召しませ、転椀也町! 〜BearWolfのアズマ君、はじめてのおつかい〜

タピタ

北森家のとある朝(脚本)

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〇明るいリビング
  ──数日後
アズマ「お父さん! もうお仕事の時間だよ!」
重蜜「ああ、もうすぐだが・・・・・・」
重蜜「今日はやけに時間に厳しいな。 アズマはいつも、この時間はテレビを観ながらのんびりと朝ごはんを食べているだろう」
アズマ「べ、別に? お父さんがのんびりなだけだよ!」
アズマ「いいからほら! 早くしないと遅刻しちゃうよ!」
アニタ「こら、アズマ。 お父さんをそんなに急かさないの」
アニタ「これからお仕事を頑張るんだから、それまでお家でゆっくりしていたいのかもしれないじゃない?」
アズマ「う〜・・・・・・。でも・・・・・・」
重蜜「なんだ、アズマはそんなに父さんに早く行ってほしいのか? 寂しいなぁ〜・・・・・・」
アズマ「あっ!」
重蜜「もっとアズマや母さんと一緒にお話したかったんだけどなぁ」
重蜜「けど、そうか。 そこまで言うなら、父さん、仕事に行ってくるよ・・・・・・」
アズマ「待って待って!」
アズマ「まだもうちょっと居ていいよ? まだ、ちょっとだけ時間あるからね!」
アズマ「お話してもいいよ!」
アニタ「ふふふ」
重蜜「おお、そうか! アズマは優しいな。それなら──」
重蜜「時間まで父さんと一緒に遊ぶか! そりゃっ!」
アズマ「うわわっ!!」
アズマ「お髭やめて〜!!」
重蜜「うりゃうりゃうりゃ〜! 立派なお髭だろ〜」
アズマ「いーたーいー!」
アニタ「あらあら、朝から元気なことですこと」
重蜜「そらそら、どうした? そんなんじゃ、父さんの腕からは逃げられないぞ〜?」
アズマ「も〜〜しつこい〜! おかーさんたすけてっ!」
アニタ「まったく・・・・・・」
アニタ「ほら、重蜜さん あまりやり過ぎると嫌われちゃうわよ」
重蜜「なんだ、この程度で根をあげるのか? まだまだヒョロっこいな、アズマは」
アズマ「も〜っ! お父さんは大人だからでしょ! あとお髭剃剃って!!」
重蜜「何を言ってるんだ 父さんのお髭はカッコイイだろ?」
アズマ「ジョリジョリが嫌っ!!」
アニタ「・・・・・・」
アニタ「そうね〜 ジョリジョリしてくる、意地悪なお髭は嫌ね〜」
重蜜「えっ」
アニタ「意地悪をするようなかっこ悪いお髭は、私も嫌いになっちゃおうかしら?」
重蜜「・・・・・・」
重蜜「そんなに嫌だったか? アズマ」
アズマ「嫌だった!」
アニタ「ね〜? ちょっとしつこかったわね〜」
アズマ「うん」
重蜜「そうか・・・・・・」
重蜜「ごめんな、アズマ 父さんやり過ぎた」
アズマ「むぅ・・・・・・」
アニタ「あら、ちゃんと謝ることができて、やっぱり格好良いお髭ね」
アニタ「アズマはどう思う?」
アズマ「・・・・・・」
アズマ「やり過ぎじゃなかったら、別にいい」
重蜜「許してくれるか、アズマ?」
アズマ「・・・・・・いいよ」
重蜜「!」
重蜜「ありがとう 父さん、これからは気をつけるな」
アズマ「ん」
アニタ「仲直りできて、アズマも格好良いわね 偉いわ」
アニタ「それじゃあ、そろそろお父さんにいってらっしゃいしましょうか」
アズマ「え、もうそんな時間?」
重蜜「おお、少し遊びすぎたみたいだな」
重蜜「じゃ、父さんは仕事に行ってくるな 今日も一日元気に過ごせよ、アズマ!」
アズマ「うん! いってらっしゃい!」
アニタ「いってらっしゃい、重蜜さん」
アニタ「お仕事、頑張ってね」
重蜜「おう」
  ────バタン
アニタ「さあ、アズマもそろそろ着替えてらっしゃい」
アズマ「え? なんで? 今日は学校お休みだよ?」
アニタ「あら、忘れちゃったの? そのためにお父さんを早くお仕事に行かせたかったんでしょ?」
アズマ「あ! そうだった!」
アズマ「すぐに着替えてくるね! そしたら──」
「作戦会議だ!/作戦会議ね!」

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