閉ざされた扉(脚本)
〇教室
灰人先生「あ~、みんな席について~」
灰人先生「え~、既になっているからみんな知っているだろう」
灰人先生「この学校の‥」
灰人先生「閉ざされた扉の事を!」
灰人先生「はい静かに~!」
水上飼「ふっ」
灰人先生「水上、なんだお前、笑うなぁ!」
高科朗久「あー俺聞いた事ある」
高科朗久「なんかその扉を見つけると、大昔の霊が現れて自分の持っている以上の力が得られるってんでしょ」
灰人先生「ああ、そんなのは迷信だがな」
水上飼「いわゆる学校の七不思議という奴ですか」
水上飼「学校は勉学に励む所なのに、こいつのような輩が風紀を乱している」
高科朗久「なんだと」
灰人先生「そうだ。その噂が広まったお陰で」
灰人先生「信じた生徒達が深夜に校舎に忍び込む生徒が後を絶たない」
灰人先生「中には性格まで変わり、先日とある性格がキレた挙げ句、屋上から命を絶とうとしたというトラブルも起こった」
高科朗久「そんなのは創り話だけの事だし、」
高科朗久「本当に死んでしまったらやり直せないもんな」
灰人先生「そうだ。だからみんな、その扉を探そう等と思わないように!」
仮名相「はいはーい」
仮名相「そんなこと言っても、封印が解かれたら願いが叶うとかでみんな、探し回ってますよぉ」
高科朗久「うわ、出たよ。言っても聞かないやつ」
仮名相「だって夏だし、みんなこういうの好きだもん」
灰人先生「お前、人の話聞けよ」
仮名相「じゃあ、そこのろく君がその謎を調べるって言ってる!」
高科朗久「えっ‥」
灰人先生「言っても聞かない者はもう知らん。勝手にしろぉ」
仮名相「じゃあ決まり!」
仮名相「頑張って、ろく君!」
高科朗久「うっ、うん‥」
水上飼「‥‥‥‥」
〇階段の踊り場
高科朗久「あー、何でこうなったのかなあ?」
高科朗久「それであいちゃん」
高科朗久「これからどうするの?」
仮名相「まずね、その話は同級生の聖子から聞いたんだ」
仮名相「同じ学校の安藤君がその扉を見たんだだって」
高科朗久「じゃあその二人に話を聞けばいいのだな」
仮名相「ええ、彼女にはアボイント取ってあるから。一緒に探しましょ」
高科朗久「うん」
仮名相「良かった。ろく君が居てくれて頼もしいな」
高科朗久「俺もあいちゃんと一緒で嬉しいよ」
高科朗久(あいちゃんにカッコいいとこ見せたら、彼女と付き合えるワンチャンがあるかも)
戸田司「フッ」
仮名相「あっ戸田君」
戸田司「そんなのはお前が頼まれたのだろう。一人でやればいい」
高科朗久「なんだと。横から出てきて勝手な事を言うな!」
戸田司「そんなの知らん」
戸田司「それとも、お前は彼女を巻き込んで危険な目に会わせるのか?」
戸田司「それに、お前が先に様子を見れば良いじゃ無いか」
高科朗久「ぐぬぬ‥‥」
高科朗久「仕方ない、じゃあ俺が一人でやるよ」
戸田司「解ればいい。それじゃあい、行こうか」
仮名相「ごめんね、ろく君」
戸田司「じゃあな」
高科朗久「くそっ。仕方ない」
聖子「あの‥‥」
聖子「あいから聞いたんだけど、君が高科君?」
高科朗久「あっ、聖子ちゃん?」
聖子「うん。あの事探してくれるって聞いたから」
聖子「さっそくだけど、見て欲しい物があるの」
高科朗久「マジか、それは話が速い」
聖子「じゃあ、こっちよ」
〇警察署の資料室
高科朗久「ここって‥図書館じゃないか」
高科朗久「ホントに扉なんてあるの?」
聖子「ええこれ見て」
聖子「この本にはこの学校にあった出来事が書いてある。さあ、手に取って」
高科朗久「‥‥‥‥」
高科朗久「わっ、何だ?」
高科朗久「本が数珠に変わったんだけど。何で?」
高科朗久「‥‥‥!?」
高科朗久(何故だろう?俺はこれを何処かで見た気がする)
聖子「やっぱり、この本、君には反応したのね」
高科朗久「ぐっ‥」
聖子「これでいいの?」
安薪「ああ、もう邪魔するものは居ないよ」
安薪「さあ、これが隠された扉だ」
〇地下室への扉
聖子「扉、ほんとにあった」
聖子「それで‥」
聖子「遠藤君はずっとこの場所を探していたけど、何が目的だったの?」
安薪「それは勿論、二人の為だ」
聖子「えっ」
聖子「私、他に彼氏いるのよ」
安薪「だからだ。僕は君に始めて会ったあの頃に戻りたいんだ」
安薪「さあ、ここを開けたら君は楽しかった頃を思い出すよ!」
聖子「キャーッ助けて!!」
〇地下室への扉
安薪「はっ!?」
「ククク‥扉を開けてくれて有難う」
〇魔法陣2
「起きろ‥」
「起きろ‥目を覚ますんだ」
な‥なんだ?
水上飼「ろく、いや、───」
水上飼「俺の事を忘れたのか?」
お前何言ってるんだ?
水上飼「閉ざされた扉は開いた」
水上飼「だからお前は‥全てを思い出す」
〇城
そうだ‥俺は
この場所で争いを繰り返していた
そして多くの者を失った‥
〇明るい廊下
水上飼「この学校に争いが起ころうとしている」
水上飼「それを手にしたお前に防いで欲しい」
高科朗久「お前一体、何者だ?」
高科朗久「まあいい。そんなことは後で考える」
高科朗久「何だかわからないけど‥やってみる!」
高科朗久「迷走!」
高科朗久「そうだ忘れていた」
高科朗久「この世界で俺が成すべき事を」
高科朗久「それは」
高科朗久「乱世の罪を償い、学生生活を謳歌するんだ!」
水上飼「ではなく」
水上飼「今学校に現れた、豹変した物の怪を救う事だ」
高科朗久「おう!」
〇学校の廊下
生徒2「何か騒がしいぞ」
〇白い校舎
安薪「た、助けてくれぇ~!」
安薪「殺される~!!」
〇学校の廊下
生徒1「遠藤君が大変!」
「待ったぁあ!!」
生徒1「あっ、見て」
〇白い校舎
〇学校の廊下
仮名相「ろ、ろく君!?」
〇白い校舎
「ろく君が‥」
「袈裟を来て運動場を走っている‥‥!」
続く?
よくありがちな校舎のミステリーからは少し離れた、時空のバランスが面白い作品だと思いました。ロクくんはやはり選ばれた人だったんですね!
袈裟を着て走るろくくんのイラストがかわいい。作者さんの作品には、空間の中に時空の異なる別空間が入れ子構造になっている不思議な雰囲気が魅力のストーリーが多いですね。