別に知らなくても良いけれど(脚本)
〇黒背景
32%
〇SNSの画面
野坂 すみれ「渋谷に行くんだけどオススメ教えて」
らーめん吾郎「ヒカリエ行っときゃ何とかなる」
今月は無(理のない)課金マン「絶対にスクランブル交差点は行ったほうがいい。人ヤバいからwww」
✳︎moeka✳︎「プラネタリウムがオススメですぅ〜!渋谷に星空ってエモくないですか〜!?」
こーいち「モヤイ」
どすこい侍「やっぱ王道の109じゃない?」
どすこい侍「余談だけど109の名前の由来は──」
〇黒背景
28%
〇電車の座席
野坂 すみれ(へぇ)
松原 隆也「おい、着いたぞ」
野坂 すみれ「あっ、うん」
本原 渚「人やべーっ!ビルやべーっ!」
松原 隆也「恥ずかしいからやめろ」
〇SHIBUYA109
私たちは、修学旅行で東京に来た。最終日の今日は自由行動で好きな場所に行ける。
野坂 すみれ(話し合いの結果、私たちは渋谷を選んだけど)
〇SHIBUYA109
〇SHIBUYA109
野坂 すみれ(お洒落な人多くない!?流石渋谷だ・・・)
本原 渚「渋谷ってスゲー!こんなに人が多いんだな」
松原 隆也「テレビで見た光景のままだ」
野坂 すみれ「見るものありすぎて時間が足りないね」
「確かに」
野坂 すみれ(渋谷に行きたいって言ったのは私からだけど、2人も楽しんでるようで良かった)
野坂 すみれ「あっ、写真撮って良い?」
松原 隆也「田舎者丸出しだから、サッと撮れよ」
野坂 すみれ「はいはい」
〇SHIBUYA109
〇黒背景
23%
〇SHIBUYA109
野坂 すみれ「よし、じゃあ行こっか!」
「おうっ」
〇モヤイ像
〇渋谷ヒカリエ
〇黒背景
13%
〇渋谷の雑踏
〇黒背景
10%
〇渋谷駅前
野坂 すみれ「いやぁ沢山回ったね」
松原 隆也「案外回れるもんだな」
本原 渚「そう言えば、学校戻ったら自由行動した場所で感じた事をまとめなきゃいけないんだっけ?」
野坂 すみれ「そうそう!」
野坂 すみれ「2人は何書くか決めた?」
松原 隆也「俺は美術館や博物館があることに驚いたことだな」
松原 隆也「ハロウィンのイメージが強かったけど考えが変わった」
本原 渚「分かる!イマドキのばっかなイメージあったわ」
本原 渚「俺はテレビで見てたスクランブル交差点の人混みの1人になれたこと」
〇渋谷の雑踏
本原 渚「今、俺はあのよく見る光景の1人になってるぞー!」
〇渋谷駅前
本原 渚「って思った」
野坂 すみれ「確かに」
野坂 すみれ「── 私は、案外芸能人って会えないんだと思ったこと」
野坂 すみれ「一緒に写真撮って貰えるとかは思わなくても」
野坂 すみれ「遠くから見られたり、すれ違えたらなとは思ってた」
野坂 すみれ「小さい頃からの夢だったから」
〇渋谷駅前
小さい頃、テレビを見て憧れた
ママは
お母さん「都会じゃないと会えないのよ」
そう答えた
〇黒背景
5%
〇渋谷駅前
野坂 すみれ「何てね。変装したり人混みの中じゃ分かりにくいのに難しいよね」
本原 渚「すみれ・・・」
野坂 すみれ「あっそうだ!2人とも109の名前の由来知ってる!?」
野坂 すみれ「109の名前の由来には2つあってね」
野坂 すみれ「1つは【東急グループの系列であるから】」
野坂 すみれ「もう1つは・・・」
野坂 すみれ「──記憶に自信ないから確認するね!ちょっと待ってて」
〇SNSの画面
どすこい侍「余談だけど109の名前の由来は」
どすこい侍「1つは名前の通り東急グループの系列だからってこと!10(とお)9(きゅう)で分かりやすいっしょ?」
どすこい侍「それからもう1つは【営業時間が10時から9時まで】だから」
どすこい侍「知らなくても別に生きていけるけど・・・」
〇渋谷駅前
野坂 すみれ「あっ」
野坂 すみれ「充電ヤバいかも!ごめんちょっと待っ」
彼女「そういやこの間さ〜田舎の従兄弟が遊びにきたんだけど」
彼女「『テレビのひとにあえなかった!!』って暫く泣き叫んでさー」
野坂 すみれ(えっ?)
