エピソード45(脚本)
〇奇妙な屋台
店主「よいしょ」
謎占い師さん「店主、なにをしているのです? その荷物は?」
店主「もうすぐ夏至祭でしょ〜 祭りの荷物を用意してたの〜」
謎マッチョさん「あぁマッチョ国であるお祭りですね?」
店主「アラ!場所が違うわよ! ワタシは【村の夏至祭】に出席する つもりでいるのよ〜」
謎占い師さん「そういえば、【マッチョ国の夏至祭】も お祭りは同じ日でしたっけ。 どうします?」
謎マッチョさん「マッチョ国の夏至祭は、 寒い北地域の祭りで 【北のマッチョ】が仕切りですから、 店主不在でも問題ないでしょう!」
北マッチョ「フシュー」
謎マッチョさん「我々マッチョのお祭りですから!」
店主「そう〜じゃあ ワタシは村の夏至祭に出席するわね。 美味しいものを後で送るわ〜 よろしくね〜」
謎占い師さん「ワタシは村で司祭を頼まれているので 店主にご一緒しますね」
〇駅前ロータリー(駅名無し)
ガヤガヤガヤガヤ
フミト「相変わらず、駅前は賑やかですね」
執事ラルドゥス「坊っちゃん達!」
フミト「ラルドゥス、わかってるよ。 門限までには帰るからさ」
フミト「ほら、帰還予約!」
フミト「これで、時間には必ず作動するから 自動で帰れるよ」
執事ラルドゥス「無駄に魔導具を使わないでください! 帰宅をお待ちしてますから!」
フミト「はいはい」
ヤマト「邪魔者はいなくなったぜ!」
フミト「フフ」
ヤマト「ほら、採れたてオレンジ、 美味しいよー!」
フミト「貰ってくれませんね・・・」
ヤマト「ちっ、もう警戒されてしまったか。 他の方法を考えないとな」
フミト「毒入りの果実を市民に食べさせて 狂わせるという 狂った果実作戦は失敗しましたからね」
ヤマト「そうだよ。 ちくしょうマッチョの奴らめ!」
ヤマト「・・・おや?」
ヤマト「向こうにいる、あれは・・・ 皇子と大魔道士じゃないか?」
謎占い師さん「魔法を使えば一瞬ですのに、 店主ったら・・・」
店主「ゆらり電車に乗るのが いいんじゃない〜 ワタシは好きなのよ」
謎占い師さん「まあ、それも 良いのかもしれません。 急ぎすぎているのかもしれませんね」
店主「フフフ、慌てずゆっくり行きましょう〜」
ヤマト「アイツラからどうにかして 眠り姫の起こし方を 聞き出さないと・・・」
ヤマト「よし、後を追うぞ!兄貴!」
フミト「やれやれ」
〇駅前ロータリー(駅名無し)
ユイ「あっ」
メイ「どうしたの?ユイ?」
ユイ「あの二人、この間の怪しい果物売り!」
メイ「配布してただけだけどね! 食べたけど美味しかったよ!?」
ユイ「もー!大変だったんだから! やたらに食べちゃダメ!」
メイ「ごめんなちゃーい」
ユイ「ほら大丈夫だから。 ナデナデ」
メイ「エヘヘ」
ユイ「あの二人 どっか行くみたいね・・・」
ユイ「よし!こっそりついて行こう!」
メイ「ええー!?そんなことして大丈夫!?」
ユイ「ま、なんとかなるでしょ」
タッタッタッタッ
メイ「まってぇ〜」
タッタッタッタッタッ
〇駅のホーム
ピリリリリリ
店主「さ、急がなきゃ」
プシュー
ヤマト「あっ 閉まっちゃった!」
フミト「線路を辿れば行き先はわかるのですから 外から追いかけましょうか」
フミト「いでよ!鳥人!」
鳥人「キューイ!」
フミト「俺たちを背に乗せて アレを追いかけてくれ!」
鳥人「キューイ!」
バサバサバサー!
パシャー
ユイ「ねえ!メイ! 今の見た!?」
メイ「なにもなかったけど・・・?」
ユイ「ビックリして思わず スマホで撮っちゃったけど・・・」
ユイ「写ってるのが見えてない・・・? ん?これは・・・羽?」
ユイ「メイも見てないって言うし 他の人たち、気づいてないのかな?」
メイ「どうする?」
かいじゅうこちゃん「やっはろー! なに困ってるの!?どうしたの?」
ユイ「あっ、かいじゅうこちゃん!」
メイ「えっ誰?知り合い?」
ユイ「紹介するね! こちら【かいじゅうこちゃん】!」
ユイ「店長さんのお店の紹介で 知り合った女の子なの!」
メイ「あの不思議な店長さん? お悩み聞いてくれるんだもんね」
カケル「お友達?」
メイ「は、はじめまして〜」
かいじゅうこちゃん「ワタシは、かいじゅうこちゃん! コチラは保護者のカケルさん!」
かいじゅうこちゃん「それより、困ったことって?」
ユイ「そうそう、さっき拾った これなんだけど・・・」
ユイ「駅で怪しい二人組を見つけて 追いかけて来たんだけど、 彼らも何かを追いかけてたみたいで」
ユイ「その怪しい二人組が鳥みたいなのに 乗って飛んだ後にコレが落ちてたの」
ユイ「写真を撮ったんだけど なにも写ってないらしくて」
カケル「おっ!スクープ!? ちょっと見せてくれる?」
ユイ「ハイ、どうぞ」
カケル(こんなに はっきり撮れているのに? 皆に見えてないのか? このコ只者じゃないな!)
