カイダンカイダン

福山 詩(フクヤマ ウタ)

一段目 カイダンカイダン(脚本)

カイダンカイダン

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〇白
イチ「キミエ 好きだ 付き合ってくれ」
キミエ「そんな真っ直ぐなところ 素敵 私もいっ君が好き」
イチ「ありがとう ヨッシャー」
キミエ「ね 私のさ どんな所がスキ」
イチ「え 沢山あるよ」
「可愛くて」
「素直で」
「正直で」
「守りたいと思わせてくれる」
イチ「そんなキミエが大好きだ」
キミエ「いっ君 あのね 私」
キミエ「私は」
イチ「やっぱり ここも駄目だ ごめん 今日は帰ろう」
キミエ「え いっ君」
イチ「ほら キミエ早く」
キミエ「ちょっと待ってよ」

〇不気味
  コウカイ シテルト マヨイコム
  ドコマデ ツヅク カイダンカイダン
  オリテモオリテモ カイダンカイダン
  チャンスハ イチド カイダンカイダン

〇学校脇の道
  一年後
キミエ「でね ハルコってばさ」
キミエ「いっ君?」
イチ「やっぱり そうだよな」
キミエ「あっ」
キミエ「ごめん 久々に一緒帰るから 嬉しくて私ばっか喋ってた」
キミエ「楽しく   なかったよね?」
イチ「いやっ違う」
キミエ「!?」
イチ「あっ ごめ 声でかくなった」
「♡」
キミエ「いっ君 何か悩み事?聞くよ 話」
イチ「キミエ 俺謝らないといけない事があるんだ」
キミエ「えっ」
キミエ(実は 私もあるんだ 謝らないといけないこと)
霊「ノロウ コロ ス」
イチ(待ち伏せしてたのか?)
霊「ウオオ」
イチ「!? キミエ!危ない」
キミエ「ァんっ♡」
キミエ「なあにぃいっ君 こんなところで抱きついて 駄目だよぉ」
イチ(く ついに キミエにまで取り憑こうとしてるのか)
イチ「少しの足止めにしかならないけど!」
霊「ウグ」
イチ「ごめん キミエ 学校に戻ってもいいか?」
イチ「こいつ階段までは登ってこれないから」
キミエ「うんン?こいつゥ? まっ!?待ってよ引っ張らないでよいっく〜ん!」

〇屋上の入口
キミエ「ね 久し振りだね 屋上登るの」
イチ「うん? ああそうだな」
キミエ「覚えてる?私達ここで出会ったよね」
キミエ「階段から落ちそうになった私をいっくんが助けてくれたよね」
イチ「うん 覚えてる」
イチ「忘れるわけない」
キミエ「もう一年かあ」
イチ「うん」
キミエ「私達 あれから少しは 大人の階段を登れたかなぁ」

〇高い屋上
キミエ「懐かしいな」
イチ「あーそうか俺」
イチ「ここでキミエに初めて」
「♡」
イチ「そういや 母さんが また遊びに来いって」
キミエ「ほんとに 嬉しい」
キミエ「ごめんね うち親が厳しいから家に呼べなくて」
イチ「いや その代わり色んなとこ行ったよな」
キミエ「うん」
イチ「キミエ」
キミエ「わ ちょ いっくぅん♡」
キミエ「いっ君♡ ダ〜イスキ いっ君♡ いっ君♡」
イチ「俺 キミエともっと一緒に居たいよ」
キミエ「何言ってんの これからも一緒だよ」
イチ「・・・」
キミエ「いっ君?」
イチ「ごめん! 俺と別れてくれ!」
キミエ「えー!? 私達 上手くいってたじゃない」
イチ「だからだよ もう時間切れだ これ以上一緒にいると巻き込んでしまう」
キミエ「・・・ 本当に 何のこと?」
イチ「嘘だろ 階段までは上がって来なかったのに」
イチ「くっそ ここも危険だ 逃げよう こっちだ 早く」
キミエ「えっ ちょ いっく」
イチ「早く扉を ここから出るん」

〇地下に続く階段
  だ──
キミエ「いっ君危な」
イチ「ぁ」
「いっくーーーーーーん」
キミエ「嘘お 嘘お いっ君が階段から落ちちゃった」
キミエ「いっくーーーーん 今行くから 待ってて」
キミエ「ハァ ハァ」
キミエ「ハァ ハァ」
キミエ「いっ   ハァハァ」
キミエ「君?」
キミエ「え」
  この階段 何処まで・・・

