Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

「第七話 産み直しの世界」(脚本)

Odyssey「胎内回帰ティアマト」

シロニ

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〇集落の入口
  前回、それぞれ一方は探し物をしたり。
  もう一方は現地民と交流をしたり。

〇草原の一軒家
  またもう一方は突如急変した世界を全身で味わされていた。
ジン「何がどうなってるんだ!?いきなり天気変わりすぎだろ!?」
?「にゃう・・・」
ジン「はぁ!?地震まで!?」
ジン「うっそだろ!?こんなんもう世界の終わりみたいな・・・」
ジン「・・・!!」
ジン「最悪だ、これはきっと・・・」
ジン「ティアマトがもう目覚めた!!」
ジン「あ、そうだギルさんは?」
?「ジンー!!家の何処にもギルガメッシュおじいちゃん居ないよー!!」
ジン「なんだって!?」
?「あ!!おーい!!」
ジン「あ、ティアマトの分身!?」
?「良かったよー!!ここに居たんだね!?なんか海に戻ってジン君達の為に色々してたらお母さんが急に目覚めてね!?」
?「私じゃあ止められないから急いでジン君にこれ渡しに来たんだよー(泣)」
ジン「え?何をなんです?」
?「聞いて驚けい!!なんと私が持っている力を全て君に渡せるように神核を弄ってきたのだ!!」
?「私の力はティアマト神の力でもあるからね!!」
ジン「えぇ!?」
?「にゃんですと!?」
?「うーん良い反応!!でももっとちゃんとした状況で渡したかったー!!(泣)」
?「とりあえず私のやけくそプレゼントを受け取れー!!」
ジン「ぐわぁぁぁ!?」
?「ごめんね!!力をどう使うかろくに説明をする時間もなさそうなの!!」
?「習うより慣れろよ!!」
ジン「えぇ!?そんな!?」
?「ごめーん!!でも早く逃げないと取り返しのつかないことになっちゃうー!!」
ジン「待って!!ギルガメッシュさんが何処に居るか分からないんです!!それにアオイちゃんとかも!!」
?「えぇ!?ここに来たの貴方達二人だけじゃないの!?」
ジン「そうなんです・・・実は・・・」

〇集落の入口
エム「あぁもうどうなってんのよこれ!?なんでこんな嵐になってんのよ!?」
ヤン「姉ちゃん!!と、とりあえず声かけて回った方が良いんじゃない!?」
エム「えぇそうね!!二手に別れましょ!!」
エム「あたしはとりあえず海に近い方の家から行くわ!!あんたは反対側に行って!」
ヤン「分かった!!」

〇集落の入口
ヤン「あぁもう・・・なんなんだよ本当に!!」
ヤン「昨日の子供達は無事か?」
ヤン「奥さんも無事か!?」
ヤン「おーい!!──さん!!起きてるか!?」
ヤン「あぁもう・・・!!待ってられな・・・」
ヤン「・・・?鍵あいてんじゃねぇか?」

〇古民家の居間
ヤン「おーい!!──さん!!居るか?」
ヤン「・・・クソッ」
若い女性島民「・・・」
ヤン「うわぁ!?なん・・・!!」
ヤン「はぁ・・・驚かせんなよ・・・」
ヤン「なぁ?なんか外の様子が変なんだ、嵐になるわ雷鳴ってるわ地震も多発してるわでめちゃくちゃだ」
ヤン「ここじゃ危険だ、今すぐ高い所に逃げようぜ?」
若い女性島民「お母さん・・・」
ヤン「あぁ?おい、聞いてんのかよ!?何処に行くんだよ!?」

〇集落の入口
ヤン「おい!!そっちは海の方だぞ!?聞いてんのかよ!?」
ヤン「・・・!!」
ヤン「あぁもう訳わかんねぇ!!」
ヤン「早く他の奴らにも声掛けないと・・・!!」
ヤン「・・・?」
ヤン「んだよあれ?なんで・・・」
子供達「・・・」
子供達「・・・」
若い男性島民「お母さん・・・」
ヤン「んだよあれ!?なんで島の奴らがぞろぞろ集まって全員で海の方に向かってんだよ!?」
ヤン「こんな状況の海なんか行っても荒れてるだけじゃ・・・」
ヤン「・・・は?」

