先生、死んでる場合じゃありません!

大河内 りさ

P18・死んでる場合じゃありません!(脚本)

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〇貴族の応接間
ストラスール「だから、却下です」
レイヴィダス「何故だっ!?」
ストラスール「何故も何も──」
ストラスール「もはや肩書きだけとはいえ、魔王がホムンクルスの幼女に手を出しただなんて外聞が悪すぎるでしょう!!」
レイヴィダス「まだ手は出していない!!」
ストラスール「そういう問題じゃありません!!」
リディア「廊下まで声が響いていましてよ、お父様」
ストラスール「リディア・・・ お前からも言ってくれ」
リディア「クロエとレイヴィダス様の 婚姻のことですか?」
リディア「よろしいんじゃありません?」
ストラスール「なっ・・・!?」
リディア「おにロリ・・・ 悪くありませんわ」
リディア「少々犯罪臭がしないでもないですが、おにロリは絵面のタブー感が魅力ですものね」
ストラスール「娘が何を言っているのか さっぱり分からない・・・」
レイヴィダス「いっそクロエさんに魔王の座を譲位するか」
ストラスール「はあ!?」
レイヴィダス「魔界にも慣れてきたし、問題な──」
ルミリエ「でしたら!」
ルミリエ「『魔王』の婚約者である私は、クロエちゃまの婚約者ということでよろしいわね!?」
レイヴィダス「何故そうなる!?」
ルミリエ「まさかクロエちゃまが滝松先生だったなんて、今でも信じられませんわ」
ルミリエ「結婚したら、ユリ×シオの公式イラストを 毎日描いていただけるのでは・・・!?」
ルミリエ「最高すぎる・・・」
レイヴィダス「待て待て待て」
レイヴィダス「そもそもお前、女だろう」
アルフォル「百合の間に挟まろうとする男は 見苦しいと思いまーす」
レイヴィダス「アルフォル、 お前そっち側だったのか・・・!?」
刀威「ところでクロエ嬢はどうしたんだ?」
刀威「目覚めてからというもの、 部屋に籠もりっぱなしではないか」
レイヴィダス「それが──」
クロエ「レイさんっ!」
レイヴィダス「クロエさん」
リディア「クロエ!」
リディア「そのクソダサい服は 毎回どこで見つけてくるの・・・」
ルミリエ「あら、何を着ていてもお可愛らしくてよ」
刀威「仕事着を着ているということは、 もしや・・・」
クロエ「『わたしのアルカディア』 最終話のネームができましたっ!」
アルフォル「マジで!?」
ストラスール「お疲れさまです」
リディア「早く読ませてくださいませ!」
ルミリエ「私が先よっ!」
刀威「早くチェックして仕上げにかかろう」
レイヴィダス「先生・・・」
レイヴィダス「おめでとうございます」
クロエ「ありがとう」
クロエ「気に入ってもらえると いいのだけれど・・・」
レイヴィダス「先生が創り上げた物に 文句など出ようはずがありません」
クロエ「レイさん」
クロエ「ひとつお願いがあるの」
レイヴィダス「何でしょうか」
クロエ「原稿が完成したら、ヒースリングさんに会わせてください!」
レイヴィダス「え"っ!?」

〇黒背景

〇牢獄
ヒースリング「無事だったとは聞いていたけれど・・・」
ヒースリング「まさかそんな姿になっているとはね」
ヒースリング「それで?」
ヒースリング「僕に会いに来た理由は?」
ヒースリング「それは・・・」
クロエ「ポシェモンのウサギョイ」
クロエ「あなたはこれを異世界から 流れ着いた物だと言っていたわ」
クロエ「どこで拾ったのか教えてくださらない?」
ヒースリング「・・・境界の渓谷」
ヒースリング「運が良ければ川辺で 面白い物が拾えるんじゃない?」
クロエ「そう。ありがとう」
ヒースリング「・・・何それ」
クロエ「差し入れです」
クロエ「気に入るか分からないけれど、 よかったら読んでみてくださいな」
クロエ「争いなど起こさなくても、こういった物でも好奇心は満たせると思うの」
クロエ「では、失礼します」
ヒースリング「・・・『わたしのアルカディア』?」

〇渓谷

〇飛空戦艦
クロエ「ヒースリングさんが言っていたのは このあたりかしら・・・」
アルフォル「そうだと思うよ」
アルフォル「下に降りる?」
クロエ「いいえ。このままで」
アルフォル「レイ〜? 着いたぞ〜」
レイヴィダス「こんな空の上に何の用です・・・?」
アルフォル「お前、竜化した時は平気で 空飛んでたくせに何ビビってんだよ」
レイヴィダス「あれは状況が状況だったから──」
クロエ「竜になったお姿、見てみたかったわぁ」
レイヴィダス「魔力が戻れば また変化できるようになります」
アルフォル「何年かかるんだか」
クロエ「ずっと一緒にいれば いつかは見られる時がきますよね?」
レイヴィダス「はいっ!」
アルフォル「クロエちゃん、 ホントにこいつと一緒になるの?」
クロエ「うーん、そうねぇ・・・」
クロエ「レイさんの目当ては 私の描くマンガですからねぇ」
レイヴィダス「なっ──」
レイヴィダス「違います!!」
レイヴィダス「マンガだけじゃありません!!」
アルフォル「ここでマンガだけじゃって 言っちゃうあたりがレイだよなぁ」
クロエ「ふふっ」
クロエ「転生してからずっと、レイさんは 私自身を尊重してくださっていたわ」
クロエ「だから、大丈夫」
クロエ「ねっ?」
レイヴィダス「はい!」
アルフォル「ははっ」
アルフォル「余計なお世話だったな」
レイヴィダス「それで、ここで何を・・・?」
クロエ「これを──」
レイヴィダス「『わたアル』の原稿?」
クロエ「えいっ!」
「あーーーーーーッ!?」
アルフォル「捨てたーッ!?」
レイヴィダス「ななな何をッ!?」
レイヴィダス「消えた・・・」
クロエ「うまくいったのかしら」
アルフォル「クロエちゃん、今のは・・・?」
クロエ「ヒースリングさんに聞いたんです」
クロエ「ここにはよく異世界の物が 流れ着いてくる、と──」
クロエ「だから、もしかしたらここから向こうに 送ることもできるかもと思って・・・」
レイヴィダス「先生のいた世界に、原稿を・・・?」
クロエ「運良く家族の元に届いてくれたら いいのだけど・・・」

