本編(脚本)
〇教室の教壇
久石しほ「どーしよ、全然思いつかない・・・」
大島みはる「あんたまだ進路希望書いてなかったの・・・? 提出明日でしょ?」
久石しほ「マジで何も思いつかないんだよ・・・ 進学するにしても就職するにしてもどっちも大変そうじゃん?」
久石しほ「できればそんな苦労もなくラクに生きれる道が1番いいんだけどね〜・・・」
大島みはる「そんな都合のいい事あるわけないじゃん・・・」
久石しほ「いやでもさ、宝くじが当たったりとかしたらそんな人生もない事はないじゃん?」
大島みはる「あんた・・・ギャンブルには絶対手を出さない方がいいわよ」
久石しほ「うーん・・・そうだよね・・・」
久石しほ「・・・そうだ!」
大島みはる「あんた・・・何やろうとしてるの?」
久石しほ「何って・・・コックリさんだけど?」
大島みはる「コックリさん・・・?」
久石しほ「ほら、あの指が勝手に動いて色々教えてくれるアレ」
久石しほ「アタシらだけで考えても答えなんて出なさそうだし、第三者からの意見も欲しいかな〜って」
大島みはる「第三者って・・・ てかもしかして・・・私もそれに付き合わされる流れ?」
久石しほ「当たり前じゃん! こういうのって、一人でやると危ないってよく聞くし」
大島みはる「・・・しょーがない、付き合うわ」
久石しほ「さっすがみはる〜♪ ノリが良くて助かる!」
久石しほ「じゃあ早速この10円玉に指を乗せて・・・行くよ」
「コックリさんコックリさん・・・」
伊福部先生「お?お前らまだいたのか〜 そろそろ教室閉めるぞ?」
「どうぞおいでください・・・」
コックリさん「えへへ、呼んだぁ?」
久石しほ「うわぁ!?だ、誰!?」
大島みはる「てか先生の声しなかった!? 先生は!?」
コックリさん「ああ、この身体あんたらの先生やったんか〜」
コックリさん「ちょっと久しぶりに呼び出されてテンション上がってもたから、なんかノリで乗り移ってもたわ」
コックリさん「「ノリ」だけに・・・な!」
大島みはる「うわぁ・・・ だいぶ強烈なキャラだなぁ・・・」
久石しほ「あ!ヤバっ!! 思いっきり10円玉から指離してる・・・!」
コックリさん「ええよええよ、そんくらい そんな細かいルールとか気にしてへんし」
コックリさん「もう今こうやっておるんやから紙とか使わずウチに直接ジャンジャン訊いてきて!!」
コックリさん「あ、でも終わる時はちゃんとその紙使ってな?」
久石しほ「あぁ、はい ありがとうございます・・・」
大島みはる(コックリさんって、関西弁なんだ・・・)
コックリさん「で、なんか訊きたいこととかあるんやろ?」
久石しほ「あ、はい! 私の進路の事についてなんですけど・・・」
久石しほ「進学するか就職するか、どっちがいいと思いますか?」
コックリさん「うーん、そやな〜・・・」
コックリさん「あんた、将来何したいとか考えとるん?」
久石しほ「いやぁ・・・なんにも考えてないですね・・・」
コックリさん「・・・で、そっちは?」
大島みはる「え!? あぁ、私・・・ですか?」
大島みはる「一応建築デザイナーになりたいと思ってるんで、そういう大学に行こうかなって思ってますけど・・・」
コックリさん「そうか〜・・・」
コックリさん「うん、決まりやな」
コックリさん「あんた、この子と一緒の大学に行き!!」
久石しほ「えぇ!? アタシ、建築系の事全然分からないですよ!?」
コックリさん「それでもええやん! 何事も新しい事にチャレンジや!」
コックリさん「それに・・・ 分からん事があったらこの子に訊いたらええ! 二人とも仲ええんやろ?」
久石しほ「確かにそう・・・ですね・・・」
大島みはる(なんかすごいプレッシャーを感じる・・・)
コックリさん「うまくいかん時もあるかもしれんけど、それもええ経験になると思うで? 「若い時の苦労は買ってでもしろ」ってよう言うやろ?」
大島みはる「まぁ・・・そうですね・・・」
コックリさん「ほな、これで解決やな! 他に訊きたい事はある?」
久石しほ「いえ、今回はこれだけです!」
コックリさん「じゃあ、その紙と10円玉を使ってちゃんと終わるんやで〜」
久石しほ「あっはい!」
「コックリさん、コックリさん・・・ 入ってきた窓からどうぞお戻りください・・・」
コックリさん「うん! ほなな〜」
コックリさん「また困った事があったら呼んでな〜♪」
「・・・ありがとうございました」
久石しほ「・・・・・・」
大島みはる「・・・・・・」
久石しほ「なんか変な感じだったけど、訊いてみてよかったね」
大島みはる「そうだね・・・ これからも二人で頑張りますか!」
久石しほ「おう! 頼みにしてますよ、大島サマ!!」
大島みはる「いやいや・・・あんたもちょっとは頑張りなさいよ・・・?」
伊福部先生「ん・・・んん・・・ 何だったんだ?今の・・・」
大島みはる「え・・・? あれ?」
久石しほ「先生・・・?」
伊福部先生「なっなななな・・・なんじゃこりゃぁぁぁぁぁ!!!!!????? おっ、女ぁ!?女になってる!?」
久石しほ「嘘でしょ・・・? コックリさん、ちゃんと帰ったよね・・・?」
大島みはる「もしかして・・・精神は帰るけど取り憑いた人間の肉体は戻らないとか・・・そういうのかな・・・?」
伊福部先生「いやこれ明日からどうすんだよ!? てかこの服なに!? いつの間にこんな格好したの!?」
大島みはる「うわぁぁぁぁ!!!ちょっ!!ちょっと!!! こんな所で脱ごうとしないで!!!!」
久石しほ「先生!!落ち着いて!!! 落ち着かないかもしれないけど、落ち着いてーー!!!」
こうして何やかんやあったけれど、アタシはみはると同じ大学に行く事を決めた──
まだ分からない事はいっぱいあるけど、二人で一緒に乗り越えて行けたらいいな・・・
ちなみに伊福部先生はその後教師を辞めて、世界初のケモ耳グラビアアイドルとして生きていく事になりました。
関西弁のコックリはん、ファンキーですね。呼び出した当人たちじゃなくて伊福部先生の人生をいちばん変えちゃってるwww。先生もノリノリでケモ耳アイドルやっちゃって。ノリだけに。
た、玉藻様!? でなくて美麗なコックリさんですね!
説得力のある言葉を残して去ったコックリさん、そして彼女たちは……という素敵なお話で終わると思ったところでのオチww爆笑ですww