〇海辺

〇集落の入口
ヤン「水位が上がってきてる!?」
ヤン「・・・!?姉ちゃん!?」

〇海辺
  一方少し前、ヤンと分かれたエムは島民に声をかけて回ろうとしたが。
  海に向かう島民達を見つけ後を追いかけたエムだった。
エム「あんた達何やってんのよ!?危ないわよ!?」
エム「早く逃げるわよ!!聞いてんの!?」
エム「──!?」
エム「ちょっと!?止めなさい!?」
エム「なんで海に入ろうとしてるのよ!?」
エム「だめ!!」
エム「──!!」
男の子「なに・・・してるの?なんで腕を掴むの?」
エム「決まってんでしょ!!こんな嵐の海に入る馬鹿な奴らなんて無視してさっさと逃げんのよ!!」
エム「あたしじゃ近くにいたあんたの腕を掴むのが精一杯よ!!」
エム「ほら早く!!逃げるわよあんた!!」
男の子「でも・・・お母さんが呼んでるんだ」
エム「何!?自殺願望でもあんの?」
エム「知らないわよそんなの無視しなさい!!」
エム「良い機会よ!!自殺に巻き込むくらいならもらってやるわ!!」
エム「私魔族だもの、眷属にでもしてやる!!」
男の子「はな・・・して」
エム「なんでよ!?訳わかんない!!」
エム「何・・・あれ?」
男の子「あ・・・」
エム「きゃっ!?」
エム「・・・え?嘘・・・」
エム「あの子・・・溶け・・・!?」
?「・・・ア」
?「アァァァァァ!!!!」
エム「嫌・・・」
エム「来ないで・・・!!」
エム「来んじゃないわよ!!」
?「・・・!!」
?「・・・アァァァァァ!!」

〇海辺
エム「はぁ・・・はぁ・・・!!」
エム「なんかいつもより魔力の消耗が激しい・・・!!」
エム「なんでなの?」
エム「それになんなのよ!!」
エム「なんなのよ!!あいつ!!」
エム「まさかあれがティアマト!?でもなんで!?」
エム「ティアマトは大人しい、優しい神様なんじゃなかったの!?」
エム「──!?」
  ティアマト神かもしれない化け物から逃げた後、あたしは島民達が何かを集団で襲っている場面に遭遇した。
  なんだか島民達の殺気がものすごいからさっさと離れようとしたわ。
島民達「お前!!離せ!!離せ離せ離せ!!」
島民達「離せー!!」
ギルガメッシュ「・・・!!」
エム「え・・・何!?」
  目の前の魔物みたいな何かは何かを抱えて必死に守ってるみたいだった。
???「おじいちゃん!!嫌!!」
???「お願い!!みんな止めてよ!!」
ギルガメッシュ「・・・!!お前ら!!斧やらのこぎりやら持ち出して考え無しに乱暴に振り回しやがって!!」
ギルガメッシュ「俺の身体が壊れてそのままアオイに当たったらどうすんだ!!」
島民達「離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ離せ!!!!!!!!!!」
ギルガメッシュ「・・・クソッ!!周りがどうなってもお構い無しか!!」
???「誰か!!助けて!!」
???「助けて!!ジンさん!!」
エム「・・・!?」
ギルガメッシュ「な、なんだ・・・!?」
エム「はぁ・・・はぁ・・・」
エム「ちょっと!!あんたが抱えて守ってるその子!!」
ギルガメッシュ「え・・・」
エム「今その子ジンって言った!?」
???「え・・・?」
アオイ「あ、あのジンさんを知って・・・」
アオイ「あ、あの時ジンさんと一緒に居た女の子!!」
エム「な!?こんなだけどあたしは大人よ!!」
エム「・・・ってそんなことより!!」
エム「あんたあの時の子供よね?ジンが今どこに居るか知らない?」
エム「この状況がティアマトのせいってんならあいつがどうにか出来るかもでしょ?」
アオイ「・・・え?」

〇集落の入口
  一方、作家の老人の元に急いでいたセベク。
セベク「急がないと・・・!!爺さんを避難させないと!!」
セベク「・・・!!」
若い男性島民「居る・・・居る・・・」
若い女性島民「連れていかないと・・・」
若い男性島民「開けろ・・・!!開けろ・・・!!」
若い女性島民「家出する悪い子・・・捕まえないと・・・」
  セベクが作家のご老人の家に着くと家は島民達の手によって荒らされていた。
  玄関は壊され、壊れたドアの先にはさらに荒れた屋内の様子が伺えた。
セベク「貴様らぁ!!何をしている!!」
若い男性島民「・・・?」
若い女性島民「・・・?」
セベク「何故黙っている!!こんな非常時に何故家を破壊しているのかと聞いているんだ!!」
セベク「答えろ!!」
若い男性島民「・・・」
若い女性島民「悪い子・・・?」
セベク「はぁ?」
若い男性島民「・・・」
セベク「・・・!!あぁもう!!ふざけるのもいい・・・!!」
セベク「・・・っ!?」
若い男性島民「悪い子・・・」
若い男性島民「止める・・・悪い子・・・」
セベク「・・・っ!!」
セベク「はぁ・・・はぁ・・・」
セベク「魔法の発動がいつもより上手く出来ん・・・」
セベク「おじい・・・さん!!」