カケル「ちょっとそのデータを借りてもいいかな? お金は払うよ!」
かいじゅうこちゃん「カケルさんは、こうみえても フリーのカメラマンで フォトジャーナリストなんだよ〜」
メイ「へえ〜すごい」
カケル「そんな大したもんじゃ ないけどな」
カケル「それより、その写真・・・ この間の果物配布の奴らだな。 俺もその事件を追いかけてて」
カケル「この街の不思議なことを 調べているんだ。 よかったら名刺渡しておくから いつでも連絡して」
カケル「良いのが撮れたら また買うからさ!」
ユイ「わかったわ、ありがとう」
かいじゅうこちゃん「ワタシ達ね〜 これから「夏至祭」に行くの!」
ユイ「夏至祭?」
かいじゅうこちゃん「そう!お祭り〜 ワタシのふるさとで行われるの! もし時間があるなら一緒に行く?」
カケル「今の奴らも この列車を追いかけたのなら、 ソコに向かっているかもしれない。 行ってみる?」
ユイ「夕方までに帰れるなら いいよ〜」
かいじゅうこちゃん「いいよね!?カケルさん?」
カケル「あぁ、まぁな」
ユイ「うん!じゃあ行く!ね?」
メイ「うん!」
ビリリリリリ
かいじゅうこちゃん「わー!出発しちゃう!」
ビリリリリリ
〇走る列車
謎占い師さん「スヤァ」
店主「アラアラ、お疲れなのかしら。 そっとしておきましょ」
〇森の中の駅
謎占い師さん「ふわぁ〜 よく寝てしまいました」
店主「良かったわねぇ」
店主「ピィー」
うま「ブルルルル」
店主「さ、行きましょ!」
パカラッパカラッ
ヤマト「あっいたぞ!追いかけろ!」
バサササー
カケル「着いたな」
かいじゅうこちゃん「おーい!おーい!」
ユイ「わっ、なにあれ!」
ウマ「ヒヒーン!」
かいじゅうこちゃん「さー!みんな行くよ!」
「すごーい」
〇寂れた村
クマコさん「ようこそ〜 おいでませ~」
店主「こんにちは! 皆さんおかわりなく?」
クマコさん「お陰様で元気に過ごさせております〜 もう会場で皆さんお待ちですので!」
謎占い師さん「わかりました、 早速、準備いたします!」
〇寂れた村
ヒヒーン
ユイ「ついた〜」
メイ「お祭りって、何をするの?」
かいじゅうこちゃん「この村の夏至祭はね〜 五穀豊穣をみんなで輪になって 踊りながら祈るの〜」
メイ「ご、ごこくほうじょう?」
ユイ「作物が沢山実りますようにって ことじゃない?」
かいじゅうこちゃん「そう〜 たっくさん実るの〜!」
かいじゅうこちゃん「みんなで これを頭にかぶって! 白い衣装に着替えるの!」
ユイ「こう?」
かいじゅうこちゃん「広場に行きましょ!」
メイ「かいじゅうこちゃんは 白い衣装にならないの?」
かいじゅうこちゃん「ワタシはトクベツ〜 かいじゅうだから〜」
ユイ「ふーん・・・」
かいじゅうこちゃん「行くよ!」
〇村の広場
メイ「わー」
かいじゅうこちゃん「もう始まってるね!」
わーになって
わーになって
おどろぅーおどろぅー
かいじゅうこちゃん「あの輪に加わって踊ろうよ!」
ユイ「踊り方がわからないけど・・・」
かいじゅうこちゃん「ほら、手を繋いで! ステップはこんな感じで〜」
わーになって
わーになって
謎占い師さん「gəlin bir dairədə rəqs edək.」
謎占い師さん「sənə xoşbəxtlik arzulayıram.」
謎占い師さん「dua edək dua edək Uğurlu gələcək üçün dua edək.」
謎占い師さん「さぁ踊りましょう!」
クマコさん「こちらにはお食事もありますよー!」
クマコさん「みんなこちらで採れた食材ですよ〜」
かいじゅうこちゃん「わーい!ごはん!」
ユイ「あっ、あのオレンジ!」
かいじゅうこちゃん「ここの食材は安全だよ〜」
ユイ「本当だ・・・変な感じがしない。 むしろ心地いい、甘い香り・・・」
ユイ「きっと土が良いのね! 歩いてる時、フカフカだったもの!」
メイ「ん〜!おいし~い!」
カケル(このコは何か不思議な力を 感じ取る能力を持っている。 店主と似ているのかも)
ユイ「ウフフフ」
〇渓谷
バサバサッ
ヤマト「奴らはドコ行った?」
フミト「こんなところまで 来てしまいましたね」
ヤマト「何故か村の方には結界があって 近づけなかったんだ。 この上流の方で、やっと 降りられたけどな」
フミト「やはり、 結界で守るくらいですから なにかこの村には 秘密があるのでしょう」
フミト「おや?人が来ましたよ」
ヤマト「隠れて様子を見よう」
サッ
「・・・でね」
かいじゅうこちゃん「夏至祭で この川に【花輪】を流すとね 【将来の伴侶】の手に渡るって 言われているのよ!」
スッ
かいじゅうこちゃん「その花を一輪、摘んで 枕元の器に入れて飾っておくと 【将来の伴侶の夢】を見るとも いわれているのよ」
かいじゅうこちゃん「みんな、一本ずつ取った?」
「うん」
かいじゅうこちゃん「じゃあ花輪を流すよ〜 せーの!」
ザッパーン!
