おれのぱそこん歴

たんぜべ なた。

おれのぱそこん歴(脚本)

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〇村に続くトンネル
おれ「中学1年生の頃だった、父が某所から「Pioneer PX-7」なるパソコンをもらってきた(購入かも・・・)」
おれ「PX-7には、OSが搭載されておらず、PX-7内のROMに搭載されたBASICを動かして遊ぶことが常でした」
  ROM(Read Only Memory)
  読み込み専用メモリーの事
  BASIC
  (Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Code の略)
おれ「同じころにMSX2が登場してきており、PCゲームの黎明期にも当たっていました」
  当時のモニターは中古のテレビ、記憶装置はカセットテープ、印刷は感熱転写プリンターとなっていました。
おれ「で、当時のおれはBASICで何をしていたかといえば・・・」
おれ「DTM(Desktop Music)の走りのようなことをしていました。 そうです、音楽の打込み演奏です」
おれ「プログラムを組むときは、手本になる書籍がありました。(今はネット上でプログラムを探すことの方がほとんどかな?)」
おれ「本を読んで、パソコンに音楽のもとを打ち込み、パソコンの音を鳴らしてみては、あ~でもない、こ~でもないと言いながら・・・」
おれ「入力結果のトレースを行う。 そんな日々を過ごしながら、パソコン歴の礎を築き始めていました」
  当時の音源はたったの6つ(FM音源3つ+PCM音源3つ)で、和音は6音源から3音しか用いることが出来ないという制限付き。
おれ「お陰様で、音楽の成績は芳しくなく・・・」
おれ「高校時代には、五線譜を泳ぐ音符はもちろん「ト音記号」すら知らずというおバカな学生時代を過ごすことになります」
おれ「あぁ、「パソコンではどのようにして音楽を流していたか?」って」
おれ「音階はアルファベットに置き換え、四分音符などは、4,8,16といった数値に置き換わったものを使っていました」
おれ「ただただ打込んで音を聞いているだけなんで、結局は楽譜と打込んだプログラムとの整合性がオレの頭の中にはなかったわけです」
おれ「そして、プログラムをセーブするために、カセットテープへデータを記録するわけですが・・・」
おれ「この時に流れる音がピーピーガーガーという独特の音で、あ~プログラムってこんな音がするんだと思ったものです」
おれ「そんなこんなで高校受験を控えるころ、世界を震撼させるとあるOSが誕生してくるわけなんですが、それはまた別のお話で・・・」

〇村に続くトンネル
おれ「高校時代のある日、滋賀県某市へ単身赴任中の父親の家に行くと、」
おれ「新しいOS「MS(Microsoft)-DOS(DiskOperatingSystem)」を載せたPCが鎮座していた」
おれ「当時は業務用(ワープロと言われることも)のアプリ「ユーカラart」が載せてあり、」
おれ「文章を作ることは勿論、「マウス」を使って、簡易なイラストを作ったりもしていました」
  記憶装置もカセットテープから、5インチのフロッピーディスクへ変身!データ保存の度にピーピーガーガー言わなくなったのです。
おれ「プリンターも熱転写からドット式へ。 こちらは、印刷時が静音から騒音になってしまいましたが・・・」
おれ「暗黒の高校時代を通過し・・・ 大学は工学部に在学。情報システム学科に在籍した私」
おれ「MS-DOSも Ver3.0から5.0へと変化をしていましたが、在学中の私が利用していたのは、Ver3.30」
おれ「Mifes(エディタ)、一太郎(ワープロ)、ロータス123(表計算)といったアプリケーションを駆使して、」
おれ「コーデイング作業やらレポートの作成やらで悪戦苦闘していました」
おれ「この頃に「バッチファイル」や「コンフィグファイル」について、書籍に始まり、先輩方の噂話、研究室での失敗談などを集めては」
おれ「友達連中で、あ~でもない、こ~でもないと言いながら、トライアンドエラーを繰り返していました」
おれ「何よりも、おれたちを魅了したイベントは、ユーザーメモリー空間「640KB」を如何にして使い倒すかという事でした」
おれ「さて、大学も3年生を迎え、MS-DOS Ver5.0が登場すると、ユーザーメモリー空間の管理で劇的な変化が訪れます」
  ユーザーメモリー空間は「768KB」まで拡張でき、EMSというメモリー拡張手法により「1MB」以上も利用できます。
おれ「もはや、革命以外の何物でもありません。 「バッチ」や「コンフィグ」ファイルを弄っていた労苦は消えたのですから・・・」
おれ「PCを弄る面白味が半減した瞬間でもありましたが、同時にPCが一般普及していく確かな足掛かりは、ここから始まります」
おれ「そして、いよいよ”あの”OSが登場するのですが、それはまた別の話で・・・」

