断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

38話 がんばってください!(脚本)

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〇王宮の広間
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまの婚約者候補が多すぎて困るわ。中でも王さまは私の理想を上回っていてお兄さまに相応しいお方だわ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あの美しい方も、守れる力があると言っていたわね。確認する方法はないけど──」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あの王さまと張り合うぐらいなら、気持ちは強いと言うことね」
ハグスタリ・ベラ「エレエレさまやワヌゥレン卿は本当にエントリーしないつもりなんでしょうか?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「心配しないで、絶対にエントリーするわ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あの2人は他の方より長く一緒にいて想いも強いし、お兄さまも大事だと思っているのよ?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「逆に、長く一緒にいすぎて危機感がなかったのかもしれないわね」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「って言うかワヌゥレン卿に至っては、最近まで自分の気持ちに全く気付いてなさそうだったもの」
ハグスタリ・ベラ「エレエレさまは主従関係にありますから、許されないと思っているんでしょう」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「そうね。エレエレにははっきり、結婚したいなら結婚を許してもいいと言ってあげた方が良さそうだわ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「王さまに、美しい方に、単発屋さん、出会ったばかりの人たちに追いつかれてるくらいの人たちには渡せないわよ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あの2人にはもっと頑張ってもらわなくちゃ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまたちが来たのかしら?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「どうぞ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまじゃ、ない? あ、貴方は?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「また素敵な方だわ・・・テルヌンドは美形が多いのかしら」
フィガロ・パズテカ「俺はフィガロ・パズテカだ。ルゥラッハの妹がここにいると聞いて──・・・」
フィガロ・パズテカ「・・・・・・」
フィガロ・パズテカ「アシュトゥロプ・・・?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「なぜ貴方が母の名前を知っているんですか?」
フィガロ・パズテカ「俺はテカの国王だ。お前の母親が追放された時のことを覚えている」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「・・・貴方がお兄さまの言っていた方なのね」
フィガロ・パズテカ「聞いたのか?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ええ。お兄さまは私に何でも話してくださるわ。だから私もお兄さまに隠し事はしないわ」
フィガロ・パズテカ「そうか。母親だったのか」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あの・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまを助けてくれて、ありがとうございました!」
フィガロ・パズテカ「どういたしまして。ルゥラッハはまだ来ていないのか?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまに会いにいらしたの?」
フィガロ・パズテカ「そうだ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまのことをどう思っていらっしゃるの!?」
フィガロ・パズテカ「ルゥラッハのことはとても愛らしいと思っている」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「王さまと並んだわ・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまに愛を囁いたことはあるんですか? もっと囁いてあげてください」
フィガロ・パズテカ「わかった。そうしよう」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ! とてもいいわ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あの、お兄さまの婚約者を募集しているんですけど、エントリーしませんか?」
フィガロ・パズテカ「それはやめておこう」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「な、何故です!? お兄さまを愛していらっしゃるんでしょう!?」
フィガロ・パズテカ「ルゥラッハから聞いていると思うが、俺たちは長命だ。例え愛し合えても、あっという間に別れが来る」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「・・・」
フィガロ・パズテカ「ルゥラッハとの別れに耐えられる自信がないんだ。・・・別れを恐れたことなどなかったのに」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「・・・お兄さまが貴方を選んだ時には、お兄さまと結婚してくださいますか?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「貴方は、お兄さまを誰かに譲るつもりなんですよね? でもお兄さまがそれを望まなかったら、結婚してくださいますか!?」
フィガロ・パズテカ「これから先、ルゥラッハが別の誰かと愛し合うと考えたら、すごく嫌だ」
フィガロ・パズテカ「ルゥラッハが俺を選んでくれるなら、ルゥラッハといられる時間を大事にする」
フィガロ・パズテカ「初めてこんなに好きになったんだ、一生忘れないだろう」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまを想ってくださって、ありがとうございます」
フィガロ・パズテカ「お前にありがとうと言われると、救われた気分になる」
フィガロ・パズテカ「俺の方こそ、ありがとう。お前と話していなかったら、俺はルゥラッハを避けていたかもしれない」
フィガロ・パズテカ「時間が惜しい。俺は今すぐにでもアイツに会いに行くべきだ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ、貴方はお兄さまに会いにここへ来たんでしょう? 避けられるわけありません!」
フィガロ・パズテカ「そうだな。迎えに行ってくる」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「時間がないならアピールはするべきです! お兄さまは鈍感ですから──」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「愛の言葉を囁いて、大胆な行動を取るべきです! がんばってください!」
フィガロ・パズテカ「そうする。ありがとう」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「エントリーするか聞いてないけど、候補に入れましょう」

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