〇屋上の入口
ハルコ「げっ」
警備員「何してんのー 屋上は立入禁止ー」
ハルコ「はーい でも扉開いてたよ」
警備員「あれ 変だないつも締め切ってるのに」
ハルコ「前は入れたのに 何で立入禁止になったの」
警備員「前 ちょっとした事故があってね それに」
警備員「カイダンカイダンが現れるからだ おっかねえぞお」
ハルコ「それ学校の七不思議のやつでしょ おじさん信じてるの」
警備員「がっはっは こうゆうの おじさんが子供の時からあるんだよな〜」
警備員「さあ 早く帰れよ」
警備員「カイダンカイダンに迷い込むと」

〇地下に続く階段
  絶対に出られない
「もう結構降りたぞ」
「くそっ なんでこんなことに」
「ああ もう」
「流石にだ〜〜〜るい」
キミエ(すっぴん)「いっ君にこの格好見られなくて良かったあ」
キミエ(すっぴん)「ま〜ぢで 歩きすぎてウィッグもメイクも取れたし服汚れたし」
キミエ(すっぴん)「しっかし どこまで続いてんだあ」
キミエ(すっぴん)「ここまで長いと 無限にあるんじゃねえかって気にもなるが」
キミエ(すっぴん)「いっ君が扉開けた時」
キミエ(すっぴん)「って もの凄い風吹いたんだよね」
キミエ(すっぴん)「風が通り抜けたってことは 出口があんのは確実」
キミエ(すっぴん)「しかし このまま階段を降りても 下が見えねえ」
キミエ(すっぴん)「こうゆうワケワカラン現象には ワケワカラン奴に聞くのが1番だな」
霊「オオン オオン」
キミエ(すっぴん)「おい」
キミエ(すっぴん)「おいシカトすんな テメーだ血だらけサラリーマン」
霊「オマエ ミエルノカ」
キミエ(すっぴん)「お前な ”怪”を」
キミエ(すっぴん)「”怪”を匂わせるな」
霊「コロス ノロイコロ」
キミエ(すっぴん)「うっせぇ」
霊「イタッ      え?」
キミエ(すっぴん)「え?じゃねえよ」
霊「ス~僕    ッスか      ネ」
キミエ(すっぴん)「お前以外誰がいんだよ」
霊「そッスよね」
霊(怖い)
キミエ(すっぴん)「カタカナで喋るな お前らはそうやっていつもいつも」
キミエ(すっぴん)「そう喋れば”ぽいかな” とか思ってんだろ」
霊「ひいい」
キミエ(すっぴん)「つかお前何 一年前くらいからずっといっ君に 付きまとってるよなぁ」
霊「え なぜそれを」
キミエ(すっぴん)「ずっと視えてたから」
霊「視えるのはあの小僧の方では」
キミエ(すっぴん)「いや 私も視えるよ視えっ視えだよ なんなら いっ君より視えるよ」
キミエ(すっぴん)「つか早く答えろ なんでお前 愛しのいっ君に付き纏ってんだよこのストーカー野郎」
霊「覚えてないんだよお 気付いたら 霊になってて あの少年を呪い殺すという使命感だけはあった所存です」
霊「多分 生前も仕事に対して律儀な サラリーマンだったんだろうね 俺」
キミエ(すっぴん)「いらねーんだよ そんな使命感」
霊「視えるなら 小僧を助けてやれば良かったんじゃない」
キミエ(すっぴん)「いや それは だって 女なら」
キミエ(すっぴん)「男に守られたいじゃん」
霊「ホラーだ」
キミエ(すっぴん)「それより どうやったらこのワケワカラン空間から出られる」
霊「え〜 いや俺も間違えてここに入っただけだから」
キミエ(すっぴん)「あっそ じゃこれ持って」
霊「縄スか」
キミエ(すっぴん)「そ この階段がどのくらいあんのか測る」
霊(こんなもんで 何が測れんだよ)
霊「何でこんなもの持ち歩いてんすか うわあ 縛らないで」
キミエ(すっぴん)「護身用だよ お前らみたいなのに襲われた時のな」
霊「だからって縄 こうゆうのってあの小僧が使ってたみたいに御札とか使うんじゃ」
キミエ(すっぴん)「そんな小細工は霊力が低い奴が使う チャリの補助輪みたいなもんよ」
霊(補助輪)
霊「ええ 札も少しは効果あるよ なんか こう ビリッて」
キミエ(すっぴん)「だからさ 札なんかうちの神社もテレビの撮影の時しか使わねーよ」
キミエ(すっぴん)「おら 早くいけ」
キミエ(すっぴん)(デート中も散々ワケワカラン事に 巻き込まれてきたんだ)
キミエ(すっぴん)(今回も大丈夫)
「うわー」
キミエ(すっぴん)「なんだ どうした」
霊「ひいひえっ 誰かが階段の下に」
キミエ(すっぴん)「いっ君か」
霊「いや分からない ひええ」
キミエ(すっぴん)「はあ しっかりしろ」
キミエ(すっぴん)「お前霊なんだろ 人をビビらせる存在がビビってどうすんだよ」
霊「俺は最近まで人間だったんだー 急にはいどうぞって霊にされても困るんだよー」
キミエ(すっぴん)「わかった キレるなキレるな」
キミエ(すっぴん)「ハア」
キミエ(すっぴん)(あぁ こんなことになるなら)
  俺はキミエの
キミエ(すっぴん)(素のままの私でいっ君と 付き合えば良かった)
  可愛くて
キミエ(すっぴん)「違うよいっ君  本当の私はブスだし」
  素直で
キミエ(すっぴん)「全然そうじゃないの 言葉は乱暴だし 意地悪だし 捻くれ者」
  正直で
キミエ(すっぴん)「・・・うう 見た目も 霊感あることも全部嘘ついて」
  守りたいと思わせてくれる
キミエ(すっぴん)「ごめん ごめんね いっ君」
  そんなキミエが大好きだ
キミエ(すっぴん)「私 そんなに弱くない 多分 すごい強い」
キミエ(すっぴん)「少なくとも いっ君よりかは」
キミエ(すっぴん)「ぐす ひぐ ぐすん わ 私い やり直したい」
キミエ(すっぴん)「もう一度いっ君に会って 本当の私を好きになって欲しい」