〇湖畔の自然公園
おれ「大学在学中、NECを震撼させる画期的なOSが登場してきます。 え~windowsを期待された方、今しばらくお待ち下さい」
おれ「さて、その画期的なOS、名前を MS-DOS Ver5.0 と申します。 ピンと来る人もいるでしょう、DOS/Vです」
おれ「DOS/V の画期的なところは、文字コード体系をOS側で保持することが可能になったということです」
  DOS/V登場以前は、PCのROM上に文字コードを焼き込んでいたため、OSもPC毎にカスタマイズされていたのが実情です。
おれ「んで、日本のPC市場ではNECが幅を利かせていたわけなんですが・・・」
おれ「DOS/V登場以降は、海外の格安PCが上陸し、黒船来襲のように巷はそこそこにぎやかになったものです」
おれ「そして、DOS/V PCの普及に拍車をかけることになったのが windows 3.1 の登場です」
  ここでは、DOS/V 上で動く windows3.1 について、少し掘り下げてみたいと思います。
おれ「「windows3.1 マルチタスク!」と言われましたが、実体は「疑似マルチタスクOS」でした」
  疑似マルチタスクOSなる理由
  DOS/V のシングルタスクを、windows 側から割込み命令を発行させることにより、
  シングルタスクの塊の動作をあたかも複数のタスクが処理させているように見せかけています。
おれ「Linuxが普及を始めたころのうたい文句に「windows は最高性能を求め、Linux は平均性能を求める」がある」
おれ「個人的な見解ですが、windows3.1時代のシングルタスクの高速制御!という設計思想が影響していたように思います」
おれ「windows3.1 は順調に売れますが、PCの一般普及へは、まだ道半ばです」
おれ「いよいよ、次のOS達が登場してくるわけですが、それはまた別の話で・・・」

〇湖畔の自然公園
おれ「今回は脱線回ですよぉ!」
おれ「windows NT なるOSをご存知の方がどの程度居られるのか、甚だ疑問もあるのですが・・・」
おれ「PCサーバーや、プリンターサーバー等 LAN に接続される機器に「〇〇サーバー」と言うようになった元凶です。may be」
おれ「ところで、◯◯サーバーという言葉自体は、windows3.1 登場どころか、MS-DOS 時代にまで遡ってしまいます」
おれ「当時、ノベル社より「NetWare」という製品がリリースされ、PCのネットワーク相互接続を実現していました」
おれ「勿論、この頃にはUNIXも登場しており、UNIXとPCをネットワークを介して接続することも行われていました」
おれ「NetWareは「PCをネットワーク相互接続するOS(NOS)」であり、既存のPCに入れる事でネットワークを実現します」
おれ「UNIXは、OS単品の販売はほぼ無く、コンピュータ(ワークステーション)というハードに同梱されていた印象です」
おれ「UNIX系のワークステーションとPCを比較すると、その価格差には唖然としてしまいます」
おれ「まぁ、利用目的がそもそも異なっているので、比較すること自体が間違いかも知れませんが・・・」
おれ「NetWareでは、それぞれのPCに役割を分担させることでネットワーク内のデータ処理を効率化していました」
おれ「役割=サーバーってなわけで、PCサーバーやプリンターサーバーなる言葉を使ってきたのではないかと思います」
おれ「UNIXの場合は、目に見える物体(PC / ワークステーションなどのハードウェア)に対してではなく、」
おれ「OS上で処理を行うプログラム群(「デーモン」と言われています)に対して、サーバーとかクライアントという事があります」
おれ「さて、脱線ついでに面白いOSがもう一つ。 それは、IBMが提供していた「OS/2」というもの」
おれ「実はこれ windows95 になる予定だったOSなんです。嘘かホントかは知りませんが・・・」
おれ「今でこそ64bitマルチタスクが当たり前の時代ですが、」
おれ「16bitマルチタスクというとんでも機能を持っており、「os/2 warp3 + windows3.1」という構成が、」
おれ「後述するwindows95 よりもはるかに安定稼働していたというのは割と有名な話です」
  補足説明
  os/2 warp3 は、windows95と同じ32bit OSでした。
おれ「まぁ、商売のやり方が悪い IBM さんはボロ負けし OS/2 も日の目を見ることはなかったんですけどね・・・」
おれ「色々あって、マルチタスクであり、PCの相互接続ができ、windows3.1と同じ操作性の」
おれ「サーバーとして利用できるOSである windows NT が登場してきました」
  補足説明
  WindowsNTの変遷1
  WindowsNT→ windows2000→ windowsXP(一般向け)
  補足説明
  WindowsNTの変遷2
  WindowsNT→ windows2000サーバー
  サーバー向け
おれ「NT系は、現在のwindows serverに置き換わっていくのですが、それにしても、よく売れた OS ではあります」
おれ「基幹処理を除く業務系に採用され、一部の中小事業所では基幹処理系にも組み入れているところもあるようです」
おれ「Linuxも普及していますが、過去からの資産を考えると、当面は windows server の全盛が続くようです」

