから呼び捨てを言ってきたから興奮しちゃった・・・。危ない、危ない)
神楽坂 高嶺「それでね、高橋君!お願いがあるの!」
高橋 信五「えっ・・・お願い?」
〇黒
高橋 信五「なんだ?」
高橋 信五「これって!まさか、デートのお誘い・・・!?」
〇教室
神楽坂 高嶺「渋谷に行った時の話を聞かせてー」
高橋 信五「えっ・・・話?」
神楽坂 高嶺「うん、聞きたいなあ~って」
高橋 信五「は、話かー・・・」
神楽坂 高嶺「ダメ?・・・聞きたかったなあー渋谷に行った時の話」
高橋 信五「いやいや!ダメじゃないよ!渋谷に行った日を思い出していたんだ」
神楽坂 高嶺「あっ!そうなんだ~良かったー」
高橋 信五(デートだと思ってしまっていたなんて言えない・・・)
高橋 信五「じゃあ、今から話すよ。・・・この話するのは神楽坂さんが初めてだよ」
神楽坂 高嶺「やったー!一番乗りー!」
神楽坂 高嶺「早く、早く!私の憧れの「渋谷」の話をー!」
高橋 信五「はいはい・・・」
〇渋谷駅前
2020年1月18日 土曜 昼 渋谷駅前
僕は妹、両親と一緒に東京・渋谷にやってきた。
高橋 真由里「シブヤよ!わたしは帰ってきた!」
高橋 航平「着いて早々、元気だな。真由里は」
高橋 佐代「ええ。本当に」
高橋 信五「いや、何が帰ってきたんだよ。 お前が住んでいる場所じゃねーよ」
2つ下の妹・真由里に素っ気なく突っ込む。
高橋 真由里「いや~なんとなく?」
高橋 航平「ははっ、真由里は面白いなー本当に」
高橋 佐代「誰に似たのかしらね」
娘・真由里にくすっと笑う両親。
それに対し、僕は呆れ果てていた。
真由里は推している声優の主演のアニメイベントに参加するために東京に来た。
明日がイベント当日。
今日は真由里が行きたがってた渋谷に着いたというワケだ。
正直、クタクタだった。
高橋 佐代「真由里、どこ行きたいの?」
高橋 真由里「えーっとね・・・」
高橋 真由里「1〇9!1〇9で気になっている服があるんだ~楽しみー♪」
〇SHIBUYA109
1〇9前。
高橋 真由里「いっぱい買えたー!」
高橋 信五「結構な値段だったな・・・。東京コワッ」
高橋 航平「まあ、自分のお年玉で買えたからいいじゃないか」
〇モヤイ像
モヤイ像前。
高橋 信五「これがモヤイ像・・・初めて見た」
高橋 航平「お父さんも、だ。こんなにでかかったんだな」
高橋 真由里「せっかくだから記念撮影しよう~」
〇渋谷の雑踏
高橋 信五「人が多い・・・。しんどくなりそう・・・」
高橋 真由里「これが渋谷スクランブル交差点・・・。予想以上の多さだ・・・」
高橋 信五「迷子になりそう・・・」
高橋 真由里「お兄ちゃん・・・迷子にならないでよ・・・家族の中で一番に迷子になるんだから・・・」
高橋 信五「・・・気をつけます」
高橋 佐代「二人ともーこっちに渡るのよー」
〇教室
高橋 信五「・・・その日は渋谷観光で終わった」
高橋 信五「次の日は、イベント会場があった武蔵野辺りに行って、終わったら新幹線で帰ったんだ」
神楽坂 高嶺「そうだったんだ~」
神楽坂 高嶺「ありがとう!渋谷に行った時の話をしてくれて~」
神楽坂 高嶺「でも、」
神楽坂 高嶺「危なかったね~高橋君。あと少し渋谷にいてたら」
神楽坂 高嶺「『渋谷陥没現象』に巻き込まれていたよねー」
高橋 信五「本当に危なかったよ・・・。けど渋谷がきえちゃったし」
神楽坂 高嶺「私も一回ぐらい行きたかったなー渋谷」
〇SHIBUYA109
2020年1月20日、渋谷全体が陥没した──
原因は未だ不明、住める環境ではなかったのでその日の境に歴史上、「渋谷」が消えることになった。
これが、僕が、渋谷が消える前に行った時のお話。
あ、最後でSFになった。忍法変わり身の術。衝撃的。
思春期ならではの男の子の心の中の葛藤が
微笑ましかったです😊
「渋谷って言われたら何て説明するかな〜」
なんて思っていたらまさかのオチに驚愕です🤭
かわいい恋心に癒されました。昔はそうだったなぁとか、全てが新鮮でしたよね。恋心と大都会をかけてストーリー展開されているのが楽しかったです。