エピソード4 シュルーゼルの過去【Ⅰ】(脚本)
〇けもの道
──ヴィンナッパルサズト道中──
──イズルメユ山地──
アスタシア「雪・・・・・・」
シュルーゼル「いくら何でも強いな」
「吹雪の間違いだろ!」
アスタシア「・・・・・・そうとも云う」
シュルーゼル「さて、何処かで一泊するか?」
アスタシア「山を下らないと・・・・・・」
シュルーゼル「だから、此処が『クダラナイト』という地名なのか」
アスタシア「この、日程ですと・・・・・・」
アスタシア「絶対誰か脱落します」
シュルーゼル「地図あるか?見せてくれ」
アスタシア「はい、地図帳なら」
シュルーゼル「・・・・・・一冊でいい」
シュルーゼル「・・・・・・ここ、ドラド街道ではなくクルマド街道では駄目か?」
シュルーゼル「そちらの方が楽な道だと思うのだが・・・・・・」
アスタシア「駄目です。クルマド街道はここ人数の捕虜ですと、一日占領してしまうかと」
アスタシア「迂回するなら、キャリナ峠かと」
シュルーゼル「駄目だな、其処は冠雪、スキー場になっている」
アスタシア「・・・・・・結局、クダラナイトしかないのではないですか・・・・・・」
シュルーゼル「悲しいが、そう云うことだ」
シュルーゼル「皆、そう云うことなのでしばらく我慢して貰う!」
「そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
アスタシア「・・・・・・肺活量・・・・・・」
シュルーゼル(・・・・・・雪、か)
〇教室
雪は嫌いだ
昔を思い出すから・・・・・・
「シュルーゼル!」
シュルーゼル「何だ、いきなり・・・・・・」
「お誕生日、おっめでとー!」
シュルーゼル「・・・・・・は?」
シュルーゼル「最初からそういえば良いだろ!?」
「いやー驚かせたくて」
「シュルーゼル、意外と可愛いよね」
シュルーゼル「意外と?」
シュルーゼル「・・・・・・どういう事だ?」
「おー。こっわ、シュルーゼルこっわ」
「まーまー、楽しく行こう?」
シュルーゼル「・・・・・・楽しく?此処は何処か解っているのか?」
「海軍兵学寮!」
シュルーゼル「解っているならそんなにへらへらするんじゃない」
「りょーかいしますたー、いんちょー」
シュルーゼル「・・・・・・」
「ほんと、堅いな〜シュルーゼル」
「ね。もっと軟かく生きよう?」
「やわらかく!」
「やわらかく!」
シュルーゼル「・・・・・・」
シュルーゼル(何なんだ、ほんとに・・・・・・)
〇教室
「おい、聞いたか!?戦争始まるらしいぞ!!」
「敵はランステス、フォーメルニア、それに・・・・・・キューワーズと、ミシェルだ!連合軍だぞ・・・・・・!!」
シュルーゼル「ユーヴェルユーズ・・・・・・政府は・・・・・・」
シュルーゼル「ユーヴェルユーズは応援を出さないらしい」
シュルーゼル「我がクロッス、一国で耐えられるか・・・・・・?」
「聴け!」
「きょ、教官・・・・・・」
「始まるらしい、では無い」
「始まった、だ!!」
「君達の出番はまだ無いが・・・・・・覚悟は、しておく様に」
「・・・・・・」
〇堤防
シュルーゼル(・・・・・・本当に来るとは・・・・・・)
「皆、解っているな?」
「頼んだぞ!!」
シュルーゼル「・・・・・・」
「はっ」
〇堤防
「抜錨!」
シュルーゼル(・・・・・・出て仕舞ったか)
シュルーゼル(親族に挨拶はした)
シュルーゼル(母上・・・・・・やはり、返事もなく、会ってもくれなかった・・・・・・)
シュルーゼル(・・・・・・仕方ない、か)
〇海
シュルーゼル「・・・・・・」
「大丈夫か、シュルーゼル」
「先に休んでもいいぞ〜?」
シュルーゼル「いや・・・・・・いい」
シュルーゼル「・・・・・・雪だ」
「・・・・・・え?」
〇海
「本当だ」
「へぇ・・・・・・強くならないと良いね」
シュルーゼル「そう、だな」
シュルーゼル(母上は、やはり俺が嫌いなのか・・・・・・?)
シュルーゼル「・・・・・・考えるだけ無駄だな」
「ん?なんか言った?」
シュルーゼル「さあな」
「あ!交代がきた!」
「よし、休もうシュルーゼル!」
シュルーゼル「・・・・・・嗚呼、そうだな」