修練者の異世界転生

七霧孝平

第一話 ヤマト 転生!(脚本)

修練者の異世界転生

七霧孝平

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〇岩山
ヤマト「ふっ! はっ!」
ヤマト「おおおっ!」
ヤマト「ふう・・・」
ヤマト「この山で修行を始めて、 はや10年・・・」
ヤマト「俺は今、どれ程の実力だろうな」
ヤマト「そろそろ一度、 山を降りてみるのもいいかもな」

〇怪しげな山小屋
ヤマト「ゴホッ! ゴホッ・・・!」
ヤマト「まさかこのタイミングで 風邪を引くとは・・・」
ヤマト「熱も下がらん・・・」
ヤマト「この10年、 風邪など縁がなかったというのに」
ヤマト「・・・かはっ!」
ヤマト「・・・血?」
ヤマト「おいおい・・・。 これはまずいかもな・・・」

〇怪しげな山小屋
  数時間後、
  ヤマトは亡くなっていた。

〇幻想空間
ヤマト「・・・」
ヤマト「ここは・・・」
ヤマト「そうか、俺は死んだのか・・・」
ヤマト「・・・」
ヤマト「ふっざけんな!」
ヤマト「せっかくここまで鍛えてきたのに!」
ヤマト「まだ自分が最強かもわからねえ!」
ヤマト「こんなのがあるか!」
ヤマト「こんなのが・・・あるかよ・・・」
ヤマト「な、なんだ・・・!? この光は!?」
ヤマト「う、うおおっ!?」

〇寂れた村
ヤマトの母「ヤマト。こんなところにいたの」
ヤマト「・・・」
ヤマトの母「もうすぐお昼よ。 戻ってらっしゃい」
ヤマト「はい。母さん」
ヤマト「・・・」
ヤマト(俺がこの世界に生まれてから 10年・・・か)
ヤマト(あの時、確かに大和 武人は死んだ)
ヤマト(だが気づいたら赤ん坊になって この世界に生まれていた・・・)
ヤマト(聞いたことがある、 異世界転生ってやつなのか・・・?)
ヤマト(だけどそんなことよりも・・・)

〇古民家の居間
ヤマトの母「おかえりなさい、ヤマト」
ヤマト「・・・ただいま」
ヤマト「ねえ、母さん」
ヤマトの母「なに?」
ヤマト「どうして俺は 学校に行けないの?」
ヤマトの母「・・・何度も言ってるでしょ」
ヤマトの母「あなたの魔力が 一般基準に達してないからよ」
ヤマト(魔力・・・)
ヤマト(この世界で誰もが持ってる力・・・)
ヤマト(転生した俺だが、 その魔力とやらはたいしたことが なかったらしい)
ヤマトの母「普通の子供が100ある魔力。 でもあなたは半分の50ほど・・・」
ヤマトの母「イサノウ王国学園は 魔力がない者は入れてくれないのよ・・・」
ヤマト「・・・」
ヤマト(イサノウ王国。 俺の今いる国の名前)
ヤマト(魔力がない者は、役に立たない者。 そんな教えが広まる国)
ヤマト(面白いじゃないか。 壊してやるよ。そんな教え!)

〇けもの道
ヤマト「いい森だ・・・」
ヤマト「山とは違うが修行のやりがいがある」
ヤマト「・・・」
ヤマト「はっ!」
ヤマト「・・・威力がまだまだだな」
ヤマト「やはり基礎鍛錬からやり直しか」

