二段目 グリ子(脚本)
〇教室
先生「じゃ 二 の席は」
先生「ハルコ の隣ね」
ハルコ「はーい」
クラスメイト「ちょっと待てよ 先生 皆も」
クラスメイト「コイツ イチだろ」
先生「誰それ」
ハルコ「そうよ 誰」
クラスメイト「はあ 新手のどっきりか 昨日まで コイツはイチって呼ばれてたろ」
二「ちょっと怖いなこの人」
クラスメイト「それが何だよ 転校生って」
先生「う」
クラスメイト「何だよ 二 って 名前じゃねえだろ イチの次は二ってか 笑えねえよ」
先生「頭が痛くなってきた」
ハルコ「先生 大丈夫」
二「そうだよ 僕は二 今日この学校に始めて来たんだ」
先生「確かに 変な名前だな あれ イチって名前聞き覚えがある気が」
「・・・」
ハルコ「ハー」
ハルコ「だから 記憶改竄装置だけは レベルケチるなって言ったのに」
〇教室
ハルコ「もー レベル1じゃ足りなかったのよ」
二「いやこれ 先輩のミスでしょ やっぱ 二はまずかったんですよ 二 は」
ハルコ「何でよ ここでは一郎の次は二郎なんでしょ 一緒じゃない」
二「いや 分かんないっすけどォ ネイティブから言わせたら 違和感なんじゃないすか 分かんないッスけど」
ハルコ「意味わからない」
二「ええ 困りますって」
二「もし先輩がミスった時 次送られてくるのヒルコ フルコですよ」
二「これまた 違和感あるんじゃないスか」
ハルコ「それは大丈夫でしょ だってハ行ってのはハの次はヒフヘホ なのよ」
ハルコ「大体 アンタの隊のC245が 任務中に女にかまけて 別次元に飛ばされたのが悪いのよ」
二「それは まじで すんません」
ハルコ「とにかく 記憶改竄装置を レベル5に上げたから なんとか乗り切りましょう」
二「あーい」
〇教室
先生「えーというわけで 皆 二 と仲良くするように」
ハルコ「はーい」
クラスメイト「よろしくなー二ぃー 良い名前だなーニぃー」
〇神社の石段
キミエ(すっぴん)「殴っても やっぱ この壁は壊れねえか」
キミエ(すっぴん)「これじゃ いっ君と私を 追いかけられねぇな」
キミエ(すっぴん)「にしても何か変だこの壁 叩くと」
キミエ(すっぴん)「振動に合わせて震えてるな」
キミエ(すっぴん)「壁っつーかシールドっつーか こーゆーのを何て言うっけ」
キミエ(すっぴん)「あ ゼリー」
キミエ(すっぴん)「ゼリーで出来てんのか くの壁は」
じゃーんけんぽい
パ イ ナ ツ プ ル
キミエ(すっぴん)(誰か 階段を上って)
神社の神「う」
キミエ(すっぴん)「ちょ 大丈夫か」
〇黒背景
じゃーんけんぽい
ち よ こ れ い と
じゃーんけんぽい
パ イ ナ ツ プ ル
じゃーんけんぽい
〇神社の本殿
イチ「なあ さっき登って来た階段だけど」
キミエ「あの長い階段ね」
イチ「段数の53段 全部一気にかけ上がれると 勝負事に強くなるって言われてるらしい」
キミエ「へえ〜 いっ君すっごお〜〜い 物知りい〜」
キミエ「って 階段上る前に教えてよ」
イチ「いや 躓くと勝負に負ける癖が付くらしくて」
イチ「キミエが躓いたら 言わないつもりだったから」
キミエ「いっ君 優すぃ~」
キミエ「てかそれえぐくない しかも縁結び神社なのに全然関係ないのウケる」
イチ「それな」
キミエ「じゃ お参ろう お参ろう」
キミエ(あ 一礼だっけ二礼だっけ それとも先にお賽銭だっけ)
キミエ(いっ君の真似するか 知ってるかな)
チャリン(お賽銭)
ガラガラ(鈴)
ぺこ ぺこ(二礼)
パン パン(二拍手)
ぺこ(一礼)
キミエ「お参り いっ君の真似しちゃった」
イチ「あ そうだったの じゃ お参りの意味 知ってるか」
キミエ「え~ 教えて教えて」
イチ「最初の深いお辞儀2回は 神様への敬意と感謝を表していて」
キミエ「えっへえ〜ん そおなの〜」
イチ「次の2拍手は鈴を鳴らすのと同じ意味で 拍手の音で邪気を払い」
キミエ「いっ君 さっすが〜」
イチ「で 最後の一礼はどっかのお偉いさんが 礼しをないと締まらない ってさ(mikiペディア調べ)」
キミエ「何でも知ってるんだね〜 すっごほお〜い」
イチ「そうか へへ」
イチ(神社デートって聞いて 色々調べた甲斐あったな)
ポロ
キミエ(げ つけま 取れる)
キミエ「いっ君ごめん 私ちょっとお手洗い」
イチ「良いけど 汚そうだったぞ コンビニまで戻るか」
キミエ「大丈夫 すぐ戻るから」
イチ(いつもは汚いトイレは入りたがらないのに)
