〇女性の部屋
みやこ「よし！ 家具のレイアウト完了！」
みやこ「今日からここで新生活・・・ ちょっと不安だけどワクワクしちゃうな〜」
みやこ「あ、そうだ ダンボールの中の物も出さないと・・・」
みやこ「・・・げっ」
みやこ「黒歴史ノート・・・ 間違って持って来ちゃった・・・」
みやこ「うわ〜・・・ 魔法陣の練習いっぱいしてる・・・」
みやこ「てか表紙はゾンビ生存方とか書いてあったのに・・・ 飽きるの早すぎでしょ、私」
みやこ「線もなんかフニャフニャだし・・・ 今の私が書いた方がもっとマシなのできそうだなぁ・・・」
みやこ「・・・書いてみるか」
みやこ「お！ 結構上手にできたじゃん！ 私、もしかして魔法陣を書くセンスとかあったりするのかな？」
みやこ「・・・て、これじゃ昔の自分と同レベルだよ」
みやこ「新生活早々何やってるんだろ、私・・・」
みやこ「うわっ!? な、何!?」
セン「いてててて・・・ 何処だよここ・・・」
みやこ「え・・・？ な、なに・・・？」
セン「うわ!? なんだお前!? 見かけないやつだな!?」
セン「ていうか、ここ何処だよ!?」
みやこ「いや、それはこっちが知りたいんだけど・・・」
みやこ「もしかして・・・これって・・・」
みやこ「異世界召喚・・・てヤツ!?」
セン「召喚・・・？ お前、召喚士なのか？」
みやこ「いや、そういうのじゃないんだけど・・・ たまたま魔法陣を書いたらこんな事になって・・・」
セン「「たまたま魔法陣を書いたら」って・・・ お前、召喚魔法とかそういうのに関する知識とかもってるの？」
みやこ「いや・・・全然ない・・・です」
セン「て事は、俺は用もないのにこんな訳の分からない世界に呼ばれたってわけか・・・」
セン「しかもその様子だと、返す方法もわからないって感じだな・・・」
みやこ「だっだだだだ大丈夫だから!!!! 君のことぜっっっっったいに元の世界に返してみせるから!!!!」
セン「いやめちゃくちゃ動揺してるし・・・」
みやこ「とりあえず、魔法陣を書いていけばいつかは帰りの魔法陣にぶち当たるかもしれないから、とりあえず書こう!!」
セン「大丈夫なのかよ・・・これ」
みやこ「これは・・・？」
セン「な、なんだ!?」
異世界ネコ「ぷきゅ〜」
みやこ「あぁぁぁぁぁ!!!! また変なの呼んじゃった!!!!」
セン「あーもう!! 適当に魔法陣なんか書くからだろ!!!!」
みやこ「ごめん!! ほんっとごめん!!! もっとちゃんとした魔法陣書くから!!!!」
セン「ちょ！待て！待てって!!」
　　こうして、私はただひたすらに魔法陣を描き続けた・・・

〇女性の部屋
　　あれからどれだけ魔法陣を書いただろう──
みやこ「ハァ・・・ハァ・・・ 今度こそ・・・！」
セン「いやもう・・・本当にいいから・・・」
みやこ「・・・できたっ!!」
みやこ「これは!? いつもと・・・違う！」
セン「この匂い・・・ 俺の故郷の匂いだ!!!」
みやこ「え!? そうなの!?」
セン「ありがとうミヤコ!!! お前が諦めなかったおかげで俺は帰れそうだ!!!」
みやこ「え!? いやぁ・・・元々は私が巻き込んじゃったようなもんだから、そんな感謝されるようなことじゃ・・・」
セン「その不屈の闘志があれば、ミヤコはこの先もきっといろんな困難を乗り越えていける・・・！」
セン「これからも頑張ってくれよな!!」
みやこ「う、うん・・・」
セン「それじゃ、またな！」
みやこ「・・・これで、よかったんだよね」
　　一仕事を終えた私は、ふと窓から外の景色を眺めた・・・

〇荒廃した街
街の人「うわぁぁぁぁぁ!!!! くるなっ!!!くるなぁぁぁぁ!!!!!」
異世界ネコ「ぷきゅ〜♪」
異世界ロボット「排除シマス排除シマス排除シマス排除シマス排除シマス排除シマス排除シマス排除シマス」
異世界ゾンビ「ァァ・・・アァァァ・・・」
異世界からくり人形「スシ・・・テンプラ・・・フジヤマ・・・ゲイシャ・・・ワビサビ・・・」
異世界妖狐「ねぇそこのキミ・・・ お姉さんとイケナイこと・・・しない？」
異世界勇者「イケナイことというのは・・・ 脱税とか、そういう事でありますか？」
異世界ドラゴン「キュオォォォォォォォン!!!」
異世界ゴーレム「グォォァァァァァァ!!!!!」
異世界美少女「今日からあなたたちは、私のペット！ さっそく去勢しに行きましょ♪」
「うう・・・ううぅ・・・」
異世界織田信長「全く・・・なんちゅう乱れた世界じゃ・・・」
異世界織田信長「ここはひとつ、ワシが天下統一してやらんとなぁ!!!!」

〇女性の部屋
みやこ「・・・・・・・・・」
みやこ「あれ全部、元に戻さないといけないのかな・・・」