35話 スカウトじゃねえか(脚本)
〇市場
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「知らない人が多いわね、もしかしてテルヌンドの人たち? レバノスタン領のみんなも確かめに行ったのかしら?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「土地ごと移動できる魔法があるなんて今まで知らなかっただろうし、確認したくなる気持ちはわかるな」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「テルヌンドの人たちも、他国の土地と取り替えたなんて初めてのことだろうから、見に来たのかもな」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「私たちは出遅れたのね・・・! 私たちも早く行きましょう、お兄さま!」
〇黒
〇中東の街
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま! あれがテルヌンドの町ですか!? 本当に私たちは引っ越せたのね・・・!!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「うおー・・・こりゃすげえ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「この景色を見てるとみんなのことを思い出してきたな。はやくみんなに会いたい」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま、行きましょう! 町の中にレバノスタン領の人々がいるのが見えます! みんなに負けてられないわ!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうだな、行こう」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ほんとだ、みんな馴染むの早・・・」
〇黒
〇中東の街
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「わあ! すごい、本当に別の国に来たんだわ!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「あんまり走るなよ、こけるぞ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「確かゲルホウスが迎えに来てくれるはずなんだけど・・・いた!」
ゲルホウス・クウザン「お久しぶりです、ルゥラッハさま。王さまが待っていますから、今回は迷子にならないでくださいね」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(笑顔から圧を感じる)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「大丈夫、ついていくから」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま、こちらの方は? 素敵な方ね」
ゲルホウス・クウザン「可愛らしい人だな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ゲルホウス? 妹を変な目で見るなよ? 目を抉り取るぞ?」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま、それはもしかして嫉妬ですか? ゲルホウスさまには、お兄さまだけを見てほしいと言うことですか?」
ゲルホウス・クウザン「ち、違いますお嬢さま! ルゥラッハさまには王さまがいますから!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ゲルホウスさま、道中王さまについて詳しく聞かせてください!!」
ゲルホウス・クウザン「は、はい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「どうしたんだろう? もしかしてアゥルペロは王さまに興味があるのか?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・もうエントリーどころか、スカウトじゃねえか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレン? 大丈夫か? テルヌンドより暑いから疲れた?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「だ、大丈夫だ。行こうぜ、はやく行かないとはぐれちまう」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うん、今度こそ寄り道せずに王宮に辿り着いてみせる」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「迷子になっても俺がいるから安心しろよ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うん、頼りにしてる」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(ワヌゥレンは頼もしいな)
〇黒
〇王宮の入口
◇◇◇「・・・・・・レバノスタン・・・はやく来てくれ」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「俺と結婚・・・俺と結婚しろ 大丈夫だ、練習した通りに──」
テツナ・テカ「・・・・・・」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「抱きついて喜ぶルゥラッハ・オル・レバノスタンに、俺も愛していると伝えて、キスをして──」
テツナ・テカ「なあなあ、そこのお前、賭け事好きか? 俺としようぜ。俺はビャラムが振られる方に賭ける」
◇◇◇「い、いえ、しません!!」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「テツナ!! 貴様いつからそこに──!!」
テツナ・テカ「お前のキモい妄想は聞いたけど?」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「キモくないわ!!」
テツナ・テカ「それを決めるのはお前じゃない」
ビャラム・ヨイワーン・テルヌンド「俺が賭けてやる! ルゥラッハ・オル・レバノスタンは俺と結婚すると言う!!」
テツナ・テカ「言うわけねえだろ?」
◇◇◇「・・・・・・」
◇◇◇「はやく来てくれぇぇ」