〇城の会議室
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ハアァ・・・」
エレエレ・テンテンポム「どうしたんですか？　ルゥラッハさま 例の単発屋と何かあったんですか？」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「な、何でもないんだ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま、おかえりなさい」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ただいま、アゥルペロ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「エレエレから聞いたんですが、単発屋さんとはどうなったんですか？」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「情報ギルドを解散するように、エンシェン・リンに話してくれるそうだ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「そうなんですね？　その方は素敵な方ですか？」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「何でそんなことを──ハッ、まさかアイツに興味が!?　やめとけやめとけ！」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「あら？　もしかして何かあったんですか？ どんな方なんです？　お会いしたいわ お兄さまに相応しいか私が見定めます・・・！」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うぐ・・・あんな変態、見定める必要もない!!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「へ、変態？」
エレエレ・テンテンポム「何かされたんですか!?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ひ、一目惚れだとか何とか──お金じゃなくて、ほっぺたにキスしろって！ じゃないと説得してくれないって！　変態だ!!」
エレエレ・テンテンポム「し、したんですか？」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・した」
エレエレ・テンテンポム「そ、そんな変態には二度と近寄ってはいけません!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺もそう思う」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「見定めなくては・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・だめ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま、その方はアピールしただけではないですか！　好きな方にキスして欲しいと思うことは悪いことではありません！」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「キスを迫ってきたら変態扱いしてもいいですけど──」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「き、キスされそうになったんだ、大変だったんだ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ！ お兄さまは魅力的だから仕方がありません！ でも合意でないなら、減点です！」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「げ、減点？」
エレエレ・テンテンポム「拠点はどこですか!!　破壊します!!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「破壊しなくていい！ 今後付き合いがあるかもしれないし、その時は俺じゃない人を送ってお金を払えばいいんだから」
エレエレ・テンテンポム「その時は私が行きます」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「う、うん」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「エレエレはなかなかいいわね・・・エントリーを許可します」
エレエレ・テンテンポム「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「エントリー？」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「はい！　お父さまと私が、お兄さまの婚約者を決める面接をするんです！ 安心してください！」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「こ、婚約者？　よくわからないけど、エレエレをエントリーさせる気なのか？」
エレエレ・テンテンポム「ちょっと調べることがあるので席を外します」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「いってらっしゃい」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「うーん・・・ちょっと奥手すぎるわね。もっと堂々と愛を囁いてお兄さまを安心させてくれる人がいいわ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロ・・・そう言うことは本人の意思を尊重しないと」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「まあ！　お兄さまったら鈍感ね・・・！ 大丈夫です、本人の意思は尊重しますから！」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そ、そうか？」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「それよりお兄さま、その単発屋さん以外に気になる方はいないんですか？」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「き、気になる人？」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「そうです、よく頭に浮かぶ人とか、いらっしゃらないの？」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「最近はテルヌンドでのことを思い出すな。はやくみんなにまた会いたい」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「その中でも特にお会いしたい方は？」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「王さまかな。引越しの相談以外の話があんまりできなかったし・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「王・・・さま」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロ？」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「テルヌンドの王さまなら、お兄さまを支える力も守る力も持っているわ！ なかなかいいわね！」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロも、向こうで新しい友だちができるよ。いい人ばっかりだったから俺も安心だ」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「私もはやくみなさんにお会いしたいわ！」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「準備も整ってきてるから、１週間以内には引越しできると思う」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「とってもとっても楽しみです！ はやくテルヌンドへ行きたい・・・！」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「俺も楽しみだ」