断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

36話 大忙しだわ(脚本)

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〇王宮の入口
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ここが、ここが王さまの住んでいるお城なのね・・・! 立派だわ・・・!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「──そこの女!! 王宮は見せ物ではない!!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「と、言いたいところだが、レバノスタン領の者たちだから許す!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あ、あの・・・貴方は?」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「・・・俺はこの国の王、ビャラム・ヨイワーン・テルヌンドだ!!」
テツナ・テカ「大声で怒鳴るなよ、可哀想じゃん」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ! まあまあ! 貴方が王さまなんですね!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「容姿も素晴らしいわ、体格もいい! 難なく抱き上げてくれそう!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまとはお話ししたんですよね? お兄さまのことはどう思ってらっしゃるの?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ハッ・・・! そ、それはもしかしてお兄さまに──!?」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「こ、これはルゥラッハ・オル・レバノスタンに渡すものだ!! 悪いがそなたの兄に渡すことはできない!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「王さま、私はアゥルペロ・ミルス・レバノスタンです! ルゥラッハ・オル・レバノスタンは間違いなく私の兄ですわ!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「そ、そうなのか。勘違いした、許せ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ちゃんと謝ることもできる人なのね、お兄さまを守れる力を持ってるし・・・一番の候補だわ」
テツナ・テカ「お、俺もアイツを守る力くらい持ってる・・・!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「な、なんて素敵な方なの・・・! こんなに美しい方は初めて見たわ! 容姿は合格ね! ただ・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「もう少し筋肉が欲しいわね・・・お兄さまを抱き上げられるのかしら?」
テツナ・テカ「余裕だ!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ! お兄さまは魅力的だからこんなに候補者が──!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「王さまと、美しい方、ぜひお兄さまの婚約者にエントリーしてくださいな」
テツナ・テカ「こ、婚約者?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「はい、ぜひ」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「・・・婚約者か」
テツナ・テカ「す、するよ。エントリー でも俺のところに嫁ぐなら、テルヌンドから出ることになるかもしれないぜ?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまと離れ離れになるのは困るわ」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「テツナ、婚約者にエントリーしていいかどうかはルゥラッハ・オル・レバノスタンに決めてもらおう」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あら王さまったら積極的ですね! とってもいいわ! でも面接は私と父がするんです、合格者からお兄さまには選んでもらうわ!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「もちろんお兄さまの気持ちが第一なので、合格者以外から選ばれるなんてこともあるかもしれません!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「うーん・・・面接などしたことがないのだが」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「大丈夫です、簡単な質問に答えていただくだけですから!」
テツナ・テカ「ルゥラッハが、俺と一緒にいたいと思ってくれるなら、俺はテルヌンドに住む」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「そんなことはあの男が許さないのでは?」
テツナ・テカ「お前はバカか? アイツもエントリーするに決まってる」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ま、まだ候補者がいると言うの!? 私たち大忙しだわお父さま!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「そ、それより日差しはキツくないか? この娘を中に案内しろ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「どんどん加点されていく・・・すごくいいわ」
テツナ・テカ「ハァ・・・調子狂わせてくる兄妹だなぁ」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「テツナ、お前も中に入ったらどうだ?」
テツナ・テカ「絶対やだ」

次のエピソード:37話 俺も!!

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