ヒステリック・ヒストリー

ラム25

Epilogue 2123年 メッセージ(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
  ふと、自室のデスクを見るとUSBメモリのようなものと・・・なぜかダイヤルが置いてあった。
  ダイヤルの針は0に合わさっている。
  何故ダイヤルが・・・?
  嫌な予感がし、USBメモリをPCに刺すと・・・

〇電脳空間
  映るのは、横たわる緋翠。
  懐かしい顔を見てつい涙が出そうになる。
緋翠「あれ、ここは・・・?」
  画面にはもう一人男が横たわっている。
  緋翠はその男を見て目を丸くする。
緋翠「お父さん!」
  緋翠は男を揺さぶり、起こす。
「緋翠、まさかお前にまた会えるとは・・・」
  二人は抱き合って喜ぶ。
  男の顔は背を向けているため見えない。
緋翠「あぁ、あんなに遠かったお父さんが、こんな近くに・・・」
「あぁ、実に長い夢を見ていた。 だがやっと悪夢が終わった」
緋翠「世界が崩壊して何度も挫けそうになった・・・ その度にやり直して・・・」
「確かに世界は・・・ 歴史はすぐに機嫌を損ねる・・・ そう、ヒステリックだ」
「だが歴史に偶然なんてない。 あるのは必然だけだ。 ヒスイ、お前と会えるのは必然だったんだ」
緋翠「うん・・・!」
  再会を喜び、抱き合う二人。確かに彼女達は不幸な運命を辿った。
  しかし、遂に幸せを勝ち取った。
  緋翠は涙を拭うと、タイピングのような仕草をする。
緋翠「ここは2123年の電脳世界・・・長い間ダイヤルに眠っていたAIが復元された・・・」
  緋翠は電脳世界のログにアクセスしたのだろう。
  そして未来で何者かによって復元されたらしい。
  状況を把握したらしい緋翠はこちらを見て言う。
緋翠「ありがとう。あなたのお陰で私は幸せになれた。 でもあなたが幸せになれたかがわからない。 だから未来に何か遺して!」

〇おしゃれなリビングダイニング
  そして映像は切れてしまった。
  もう一度USBを刺すも反応は無かった。
  未来から来た映像・・・よく分からないがおそらく俺がA世界とB世界のループを解除した事で未来への道が開いたのだろう。
  そして未来で何者かがヒスイと男のAIを電脳世界に復元し、その様子をUSBメモリに収め、ダイヤルを直して俺に送ってくれた。
  そしてまたダイヤルを回して帰ったのだろう。
  しかし針が0になったダイヤルがA世界の男の元に行かなかったのは直したからか?
  あるいはC世界に到達できたことでA世界は消失したからだろうか。
  そうだとしてもダイヤルは未来に一緒に帰るはずだ。
  ここにあるのには何か理由があるのだろうが・・・今はそれより・・・
  緋翠・・・君が幸せなら良かった。
  ハッピーエンドが好きな君のことだ、こんなに嬉しいことはない。
  気がつくと俺も涙を流していた。

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