彼女「あんまりにうるさいから『そんな簡単に会えるわけないでしょっ!?』って言ったらやっと泣き止んだの」
彼氏「おいおい夢見せてやれよー」
彼女「現実見せるのも大人の役目ですからww」
野坂 すみれ「現実を、見せる・・・」
野坂 すみれ(そっか、そうだよね。芸能人に会えるなんていつまでも夢見て、恥ずかしいな)
野坂 すみれ(中学生になっても現実を見れてなかった)
野坂 すみれ(結局、【夢】は【夢】なんだ)
〇黒背景
0%
〇黒背景
〇黒背景
〇白
〇白
起動中
〇駅のコインロッカー
野坂 すみれ「良かったぁ〜」
松原 隆也「まさか充電が切れてモバイルバッテリーをロッカーに忘れるとはな」
野坂 すみれ「バッテリーあるから大丈夫だと思って一杯使っちゃったから」
本原 渚「地元だとここまで使うことないしな」
本原 渚「それだけ沢山調べたいことがあったってことだよ」
〇黒背景
3%
〇ハチ公前
野坂 すみれ「ここが最後だね」
本原 渚「そう言えば、さっきはドタバタして結局聞けなかったけど」
本原 渚「名前の由来の2つ目はなんだったんだ?」
野坂 すみれ「そうそう!2つ目はね、営業時間が9時から10時までだからなんだって」
「へ〜」
野坂 すみれ「面白いよね」
本原 渚「俺思ったんだけど」
本原 渚「結局、それぞれの考え方次第だと思うんだよな」
野坂 すみれ「どういうこと?」
本原 渚「例えば今聞いた話を知った上で、いつかまた渋谷で109を見た時にさ、俺はきっと」
〇SHIBUYA109
本原 渚(ここ、10時から9時までやってんだよなぁ)
〇ハチ公前
本原 渚「って思いながら見ると思う」
野坂 すみれ「ふふっ、確かに」
松原 隆也「知らなくても良いことだとしても、知ってたらまた違う見え方がある」
松原 隆也「結局、その人の心の持ち用次第だってことを言いたいんだろ?」
本原 渚「正解!」
〇黒背景
15%
〇ハチ公前
野坂 すみれ「そっか。じゃあ、芸能人の話もそうなのかな」
本原 渚「もし会えなかったとしてもさ、「どうせ会えない」って思いながら歩く街より」
本原 渚「「もしかしたら会えるかもしれない」って思いながら歩く街の方が」
本原 渚「俺は夢があると思う」
松原 隆也「芸能人に限らず、フォロワーと知らない間にすれ違ってるかもな」
野坂 すみれ「──そっか、だよね」
野坂 すみれ「そもそもスマホを見ながらじゃ、気付けるものも気付けなかったのかも」
野坂 すみれ「それで2人に迷惑かけちゃうし」
松原 隆也「でも、さっきの109の話はスマホがあったからこそ知ったことだろ?」
本原 渚「そうそう!大切なのはそういうのをうまく使った上で」
本原 渚「しっかりと自分の目でも確かめること」
松原 隆也「勿論、歩きスマホはダメだけどな」
野坂 すみれ「ありがとう、2人とも」
〇黒背景
25%
〇電車の座席
野坂 すみれ(そうだ。さっき返信出来なかったからみんなに教えて貰ったお礼言わなきゃ)
〇SNSの画面
どすこい侍「知らなくても別に生きていけるけど・・・」
どすこい侍「私は知ってた方が、色んな景色がいつもよりも楽しく思えたの」
どすこい侍「だから、少しでも同じ気持ちになって貰えたら嬉しいな」
〇黒背景
55%
〇田舎の学校
──数日後
〇教室の教壇
野坂 すみれ「それでは、私の発表を始めます」
野坂 すみれ「まずは皆さん」
〇教室
〇教室の教壇
野坂 すみれ「109の名前の由来を知ってますか?」
〇白
100%
前向きになれました。心の充電もいただきました。感謝。
充電の%が最初0になった何か危険な物が召喚されるのではとドキドキしながら読んでましたが主人公の心情とリンクしてるんですねー。彼女達が初々しくて可愛かったです。そして都会は芸能人がそこんじょそこらに居ると思っていた私です。
エフェクトの使い方がとても上手でした!!
こんな背景もあるんだ!と勉強になることが多く、とても丁寧にタップノベルを作られているのだと感じました(*^^*)🌟