「オオ」
イチ「何だ」
イチ「悪霊 神社にはめったに入って来ないのに」
イチ「くらえ」
〇神社の石段
キミエ(すっぴん)「おい しっかりしろ」
神社の神「うぅ」
「うわ」
キミエ(すっぴん)「いっ君 知らん間に襲われとる」
キミエ(すっぴん)「ああもう あっちでも こっちでも」
キミエ(すっぴん)「いっ君を 助けようにも階段から出られない」
キミエ(すっぴん)「過去の私は何やってんだよ」
キミエ(すっぴん)「おおい いっ君が危ないぞ」
〇荒れた公衆トイレ
キミエ「ふー危ね危ね これでよし 視界良好」
キミエ「ついでに化粧直し してくか」
キミエ「ふんふんふーん」
悪霊「オオ」
キミエ「シケた 神社だなー」
〇神社の石段
キミエ(すっぴん)「駄目だ 気付いてない」
キミエ(すっぴん)「過去にこの神社で いっ君を守った記憶はない」
キミエ(すっぴん)「でも今 正に 襲われている 誰かがいっ君を助けたんだ」
キミエ(すっぴん)「誰か」
キミエ(すっぴん)「私か」
キミエ(すっぴん)「この神社の神は何してんだよ」
神社の神「グ リ 子」
キミエ(すっぴん)「え 何だって おい」
「じゃーんけーんぽん」
「ち よ こ れ い と」
キミエ(すっぴん)(なんだ 寒)
「じゃーんけーんぽい」
「ぱ い な つ ぷ る」
「じゃーんけーんぽい」
グリ子「ワタ シ グリ子 ぉ」
キミエ(すっぴん)「成る程 この人に取り憑いてんのは お前か」
グリ子「ワ た ㇱ グリ子ォ きゃはあっ」
キミエ(すっぴん)「さっき聞いたよ」
グリ子「おネイ ちゃァアァアあーん あァ゛そ ぼォ」
グリ子「アァアそそそそおおおぼおおお」
キミエ(すっぴん)(あーこれは)
キミエ(すっぴん)(返事しちゃだめなやつだった もう遅いが)
神社の神「やめろ もう終わりにしてくれ」
キミエ(すっぴん)(魘されている)
グリ子「ンヒッ んひぃっ んじゃっ〜んケ〜ン」
キミエ(すっぴん)(うわっ 何かもう始まってんのか)
グリ子「ぽーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン」
グリ子「んひっ んひひっい グーリーコおー」
キミエ(すっぴん)(アイツがグーで勝って階段を三段上がった "グリコじゃんけん"か)
グリ子「ンギっ んぎっひいぃ」
グリ子「いひいいいぃっぃぃぃいいいい ああソあああああああああああああああああああああボあああああああああああああああああああ」
神社の神「うっ」
キミエ(すっぴん)「おいやめろ 分かった 遊んでやるよ」
キミエ(すっぴん)「ただし 私が一番上まで先に上れたらこの人を開放しろよ 勝負がつくまではお互い手は出さない いいな」
グリ子「ギャハァ」
キミエ(すっぴん)(負けたら多分 この人と同じ目に合う)
グリ子「じゃーんけん」
キミエ(すっぴん)「おい 急に始めるな」
〇神社の石段
数分後
キミエ(すっぴん)(あと2段で階段の一番上だ)
キミエ(すっぴん)(グーチョキパーどれでも良い あと1回勝てれば)
グリ子「じゃーんけーん ぽん」
キミエ(すっぴん)「よし パーで勝った 上がりだ」
グリ子「カイダン イチバン 上マデええぇ ぴったりで 上がれた方が 勝ちぃ」
キミエ(すっぴん)「は なんだよ じゃあ あと4段下がらないといけないのか」
キミエ(すっぴん)「そんなルール 最初は言ってなかったよな それにそれじゃあ」
グリ子「きゃはあっ」
神社の神「うぐ」
キミエ(すっぴん)「やめろってば」
グリ子「・・・」
キミエ(すっぴん)「うわ」
キミエ(すっぴん)(意識が)
〇黒背景
キミエ(幼少)「かーげふーんだ」
キミエ(幼少)「次 鬼ね」
「キミちゃーん 何してるの」
キミエ(幼少)「影踏みだよ 今鬼かわったとこ」
「えー」
「誰とやってるの」
キミエ(幼少)「この子だよ 目の前にいるでしょ」
「キミちゃんの嘘つき 誰もいないじゃん」
「変なのー 誰も遊んでくれないから一人で遊んでるキミちゃん へーんなのー」
キミエ(幼少)「いるもん いるもん」
「いるもん いるもん」
〇神社の石段
キミエ(すっぴん)「うおお 寝ちゃ駄目だ 気合い入れろぉ」
キミエ(すっぴん)「勝負が決まるまで お互い手は出さないと決めたよな」
グリ子「アソボ ずーーっト」
グリ子「ずーーーーーー―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――っと」
