〇神社の本殿
「チャカポコ　チャカポコ 踊れや踊れ」

〇お祭り会場
？？「チャカポコ　チャカポコ 唄えや唄え」

〇お祭り会場
深月「・・・な」
深月「なんだよここ・・・」

〇神社の出店
　　俺、深月（みつき）と
　　双子の兄、深星（みほし）
深月「ど、どーゆーこと？ 俺ら地元の夏祭りにいたのに」

〇射的コーナー
射的店主「お？にーちゃんたち、 やってく〜？」

〇神社の出店
深月「ひっ!!!」

〇神社の石段
　　何が起きてるのかわからない・・・
深月「み、深星・・・!! なんかおかしいよここ・・・!!」
深星「・・・うん」
深月「どうしたの？具合悪い？」
　　なんだか深星が朦朧としてる・・・

〇神社の石段

〇神社の石段
終蔘「・・・ん〜？ なんだお前ら・・・」
「くんくんくん・・・」
終蔘「臭うね〜・・・人間だ」

〇モヤモヤ
　　「人間だ」・・・
　　
　　その言葉に凍る

〇神社の本殿
深月「深星!!! 逃げよう!!!」
　　兄の手を取り踵を返した所に
　　ベチャア!!
ニアヴ「あいった〜・・・」
ニアヴ「こ、殺す気ですか・・・」
深月「うわー!!?」
「ご、ごめん・・・??」

〇神社の本殿

〇神社の本殿
終蔘「・・・喰われるかと思った・・・？」
終蔘「俺そんなヤベーのに見えるかね・・・」
ニアヴ「終蔘さま！大丈夫です♡ 見るからにヤベー奴です♡」
終蔘「・・・ニアヴ ちょっと黙ってもらっていい・・・？」
ニアヴ「サーセン・・・！」

〇神社の出店
客「チャカポコ　チャカポコ」
「唄えや唄え むこりずきひを えまお〜♪ むこりずきひを えまお〜♪」
深月「な、なんだこの歌・・・」
終蔘「ここでは一般的な盆踊りの歌だ」
ニアヴ「えまお♪えまお♪」
終蔘「なんか食うか？」
深月「だ、大丈夫です・・・」
深星「食べないの？」
深月「・・・何かで見た・・・」
深月「こういう世界に迷いこんだら その世界のものは口にしちゃいけない」
深月「・・・帰れなくなる・・・!!」
深星「深月・・・帰りたいんだ」
深月「当たり前じゃん!!」

〇神社の石段
ニアヴ「ズルルっ!!もぐー！」
ニアヴ「・・・ふっ成程ね・・・。 屋台の焼きそばと侮ってはいたが良い小麦を 使った麺はもちもちでまたこのソースが」
深月「あの・・・ ここは一体・・・」
深月「ここにいる人たちは・・・妖怪？」
終蔘「・・・ここは 言うなれば黄泉の国かな」
深月「黄泉!? 俺たち死・・・っ!!」
終蔘「はは・・・ 小さいのに難しい言葉知ってんな・・・」
終蔘「ここにゃ死も生も無い」
終蔘「みんな楽しく暮らしてる。 ただそれだけだ」
深星「・・・深月」
　　深星が俺の手をぎゅっと握る
深月「深星・・・大丈夫だから」
　　不安そうに握る手をきつく握り返す
深月「どうしたら・・・ 元の世界に帰れますか？」
終蔘「さーな。 俺ぁ知らんよ」
？？「お？終蔘そりゃ人間か？」
客「ほー珍しい。 子供は柔らかくて良い」
深月「ひっ・・・!!」
終蔘「・・・悪りぃな こりゃ俺んだ・・・」
ニアヴ「・・・今のうちに移動しましょ」

〇祈祷場
終蔘「・・・ここなら誰も来ないだろ・・・ さて」
終蔘「俺は終蔘（おしん）」
ニアヴ「私はニアヴです！」
ニアヴ「終蔘さまの彼女っていうか〜 かのぽっていうか〜 なんつーかソウルメイトな」
終蔘「・・・ニアヴ、ハウス！」
ニアヴ「びゃ!! はいぃっ!!」
深月「俺は深月です・・・ こっちは深星。双子です」
深月「あの・・・ 助けてくれて・・・ありがとうございます」
終蔘「・・・独り占めしてこれから喰うかも しれないけどな？」
「みっ！深星!!にっ、逃げ・・・っ!!」
終蔘「冗談だ」
終蔘「ま、これも何かの縁。 帰る方法一緒に探してやるよ」
深月「・・・」
深月（し、信用して大丈夫なのかな・・・？）
終蔘「まず、どんな経緯でここに来た？」
深月「地元の夏祭りに深星と行って・・・」
終蔘「夏祭りにしちゃ兄ちゃんは厚着だな」
深月「えっ!??」
深月「た、確かに。 深星なんでコートなんか着てるの？」
深星「・・・さあ」
深月「さあって!!???」
終蔘「・・・」
終蔘「そーいや詳しそうな奴がいるな・・・ ニアヴ」
終蔘「コン呼んでこい」
ニアヴ「はーい！」
深星「・・・」

〇祈祷場
　　深星が俺の腕にしがみつく・・・

〇住宅街の公園
　　あまり表情豊かじゃないけど
　　明るくて優しい深星。

〇祈祷場
深月「深星・・・！大丈夫だからね！」
深月「絶対に２人で元の世界に帰ろう！」