〇空

〇一戸建て

〇シックなリビング
榊「突然お邪魔してすみません」
榊「仕事で近くを通ったものですから、ご挨拶させていただけたらと思いまして」
光江「こちらこそ わざわざありがとうございます」
光江「本当ごめんなさいね」
光江「母ったら、ずっと気にかけていただいていたのに、ネタ帳のひとつも残してないなんて・・・」
光江「せめて物語のオチだけでも メモしておいてくれたらよかったのに」
榊「ははっ。そうですね」
榊「編集部にも読者さんから 手紙が沢山届いていますよ」
榊「せめて終わり方だけでも知りたかったって」
琴江「あっ、榊くんだ!」
光江「こら。榊さん、でしょう」
琴江「何しに来たの?」
榊「滝松先生のお仏壇に ご挨拶させてもらったんだ」
琴江「ひいばあばの?」
榊「まぶしっ」
光江「何かしら」
琴江「ばあば、外っ!」

〇一軒家の庭
琴江「・・・鳥の羽?」
琴江「違う・・・」
琴江「これって・・・!」
琴江「榊くーん!!」
榊「琴江ちゃん、どうしたの?」
琴江「これ、ひいばあばのマンガ!!」
榊「えっ、滝松先生の・・・?」
榊「これは──」
榊「未発表の『わたアル』の原稿!?」
琴江「早く集めなきゃ!!」
琴江「ばあばー!! おかーさーん!!」
香苗「大声出して、どうしたの?」
光江「あら、空から何か・・・」
琴江「ひいばあばのマンガが 降ってきてきてるの!!」
「ええーーーーーーっ!?」
榊「すごい。最終話まである・・・」
榊「アイリは旅を終えることが できたんですね、先生・・・」
琴江「榊くん! 泣いてないで拾って!!」
榊「は、はいっ!!」
香苗「お祖母ちゃんのマンガが どうして空から降ってきてるの!?」
光江「知らないわよ!」
榊「あっ、そっちに1枚飛んでいきました!!」
琴江「・・・・・・」
琴江「ファンとアイリちゃんのために 天国で続きを描いたのかな・・・?」
琴江「ずっと気にしてたもんね」
琴江「続きが描けて、 終わらせることができて──」
琴江「よかったね、ひいばあば!」

〇空

〇飛空戦艦
クロエ「さぁ、用事は済んだわ」
クロエ「帰りましょう」
レイヴィダス「そうですね」
レイヴィダス「帰ったら新作の 打ち合わせをいたしましょう!!」
クロエ「えっ!?」
アルフォル「滝松黒江の新連載?」
アルフォル「うわ、すげー楽しみ!」
クロエ「えっ、ちょっ・・・」
クロエ「なんで連載前提── というか描くこと前提・・・」
レイヴィダス「私、先生の時代物が読んでみたいです」
クロエ「時代物はいつか描いてみたいと 思っていたけれど・・・」
アルフォル「クロエちゃんの世界の時代物かー! 想像つかないなぁ」
レイヴィダス「刀威の領地と文化が似ているそうだ」
アルフォル「へぇー!」
クロエ「ちょっと待って!」
クロエ「少しは休ませてくださいな」
レイヴィダス「人気作家が何を仰いますか」
レイヴィダス「先生──」

〇時計

〇神殿の広間

〇貴族の応接間

〇城の会議室

〇可愛らしいホテルの一室

〇後宮の庭

〇異世界のオフィス

〇空
レイヴイダス「死んでる場合じゃありません!」
  〜fin〜

コメント

  • ぎよ、
    連絡が
    入った❗️
    後からコメントし直しますね❤️😭
    あ、編集出来た、ホッ
    連載お疲れ様でしたー🎉㊗️パフパフパフ‥
    レイさんクロエさん、
    末永くお幸せに❤️💕㊗️🎉


  • 完結おめでとうございます❤
    とてもキレイなラストシーンでした。現実でも未完のマンガが降ってくれば……😭 それを叶えてくれたフィクションの理想形でした。
    お疲れ様でした❤

    あ、わたアルも読んでみたいです。笑

  • 作品自体も作中作も連載お疲れ様でした。空から原稿が降ってくるラストは予想してませんでした。この世のファンにも最終回を届けたんですね。わたアルも読みたいです。

    作中に出てくる人物がほぼ全員気持ちのいい人ばかりで毎回読む度に彼らの会話のやり取りに癒されました。
    素敵な物語をありがとうございました!

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