キミエ(すっぴん)「おい」
キミエ(すっぴん)「いい加減にしろよ」
グリ子「じゃーーーーん」
キミエ(すっぴん)「怪を」
グリ子「けーーーん」
キミエ(すっぴん)「怪を匂わせるな」
キミエ(すっぴん)「理不尽なんだよ いきなり出てきてそっちのルールを押し付けやがって あげく追加ルールだぁ」
グリ子「じゃーーあんけーーえん」
キミエ(すっぴん)「話を 聞 け」
グリ子「ぽおお──」
キミエ(すっぴん)「お前が間髪入れずに人の話を聞かねえからこっちも大人気なく会話に割り込むがな」
キミエ(すっぴん)「ここの階段は53段 グリコじゃんけんは段数が3の倍数じゃないと上がれないつまり (mikiペディア調べ)」
キミエ(すっぴん)「お前はずーっと遊びたいんだ 永久に ただそれだけだ」
グリ子「・・・」
キミエ(すっぴん)「ルールを守れない奴と遊ぶのはごめんだね だから次の一手で終わらせる」
キミエ(すっぴん)「次はグーを出す お前の名前の このグーだ」
キミエ(すっぴん)「グーで 必ずお前に勝つ」
グリ子「ぐ り」
グリ子「こおおほほほこここほほほほろほおおおほほここほほほほほおほほはほおほほほおほほおおおほほほほおおおほほほほほおおおおほほ」
キミエ(すっぴん)(じゃあ パーを出してやるってか)
グリ子「じゃーーーーんケェあ〜ン」
グリ子「・・・」
キミエ(すっぴん)「本当にグーを出すと思わなかったか 素直にパーを出しときゃ良かったなあ」
キミエ(すっぴん)(まあ どっちにしろやる事は変わらないんだが)
キミエ(すっぴん)「そしていいか このグーよく見とけよ これはグリコのグーじゃねえ」
キミエ(すっぴん)「グーパーンのグーだー」
グリ子「ぐぎゃゆあっ」
神社の神「うわああああ どうゆう状況じゃ~」
キミエ(すっぴん)「グ う パ ン(4文字)」
キミエ(すっぴん)「これで私の勝ちだ グーパンで4文字上がれるなんて 聞いてないって?」
キミエ(すっぴん)「追加ルールだよ 今決まったんですう〜」
キミエ(すっぴん)「まあでも 誰かと遊びたかった気持ちは分かるよ」
キミエ(すっぴん)「痛いくらいにな」
神社の神「子供を殴るなど この神が赦さぬ」
キミエ(すっぴん)「起きた あんたここの神社の神か」
キミエ(すっぴん)「お前あの 怨霊に取り憑かれてたぞ しっかりしろよ 神の癖に」
神社の神「そうじゃ 子供の迷い霊かと思って 話しかけたら そのまま」
キミエ(すっぴん)「もういい それよりあんたが留守の間に 神社が悪霊に荒らされてるぞ」
神社の神「何」
キミエ(すっぴん)「ふう やれやれ」
「・・・」
キミエ(すっぴん)「おい」
キミエ(すっぴん)「もう殴らねえから 出て来いよ」
キミエ(すっぴん)「じゃーんけーん」
キミエ(すっぴん)「ほら 早く」
「遊びたいんだろ」
〇神社の本殿
イチ「もう限界だ」
神社の神「悪霊風情が 好き勝手は赦さぬ」
神社の神(力がいつもより 増しておる)
悪霊「ギャー」
イチ「貴女は」
神社の神「きちぃんと御参りしてくれたみたいじゃな」
神社の神「ありがとう」
〇神社の本殿
イチ「今のは」
キミエ「いっ君お待たせ〜」
キミエ「どうかした」
イチ「キミエ この神社のお守り全部買って帰ろう」
〇神社の石段
キミエ(すっぴん)「じゃーんけんぽい」
グリ子「グーリーコ」
キミエ(すっぴん)「じゃーんけんぽい」
キミエ(すっぴん)「いっ君 夕方 過去の私と一緒に帰ったんじゃ」
キミエ(すっぴん)「何しに来たんだ」
グリ子「キミエ〜続き〜」
〇黒背景
SFチックなのと、切り替わりで祟り、話がドンドン幅広げてくの、ほんとすごいです!
お声も、ほんとキャラそのもので、ものすごく惹き込まれました!! ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝詩さんスゴすぎです!!
記憶改竄装置!? いきなりSFチックになったところもまた謎でいいですね。ハルコとニの目的が気になりすぎます!
子どもの遊びはやはりホラーになりますよね!
グーパンで怪異を殴るキミエちゃん、好きです😆
色々と話が交錯し、とても面白かったです!
ボイス入りというのも多才で凄い!
神社、子供の霊、昔ながらの遊び、怪談には持ってこいのシチュエーション、、、何よりもキミエさん(すっぴん)強過ぎる😂次の展開が気になる!