魔術大戦

よつば 綴

魔術大戦(脚本)

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魔術大戦
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〇戦場
  師暦4192年、大国同士の魔術大戦が開戦した。
  長年停戦状態だったのだが、
  ワールイニン国がヨイヒート国へ
  先制攻撃をしかけたのだった。
  ワールイニン国には
  魔術師だけで編成された軍隊が作られるほど
  多くの魔術師がいた。
  しかし、1人1人の質が悪く
  数で攻める方針だった。
  それに対しヨイヒート国には、
  それぞれの隊に数人の魔術師を配置し、
  質で勝負する方針を変えずに
  精進を重ねていた。

〇原っぱ
  いよいよ戦火が強まった頃、
  後に『ケチャク平野の災事』と呼ばれる戦闘が始まった。
  ワールイニン国は魔術師軍が後方で援護と増援に力を入れ、
  武兵は捨て身で猛進する。
  ヨイヒート国は守備が要である。
  武兵による反撃も然ることながら、
  魔術師のサポートがワールイニン国の比ではない。
  戦局はヨイヒート国が優勢かと思われた。
ワールイニン国の魔導師「ザコクル!」
  ワールイニン国の魔導師が叫ぶと、
  何処からともなく有象無象の土の兵士が湧いて出てきた。
  数百を超える土兵がヨイヒート国を一斉に攻める。
エミナ「キエーテ!」
  ヨイヒート国最強魔術師のエミナの得意技が炸裂した。
  半径数メール以内に居る敵を一瞬にして消し去ってしまう。
  防衛魔術の中では最強クラスの技だ。
ワールイニン国の魔導師「オウクル!」
  ワールイニン国の魔術師が、また何やら呼び出した。
  今度は1体だけだが、かなり強そうだ。
魔王「我は魔界の王。貴様らなど瞬く間に消し炭にしてくれるわ!」
  なんと、召喚されたのは何処ぞの魔王だった。
  鋭い眼光に大きな角牙。
  頑丈な巨躯はどんな攻撃をも跳ね返した。
エミナ「マオウガキエールトタスーカルー!」
  ヨイヒート国の魔術師たちが全魔力を尽くし最大魔術を放った。
  どんな物理攻撃も跳ね返していた魔王だったが、
  この魔術には耐えられなかったようだ。
  そこからはヨイヒート国軍の快進撃で、
  ワールイニン国軍を制圧した。

〇原っぱ
ワールイニン国の魔導師「ヘ、ヘーイワーナドコーヌエイゴウニー······」
  唯一生き残ったワールイニン国の魔術師が呟くように、
  最後の力を振り絞って最期の詠唱をしてしまった。
  世界に平和が訪れることは、
  未来永劫なかった。

コメント

  • 国名から呪文名まで、シンプルでストレートなもので読んでいて楽しくなりますね。呪文の効果が強すぎますね。まさか世界にまで影響を及ぼすとはw

  • 魔術の呪文名がすごくネーミングセンスを感じました!笑
    たしかに物量でいくより、精鋭にした方が有利に動くことが多いですね。
    楽しかったです!

  • 呪文が覚えやすいので,私でも戦力になりそうだなぁと思いながら読ませていただきました。特に「マオウガキエルトタスカル」という呪文は覚えやすくていいですね。

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