〇屋敷の寝室
セベク「・・・まだ頭がくらくらする」
セベク「くそ・・・爺さんは何処だ・・・」
若い男性島民「悪い子・・・」
老人「この本は・・・渡さん・・・!!」
老人「私の物語を待ってくれている子がいるんだ・・・!!」
老人「また貴様らなんぞに奪われてたまるかぁぁ!!」
老人「うっ・・・!!」
若い男性島民「悪い子・・・!!」
セベク「貴様ぁ!!」
セベク「爺さん・・・!!」
老人「おぉ・・・君か・・・!!」
老人「ありがとう・・・!!また助けてもらったね」
セベク「いいんですお礼なんて!!そんなことより早く逃げましょう!!」
セベク「ここは危険です!!」
老人「・・・いいや、何処に逃げても無駄だよ」
セベク「・・・え?」
老人「分かるんだ・・・」
老人「「感じる」んだよ、確かに感じるんだ」
セベク「な、何をです?」
老人「彼女が来る・・・」
老人「「ティアマト」が私達を迎えにやって来る」
老人「私に逃げ場は何処にもない・・・」
セベク「何を言ってるんですか・・・!!」
セベク「諦めてはいけません!!諦めないで下さいよ!!」
セベク「一緒に逃げましょう・・・」
老人「・・・すまないね、異世界から来た君をこんなことに巻き込んでしまって」
セベク「・・・え?」
老人「あの時さ、紙とインクを知っていただろう?」
セベク「あ、確かに・・・はい・・・」
老人「この群島の奴らはそもそも本が何で出来ているのかも、どうやって作っているのかも」
老人「紙とインクという概念すら知らない、興味がないんだ」
老人「だからあれを知っているはずがないんだよ」
セベク「でも、昔はみんな貴方と同じ様に本を書いていたと聞きましたが?」
老人「あぁ・・・昔だよそんなの」
老人「今は全員文字通り、綺麗さっぱり忘れてしまったよ」
老人「だからみんな二つ返事で私に全部くれたんだよ」
老人「この世界はティアマトに「支配」されてる」
老人「だから群島の外から来たとしてもみんな同じ様な者さ」
老人「それに、この世界の住人はみんな姿が青いんだ」
老人「文字通りね、加護によって守られるから日差しで肌が焼けることもない」
老人「でも君は違うし、だからもうきっと生きてきた世界が違うんだろうと思ったんだが・・・」
老人「違うかな?」
セベク「い、いえ・・・合っています」
老人「なーんて・・・ね・・・」
老人「って・・・え、本当かい?」
セベク「本当です」
老人「わぁ・・・それは・・・たまげたな・・・」
老人「本当ならワクワクして君と異世界について色々聞きたいが・・・」
老人「もう終わるからね・・・」
老人「君は・・・どうなんだい・・・?」
老人「逃げる宛はあるのかい?」
セベク「それは・・・」
老人「なぁ・・・もし良かったらだけど、最後に見せたい物があるんだ・・・」
老人「一緒に来てくれるかい?」
セベク「・・・はい」

〇洞窟の入口(看板無し)
セベク「ここは?」
老人「前に言ったろう?冒険に出たい私は色々準備をしたって」
老人「付いてきなさい」
セベク「・・・」

〇草原の一軒家
ジン「・・・ということがあって」
?「うっそでしょ!?時間が残り少ないのにお仕事が増えた!?」
?「でも大丈夫よ!!私が貴方達をちゃんと全員元の世界に戻してみせます!!」
?「その為に早く探して見つけちゃいましょう!!」
?「うん!!」
ジン「アオイちゃんは多分自分の家に居るだろうけど・・・あの三人が分からないぞ」
ジン「セベクは朝アオイちゃんの家に居たのを見たけどこんな状況だから多分家の中には居ないだろうし」
ジン「あの姉弟とは昨日別れたきりだし・・・」
ジン「ギルガメッシュさんは・・・」
?「任せて!!俺探し物はすっごく得意なの!!」
ジン「あ、能力か」
ジン「じゃあよし、早く探しに行っちゃおう!!」
ジン「そしてこの世界から早く脱出するんだ!!(早口)」
?「あ・・・ごめんなさい二人共、貴方達に言わなければならない大事なことを伝え忘れていました・・・」
ジン「なんです・・・?」
?「なにー?」
?「──」
ジン「・・・え?」
  To Be Continued

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