不思議な夏至祭とマッチョとワタシ

ぽむ

エピソード46(脚本)

不思議な夏至祭とマッチョとワタシ

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〇奇妙な屋台
店主「よいしょ」
謎占い師さん「店主?何をしているのです? その荷物は?」
店主「もうすぐ夏至祭でしょ〜 祭りの荷物を用意してたの〜」
謎マッチョさん「あぁマッチョ国であるお祭りですね?」
店主「アラ!場所が違うわよ! ワタシは【村の夏至祭】に出席する つもりでいるのよ〜」
謎占い師さん「そういえば、【マッチョ国の夏至祭】も お祭りは同じ日でしたっけ。 どうします?」
謎マッチョさん「マッチョ国の夏至祭は、 寒い北地域の祭りで 【北のマッチョ】が仕切りですから、 店主不在でも問題ないでしょう!」
北のマッチョ「フシュー」
謎マッチョさん「我々マッチョのお祭りですから!」
店主「そう〜じゃあ ワタシは村の夏至祭に出席するわね。 美味しいものを後で送るわ〜 よろしくね〜」
謎マッチョさん「では、行ってまいります」

〇道場
  バターン バシーン
  ハイ!ハイ!
  ハオ!ジャイオ!
南のマッチョ「よし!今日の練習終わり!」
  ハイ!
南のマッチョ「それで明日ですが! ワタシの故郷の国でお祭りがあり、 演武と御前試合をすることになりました!」
南のマッチョ「お祭りに事前参加する人を募りましたが 準備できましたか?」
アカリ「はーい!」
南のマッチョ「御前試合も行われます。 選手のマコトくん!」
マコト「ハイ!」
南のマッチョ「相手の子は国の代表だから 頑張ってね!」
「頑張ってー」

〇道場
ナオト「ふぅ」
ミライ「ため息ついちゃって。 ナオトくん、どうしたの?」
ナオト「最近、家に居づらくって 帰るのが嫌なんだ」
ミライ「どうして?」
ナオト「姉ちゃん結婚して旦那さんが出来ただろ?」
ミライ「あぁ、お姉さん、 アイドルのミーナちゃんだっけ? 和菓子屋さんの奥さんだよね?」
ナオト「そう、それまでは姉ちゃんと2人で 事務所の社長さんの家に 世話になってたんだ」
ナオト「確かに兄ちゃんは、俺にも優しいし 何か文句があるわけじゃないけど」
ナオト「なんて言うか、モヤモヤしてて。 いつも二人の 邪魔してるんじゃないかって」
ナオト「今回のお祭り参加旅行だって もっと反対されるかと思ったけど あっさりOK出てさ」
ナオト「前はもっと 心配してくれたんだけど」
ミライ「引き止めて欲しかったの?」
ナオト「うーん、話しかけづらくなった。 厄介者なのかなって。 姉ちゃんには幸せになって欲しいけど」
ナオト「そこに俺はいらないのかなって。 そう思ったら悲しくて」
ミライ「ナオトくんはお姉さん思いで、 優しいんだね。 お姉さんも ナオトが大事に決まってるよ!」
ナオト「うーん・・・ そうなのかな・・・」

〇古びた神社
  (マッチョ国と通じる不思議な入口)
南のマッチョ「さぁ皆さん揃ったかしら? 準備はいいですか!?」
「はーい!」
マコト「はーい!」
  みんな!手を繋いで!目を閉じて!
  それでは行きますよ!
南のマッチョ「すう~」
南のマッチョ「覇!(はっ)」
  シュウウウウウウ

〇森の中
シロ「にゃーん」
  シュウウウウウウ
  ボワーン
  はっ
南のマッチョ「みんな!?着いたかしら!」
アカリ「うん!大丈夫~」
シロ「にゃーん」
南のマッチョ「あら猫ちゃん達。 お迎えに来てくれてたの?」
「にゃーん!」
南のマッチョ「行きましょう」
「はーい!」

〇草原の道
シロ「にゃーん」
南のマッチョ「村まで少し歩くわよ。 みんな大丈夫?」
アカリ「鍛えてるもん! へっちゃら!」
南のマッチョ「フフ、そう頼もしいわね!」
ヨージ「おやつ沢山持ってきたからな~」
マナ「も~またヨージくんは! カバンいっぱいお菓子入ってるんだから!」
ミライ「フフフ! ヨージくんらしいや!」
「アハハハハ!」
ゲンキ「ユウちゃん、大丈夫?疲れてない? 足疲れてたら俺が背負ってやるからな!」
ユウ「ありがとう! 歩くのは得意だよ!」
マコト「ゲンキくんは ユウちゃん好きだから 心配なんだよ!」
ゲンキ「何言うんだよマコト! (秘密だって言ったじゃん!)」
ユウ「ウフフ ありがとうゲンキくん、嬉しいよ。 でも大丈夫だからね!」
ユウ「ほら、頑張って歩こう!」
  ギュッ
  