〇外国の田舎町
おれ「恐怖の大王到来に世間が盛り上がっていた頃、windows95がリリースされました」
おれ「このOSが旧製品(windows3.1)と異なる点は、以下の通りです」
  1)インターネットというキーワードを利用し、マスメディアを通して大々的な宣伝を行いました。
  2)ネットワークとの親和性が格段に向上しました。
  3)USBなど、簡易増設の機能が提供されました。
おれ「では、一つ一つを眺めていくことにしましょう」
おれ「と、その前に履修しないといけないのが「インターネット」という概念です」
おれ「インターネットとは、ローカルエリアネットワーク(LAN)を相互に接続した状態をさしています」
おれ「実際英語で表記すると、Inter(~の間の)Net(ネット)という事になります、面白いでしょ?」
おれ「別名は、『世界に広がる蜘蛛の巣(World Wide Web)』です」
おれ「この文字列の頭を取り出すと『WWW』となります。・・・見覚えありませんか?」
おれ「インターネットの最初期は、HTMLで記載された資料を、あたかも図書館で閲覧できるような、そんなモノでした」
おれ「そもそも、HTMLが出来たことこそが、インターネットの普及に貢献したとも言えます」
おれ「そうです、現在みなさんが閲覧している『サイト』なり『ホームページ』そしてSNSなども、HTMLを母体に発展してきました」
  1)インターネットというキーワードを利用し、マスメディアを通して大々的な宣伝を行いました。
おれ「さて、様々な知識のルツボたるインターネットに手軽に接続できるwindows95は、」
おれ「企業は勿論、勉強熱心(色んな意味で)な学生やおじさんたちに受け入れられました」
おれ「やがて、インターネットの利用価値について、主婦の方など多くの人が理解することになると、」
おれ「パソコンは普及し、洒落の効いたデザインのパソコンもたくさん製造され、そこにはwindows95が搭載されていました」
おれ「さらに追い打ちをかけたのは、通信環境の劇的な変化です」
おれ「この部分については、皆さんスマホをお使いですので、多くを語る必要は無いかと思います」
おれ「しかし、インターネットの素晴らしさを喧伝したのは、マスメディアであり、」
おれ「皮肉なことに、マスメディアはインターネットに取って代わられるような存在になってきました」
  2)ネットワークとの親和性が格段に向上しました。
おれ「インターネットで標準的な通信プロトコルに対応した結果、ネットワークの親和性が向上しています」
おれ「これは、windows3.1時代に、Netware社にネットワーク部分を持っていかれていた事に由来します」
おれ「windowsNTがネットワーク系の切り込み役を仰せつかってはいたのですが、」
おれ「如何せん企業向けに特化していたこともあり、イマイチ普及には至りませんでした」
おれ「そういった点から、パソコンベースでもネットワークに容易に繋げられる仕掛けを設けたのが、windows95でした」
おれ「西暦2000年に至るまでの、この期間において、」
おれ「色々な試行錯誤が繰り返され、現在お手持ちのスマホへと技術は進化してくるのです」
  3)USBなど、簡易増設の機能が提供されました。
おれ「さて、パソコンをお持ちの方なら、一度はお世話になった事がありませんか?USBメモリー」
おれ「口金さえ合えば、パソコンに手軽に周辺機器を接続できる規格が『USB』です」
おれ「windows95 以前のOSでは、接続する周辺機器毎に異なる接続規格があり、」
おれ「場合によってはパソコンに色々と部品を繋がなければならないことも多々ありました」
おれ「記憶メディアにしても、フロッピーディスク、スーパーフロッピーディスク、MDディスク・・・等々、」
おれ「記憶容量、購入の容易性などによって、千差万別でした」
おれ「さて、このwindows9x系と呼ばれたOSは、windowsXPが発売されるまで使い倒される事になります」
おれ「様々な問題を抱えたまま」