かいじゅうこちゃん「流れてけー!」
ユイ「誰のもとに 届くんだろうね・・・」
メイ「ねー!?」
かいじゅうこちゃん「楽しみー!」
・・・
ヤマト「面白そうなことしてるじゃん!」
ヒョイ!
ヤマト「拾っちゃった〜!」
フミト「こらこら、イタズラしないの!」
ドクン!
「え!?」
フミト(なんだ!?)
ヤマト(変だぞ!この感じ!?)
〇山中の川
ジャブジャブ
カケル「ふえ〜洗い物も楽じゃねえ〜」
バシャーン
カケル「なんだ!?」
カケル「うへぇ〜びしょ濡れだ!」
カケル「花輪?」
カケル「俺に?」
カケル「祭りだし! かぶっとくか! 俺も大概、ミーハーだな!」
カケル「ふふふ〜ん♫」
バシャバシャ
〇寂れた村
クマコさん「あら〜もっと ゆっくりしていけば よろしいのに〜」
カケル「いや〜このコ達を 送っていかないといけないので! また来ますね!」
かいじゅうこちゃん「カケルさん? その花冠、どうしたんです?」
カケル「いや〜川で拾ったんだけど どうしてもかぶらないと いけない気がしてさ・・・」
カケル「俺らしくないし 似合わないだろ!?」
かいじゅうこちゃん「ううん、そんな事無い〜」
かいじゅうこちゃん(それ、間違いなく ワタシの作った花冠・・・ 目印の花が付いてるし)
ユイ「お世話になりました!」
クマコさん「はいな〜!」
ウマ「ヒヒーン!」
パカラッパカラッパカラッ
〇奇妙な屋台
店主「お疲れ様でした〜!」
謎占い師さん「途中から消えてましたけど どこにいたんですか?」
店主「ウフフフ、神出鬼没〜」
謎占い師さん「全くもう・・・ 心配してたんですから!」
店主「ゴメンね、ありがとう。」
謎占い師さん「まぁ、いいですけど」
謎占い師さん「美味しいですね、 このオレンジ」
店主「ウフフフ」
〇女の子の一人部屋
ユイ「これを花瓶に入れて、 枕元において寝ると 未来の伴侶の姿が見える・・・?」
ユイ「どんな人なのかしら? おやすみ・・・」
〇女の子の一人部屋
パチン
〇女性の部屋
メイ「花瓶にさしてっと おやすみなさい!」
〇女性の部屋
パチン
〇貴族の部屋
メイドさん「姫様は、お眠りです」
ヤマト「あぁ、わかった。 もう下がりなさい」
メイドさん「失礼いたします」
パタン
・・・
フミト「どうしたんです、ヤマト?」
ヤマト「兄貴も感じたんだろ? あの変なものを」
フミト「・・・ もう寝ましょう」
ヤマト「そうだな。 おやすみ、兄貴」
〇貴族の部屋
パチン
占い師さん、アゼルバイジャン語でのステキなお祈りが!そして実りそうな恋や、始まりそうな恋を感じさせてくれるドキドキの回ですね!
白い服に花冠というとスウェーデンのミッドサマーを彷彿とさせますね。トラウマ映画のイメージもあって、何か惨事が起こるのではと無駄にハラハラしてしまった。村に結界が張られていてよかった…。かいじゅうこちゃんの花冠が孫悟空の輪っかみたいにカケルの頭を締め付けることがありませんように。
おぉ!ここでも新たな恋愛が始まりそうな予感ですね!?✨いいですねー✨☺️💓