  手を繋いでくれた!
ゲンキ「ユウちゃん・・・♡」
マコト「よかったね!」

〇ファンタジー世界
  マッチョの湖
南のマッチョ「さ、着いたわ」
「えっほっえっほっ」
南のマッチョ「あら、もう始まっているのね」
アカリ「あれは何?」
ナオト「たくさんのマッチョ達が 重そうな箱を肩に抱えて 湖の周りで踊っているよ!」
南のマッチョ「あれはマッチョ達が この地の鉱石が、いつまでも 取れるように願って踊っているのよ」
南のマッチョ「北の大地は森林が多いけど 作物はあまり育たないので 南の国から鉱石で買っているの」
南のマッチョ「屈強なマッチョ達が 涙を流しながら鉱石を掘るので 【マッチョの涙】とも呼ばれているわ」
アカリ「へー」
南のマッチョ「夏至祭は、寒く冬の長い この北の国にとって 暖かい日差しが多く 明るく過ごせる貴重な日なのよ」
ナオト「ふーん」
南のマッチョ「さぁ、みんな お城まで行きましょう!」

〇岩山
  「マッチョの涙」採掘場
謎マッチョさん「よっ」
  カツーン カツーン
謎マッチョさん「ふむ 今日はこんなもんかな」
謎マッチョさん「ん?」
  ヒュウウウウウ
謎マッチョさん「風が強くなってきたようだな。 これは、ひと雨くる。 降りよう」
  タッタッタッタッ

〇雷
  ガガーン

〇滝つぼ
  ザアーーーーーー

〇霧の立ち込める森
南のマッチョ「随分、視界が悪くなってきたわね・・・ みんな手を繋いでて!」
ヨージ「ハーイ・・・」
ナオト「あっ靴紐がとれた!」
ナオト「よいしょ、よいしょ」
ナオト「よし、なおったぞ。 あれ?」
ナオト「みんなは?」
  わー!みんな、待ってよー!
  タッタッタッ

〇森の中
南のマッチョ「だいぶ霧がはれたかしら。 みんな大丈夫?」
アカリ「せんせー! ナオトくんがいませーん!」
南のマッチョ「なんですって!」
シロ「にゃーん」
南のマッチョ「あなた達、探してきてくれる? 私はこども達を城まで連れていくわ」
「にゃーん!」
南のマッチョ「よろしく・・・」

〇寂れた村
  助けて・・・
店主「ん?」
謎占い師さん「どうかしましたか?」
店主「いえ、なんでもないわ」
謎占い師さん「では、私は祭会場に行きますね」
店主「ハーイ♡」
店主「・・・」
店主「アチラ、 また困ったことになってるみたいね。 ワタシがいないとダメかしら?」
  フッ

〇けもの道
  マッチョの森深く
  サワサワサワ
ナオト「ここどこ?」
ナオト「わー!迷っちゃった!」
ナオト「どうしよう・・・」
ナオト「えーん、姉ちゃん・・・」
ナオト「いや・・・ もう姉ちゃんには旦那さんがいるし 俺は姉ちゃんばかり頼らないって 決めたじゃないか!」
ナオト「ひとりで強くなるからって・・・ 武道も始めたはずなのに。 俺、弱いんだよ・・・」
ナオト「うっ」
ナオト「うえーん」
  ボウズ、泣くんじゃないぞ
ナオト「誰?」
ゴリラ「・・・」
ナオト「ゴリラ?」
  そうよ、この森では
  ひとりじゃありませんからね
ナオト「誰?」
くま「・・・」
ナオト「く、クマ!?」
ナオト「怖いよ~」
ゴリラ「ウッホホ」
ナオト「・・・」
ナオト「手招きしてる?」
  恐る恐る
  ゴリラたちの跡をつけてみた。

〇けもの道
  やがて明かりのさす
  開けた場所へ来ていた
ナオト「あ、ありがとう」
ゴリラ「ウッホー!」
ナオト「言葉が分かるの?」
「フフ フフフフフ」
  アハハハハ
ナオト「消えた・・・」

〇河川敷
  森を抜けると川岸に出た。
ナオト「あれ?」
ミライ「ナオト、無事でよかった!」
ナオト「ミライくん、いたの?」
ミライ「ずっといたよ。 みんなナオトを探していたんだ。」
ミライ「ちょっと、座って話をしないか?」
ナオト「うん!」

〇空
  ナオト、
  ほら空が青くて綺麗だね。
ナオト「ほんとだ。 風もいい気持ち」
ミライ「僕はさ、 春にあの街に引っ越して来たんだ」
ミライ「引っ越しも多くて色んな街に行ったし すぐ転校するから 友達もあまり出来なかった」
ミライ「いまは父も母も 遠い国で働いててさ、 僕はこの街に住む親戚の家にいるんだ」
ナオト「そうなんだ・・・」
ミライ「僕は、すぐ側に優しいお姉さんのいる 君が羨ましいよ。 大事にされてたのが、わかるから」
ナオト「そんなもんかな・・・」
ミライ「そうだよ」
ミライ「街の人はみんな優しいよね」
ナオト「うん」
ミライ「父も母も遠くにいるけど どこにいても この空で繋がっていると思うから 僕は寂しくないんだ」
ナオト「空が繋がってる?」
ミライ「君とも同じ空を見ることが出来る。 今だって、そうだろう?」
ナオト「うん、そうだね」
ミライ「僕はいつでも君の味方だよ。 だから心配しないで!」
  僕がついてるから
  ほら安心しておやすみナサイ
ナオト「スヤスヤ・・・」
店主「ウフフ よく寝ちゃったわね♡」