〇外国の田舎町
おれ「さて、windows95 が世に放たれ、windowsME に至るまでのOSを windows9x と総称します」
  windows9xの変遷
  1995~ windows95
  1998~ windows98
  1999~ windows98 SE
  2000~ windowsME
おれ「一般事務から家庭に至るまで、パソコンに載って普及した windows9x」
おれ「思えば世界的なインターネットの拡散は、この時から始まったのかも知れません」
おれ「メーカーパソコンはカラフルな筐体に変身し、」
おれ「デスクトップも画面と筐体が一体型となり、オシャレなデザインを身にまとったモノが登場します」
おれ「自作パソコンというものが騒がれるようになるのも、この時期を起点にしています」
おれ「では、windows9x とは、何だったのでしょう?」
おれ「それは、既存顧客を蔑ろにすること無く、新しい顧客を開拓していったものです」
おれ「そして、今日のインターネット普及を助けた功労者と言ってもいいでしょう」
おれ「パソコンの普及は、今日のタブレットやスマホなどの携帯端末の誕生も促しました」
おれ「そうですね、今、この漫画をスマホで読むといった仕掛けは、windows9x の功績です」
おれ「ところで、windows9x は廃れていく運命にもありました。 廃れた原因は何だったのでしょう?」
おれ「まず言えることは、時代の要請に答えきれなくなった! ということでしょうか」
おれ「また、windows3.1以前から抱えていた問題(16bitアプリ対応)も足枷となっていました」
おれ「windowsME君に至っては、セキュリティー向上が不安定化の要因になるという、本末転倒な仕上がりになっていました」
おれ「この辺りのくだりは、windowsXP→Vista の際にも再現されており、」
おれ「windowsMEを知っている世代は「やっちまたなぁ~♫」と冷笑したものです」
おれ「とにかく、既存・新規ソフトの導入は容易だったものの、「既存」に引っ張られ、」
おれ「結果として時代遅れ感が否めなくなった中途半端な windows9x」
おれ「やがて来るべき『完全32bitOS』へと移り変わって行くのでした」

コメント

  • 知らない世界を知るのは面白いですね。
    専門用語が難しかったですが、淡々とした語り口に引き込まれました。講義受けてるような気分になりました😊

  • 30年来のMacユーザーなので、同じパソコンでも全然違う星の話のように興味深く拝読しました。過去の遺物と化した懐かしい用語の数々にめまいがしそうです。作者さんの生き字引きっぷりは筋金入りですね。

  • ‥わからん
    大昔の雑誌「ログイン」みたいな
    話だったのう
    🤣ノシ⭐︎⭐︎
    ↑元SEの妹が居るのに
    何も理解出来ない姉w
    楽譜の譜読みは好きなんですが💧

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