〇神社の石段
キミエ(すっぴん)「う〜ん」
キミエ(すっぴん)「ん」
キミエ(すっぴん)「あれ ここは」
キミエ(すっぴん)「学校の近くの神社」
キミエ(すっぴん)「どうなってんだ さっきの階段地獄は 夢を見てたのか」
「いっ君〜待ってよ〜」
キミエ(すっぴん)(げえ)
キミエ(すっぴん)(やば やっばあ どこか どっかに隠れなきゃ)
イチ「ははは キミエ足遅いなあ」
キミエ「だって ここの階段長いんだも〜ん」
キミエ(すっぴん)(ハアア いっ君 それに アタシぃ)
キミエ「ここの神社でお参りすると 恋愛運が上がるんだって」
キミエ「どうしよ〜私達もっと ラブラブになっちゃうね〜」
キミエ(すっぴん)「このゲロ甘シーン見覚えがあるぞ これは 過去の私」
キミエ(すっぴん)「この神社 確かワケワカランのが居たんだよな」
キミエ(すっぴん)「ヤバい 二人を見失う」
キミエ(すっぴん)「いった!」
キミエ(すっぴん)「これ何だ 壁 行き止まり」
キミエ(すっぴん)「まさか」
キミエ(すっぴん)「まさか 出られないのか この階段から」

〇教室
先生「席つけーい」
ハルコ「先生」
ハルコ「キミエは」
先生「今日は休みだ」
先生「皆いいか 今日は転校生を紹介する」
先生「入りなさい」
二「初めまして 二 です」

次のエピソード:二段目 グリ子

コメント

  • いっくん戦うんかなと思ったら、キミエちゃんが色々さらけ出し始めて笑いました🤣
    コメディ風味の方が本質なんですかね。霊さんもタジタジになってて、キミエちゃん(素と猫かぶりの両面)のキャラパワーをまざまざと感じました。面白かったです!👏

  • 甘々カップルが恐怖のどん底に叩き落とされると思ってたら、まさかの急展開!
    緩急あってこそのホラーだと思うので、コメディーパートでのやり取りも楽しかったです❗️
    ボイスもハイクオリティ😆
    階段のシーンでは反響してたり、芸が細かく、引き込まれました‼️

  • ま、まさかのキミエちゃんが、ああなったりこうなったり! テンポがいいし、予想外の展開になるし、で

    ⸜(*ˊᗜˋ*)⸝続きも楽しみです!!

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