りんご好き(脚本)
〇地下室
ふぅ・・・ようやく次の子がこの町最後の子か・・・
サンタ「よし、最後の子のほしいものを確認するか・・・!」
サンタ「最後の子は・・・女の子か。ええと、なになに・・・”クリスマスプレゼントにはりんごをください”・・・か」
サンタ「・・・そんなものでいいのか?」
サンタ「この女の子はそんなに不便しているようには思えんが・・・」
サンタ「だが人にはそれぞれ好みというものがあるものだ・・・!」
サンタ「それに、子どもが望んだプレゼントをちゃんと届けるというのがサンタのサンタたる所以だ!」
サンタ「よし! 今からりんごを届けに行こう!」
〇一戸建て
サンタ「よし、着いた・・・!」
サンタ「ここからは煙突に入って・・・って!?」
サンタ「ない・・・煙突が・・・!?」
サンタ「・・・・・・」
サンタ「・・・どうする!?」
1.正面から入る
2.裏口を探す
3.プレゼントを窓へ投げ込む
サンタ「ここは・・・・・・」
サンタ「よし、正面から入ろう!」
〇黒
〇一戸建て
サンタ「・・・鍵が掛かってるな」
サンタ「これは・・・そう簡単には開けられそうにない・・・!」
サンタ「困ったな・・・さて、どうしようか・・・?」
サンタ「どうにか手はないものか・・・?」
サンタ「そうだ、何かヒントさえあれば・・・!!」
サンタ「ん? なになに・・・”初めて飼ったペットの名前を教えろ”だって!?」
サンタ「変わった鍵だな・・・」
サンタ「初めて飼ったペットの名前・・・」
サンタ「うちのトナカイはペットなんかじゃない・・・!!」
サンタ、キレた・・・!!
〇黒
結果、サンタはプレゼントを届けることが出来なかった・・・
GAME OVER
〇一戸建て
1.正面から入る
2.裏口を探す
3.プレゼントを窓へ投げ込む
サンタ「流石に正面から入るのは厳しいだろう・・・」
サンタ「ならば・・・裏口を探そう!」
・・・・・・
サンタ「よし、裏庭の方に回っ──」
大波さん「そこにいるのは誰?」
サンタ「ええと、ワシは──」
サンタ(サンタたとはバレないようにせねば・・・!)
サンタ「ら、ランチョンミート屋です!」
大波さん「・・・・・・」
大波さん「怪しい・・・! 通報しましょう!!」
〇黒
結果、サンタはプレゼントを届けることが出来なかった・・・
GAME OVER
〇一戸建て
1.正面から入る
2.裏口を探す
3.プレゼントを窓へ投げ込む
サンタ「流石に正面から入るのは厳しいだろう・・・」
サンタ「裏口からも無理そうだ・・・」
サンタ「・・・ヨシ! プレゼントを投げ込もう!!」
サンタ「このりんごを窓に向けて・・・」
サンタ「そおおおおおおいっ!!」
サンタは窓に向けて、全力でりんごを投げた。
りんごは窓に当たり、その結果として窓は粉々に割れた。
粉々に割れた窓の先にはりんご。
それは、彼女の望んだ通りの光景だった。
窓を粉々にすることだって可能なのだ。
そう、サンタならね。
〇黒
少女は知っていて誘導をした。
でもそれは間違いでもあった。
サンタは衣装を変えなかった。
少女は軟禁されてたとか!?
最期の窓から投げ込むのがあたりだとしたら、窓ガラスが割れるのもコミですよね。
色々と想像出来ておもしろいです。
少女は閉じ込められていたのか?途中で登場した大波さんとは…こちらの想像を限られた字数の中で掻き立てるストーリー展開でした。
何故に少女はクリスマスプレゼントにりんごを希望したのか、そして、窓を割って投げ入れることへと誘導したのか、読み手の想像の余地が大きく読後も楽しいです。