〇宮殿の部屋
  シュウウウウウウ
ナオト「スヤスヤ・・・」
謎マッチョさん「店主! いらしてたんですか」
店主「彼らは疲れちゃったのね。 寝かせておいて、あげましょう」
謎マッチョさん「御意。 御前試合が始まりますよ!」

〇謁見の間
  北マッチョの王室広間
北のマッチョ「フシュー」
南のマッチョ「よくきたな!ですって」
謎マッチョさん「ボソボソ・・・」
北のマッチョ「フシュシュー」
南のマッチョ「ええ、わかったわ。 御前試合を始めるわよ」
  バターン!広間の扉が開いた!
マッチョ「わっせ!わっせ!わっせ!」
  ドサッ
  ドサドサドサッ!
  北のマッチョ王の目の前で
  大量の箱が積まれた。
  中には
  たくさんのマッチョの涙が
  詰まっていた!
北のマッチョ「フシュシュー!」
南のマッチョ「あら! 国の代表のコがアクシデントで 欠席になってしまったですって!」
南のマッチョ「今から全員参加でトーナメントにするって言ってるわ!」
南のマッチョ「勝ったモノに 褒美を与えるのですって!」
南のマッチョ「両者、前へ!」
  ザッ
  ザッ
ナオト「相手がミライ・・・」
ミライ「友達だからって 手加減はしないぞ!」
ナオト「うん!」
南のマッチョ「ファイト!」
  ちょっと待った!

〇謁見の間
  ガシャーン!
敵「ウィー!」
西のマッチョ「敵襲だー! 宝石を狙いに来たのか!」
北のマッチョ「フシュー!」
南のマッチョ「性懲りも無く! こんな雑魚、やっつけましょう!」
北のマッチョ「フシュー」

〇おしゃれな食堂
アカリ「・・・あーあ」
アカリ「結局は美味しいモノ、 食べられなかったなー」
ナオト「御前試合もなくなったからね・・・」
ミライ「宝石と食べ物を交換するはずだったんでしょ? 食べ物が運ばれて来ないんじゃ・・・」
ナオト「途中で食料馬車が襲われたって 聞いたよ・・・」
南のマッチョ「ごめんなさいね、天候悪化もあって ワタシの国の馬車が遅くなって・・・ しばらくすれば来るんだけど」
マナ「もう備蓄食料も、ないの? どうしたらいいのかしら・・・」
店主「ハーイ!」
アカリ「店主!」
店主「直接、届けに来ちゃった! 新鮮なうちに皆に食べてもらおうと 思って〜」
店主「たっくさん 持ってきたわよ~」
店主「早速、 美味しいの作りましょ!」
「わーい!」

〇奇妙な屋台
店主「お疲れ様でした〜!」
謎占い師さん「途中から消えてましたけど どこにいたんですか?」
店主「ウフフフ、神出鬼没〜」
謎占い師さん「全くもう・・・ 心配してたんですから!」
店主「ゴメンね、ありがとう」
謎占い師さん「まぁ、いいですけど」
謎占い師さん「美味しいですね、 このオレンジ」
店主「ウフフフ」

〇道場
ナオト「センセー ありがとうごさいましたー!」
南のマッチョ「ハイ!さようなら! また明日!」
南のマッチョ「ふう」
北のマッチョ「フシュー」
南のマッチョ「あらお疲れさま。 今日はありがとう」
  サッ
南のマッチョ「あら、今日もお勉強するの? 熱心ね」
北のマッチョ「フシュー」
南のマッチョ「そうよね、こども達とも直接 お話したいわよね」
  コクコク。
  北のマッチョはうなづいた。
南のマッチョ「呪いで話せなくなったアナタに 読み書きを教えるのは、 ワタシも楽しいわ。 頑張りましょう!」
  フシュー

コメント

  • 見たことのある気がする冒頭シーン……と思っていたら、やはり前回と同日の別ストーリーでしたか! 今話は子供達の可愛らしさや清々しさが心地良いお話ですね!

  • マッチョの涙がマッチョたちの苦役による涙から名付けられていたなんて。何事も簡単に手に入らないから価値があるんですね。南のマッチョさんは見た目に反して知れば知るほど姉御肌ですね。

  • ナゾがどんどんあかされて、さらにスケールが大きくなってわくわくどきどきです〜でも、みんな優しくてほっこりでした〜ありがとうございました♪

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