〇古民家の居間
ヤマト「ただいま」
ヤマトの母「ヤマト!? どうしたの、ボロボロじゃない!」
ヤマト「・・・ちょっとね」
ヤマトの母「ちょっとって・・・」
ヤマトの母「何してたの! 正直に言いなさい!」
ヤマト「・・・修行」
ヤマトの母「え?」
ヤマト「修行だよ」
ヤマトの母「修行・・・?」
ヤマト「魔力は変わらないんでしょ。 知ってるよ」
ヤマトの母「ならなんで・・・」
ヤマト「俺にはこれがある」
  ヤマトは拳を強く握った。
ヤマト「母さん、見てな」
ヤマト「俺がこの拳で、 国を変えてやるよ」
ヤマトの母「変えるって・・・」
ヤマトの母「馬鹿なこと言ってないで、 風呂に入ってきなさい!」
ヤマト(信じないよな、まあ)
ヤマト(だけど、信じさせてやるよ。 まずはこの村からな)

〇寂れた村
  一週間後・・・
高位魔術師「これより、村対抗試合のための 出場者を決める」
高位魔術師「ルールは特になし。 私が止めるまでとする」
ヤマトの母「ヤマト、本当に出場する気?」
ヤマト「そうだよ、まあ、見てろって」
高位魔術師「出場者は・・・」
高位魔術師「2人だけ? しかも片方は子供・・・」
高位魔術師「ヤマトくん、だったね。 一応聞くが出場するのかね?」
ヤマト「そうだって!」
村のエリート「やめたほうがいいよ、ボク」
村のエリート「お兄さんはスーパーエリート。 いずれこの村から羽ばたく存在さ」
村のエリート「ケガをしないうちにお帰り」
ヤマト「言ってろ、おっさん」
村のエリート「おっさ・・・!?」
村のエリート「わかった。ならやろうじゃないか」
村のエリート「魔術師殿! 試合開始の合図を!」
高位魔術師「あ、ああ」
高位魔術師「では・・・。 試合、開始!」
村のエリート「ちゃちゃっと終わらせるよ」
ヤマト(やはり魔法! けど──)
ヤマト「はっ!」
村のエリート「がっ!?」
高位魔術師「・・・」
ヤマト「おじさん?」
高位魔術師「はっ!? しょ、勝者、ヤマト!」
村人たち「嘘だろ・・・」
村人たち「え、てか今、何が起きた?」
高位魔術師「ヤ、ヤマトくん。今のは・・・」
ヤマト「ただのパンチだけど?」
高位魔術師「こ、拳で・・・?」
ヤマト「そう。 おじさんも一発、試す?」
高位魔術師「い、いや、遠慮しておく・・・」

〇寂れた村
  その日、
  ヤマトがエリートをふっ飛ばしたことは
  すぐに村中に広まった。

〇寂れた村
ヤマトの母「行くのね、ヤマト」
ヤマト「ああ」
高位魔術師「・・・ずいぶん大人びた子ですな」
ヤマトの母「前はそうでもなかったんですが・・・」
ヤマト「おじさん。 俺の次の相手は?」
高位魔術師「君はここ、南村の代表となった。 次は別の村の代表と闘うことになる」
高位魔術師「おそらく東村の代表だろうな」
ヤマト「そうか。楽しみだぜ」
ヤマト(さあ行くぜ次の相手!)
ヤマト(どんな魔法使いだろうと──)
ヤマト(俺の拳で決めてやるよ!)

〇けもの道
ヤマト「東村に向かうのか?」
高位魔術師「うむ。 正確には南村と東村の境だな」
高位魔術師「そこで、東村代表と闘うことになる」
ヤマト「楽しみだ」

〇村の広場
ヤマト「ここか? 人が誰もいないが・・・」
高位魔術師「今回、試合場所に指定されているが ここはもう廃村なのだ」
ゴブリン「ガアアッ!」
高位魔術師「むっ、魔物!」
高位魔術師「ヤマトくん。下がっていなさい。 ここは私が──」
ヤマト「いや、俺がいく──」
???「やああっ!」
ゴブリン「ぎゃあっ!?」
ヤマト(今のは・・・拳か!? かなり速い!)
アンナ「ふふっ。大丈夫? そこの2人」
高位魔術師「君は・・・」
ヤマト「あ・・・杏奈!?」
アンナ「ん? どこかであったかな、少年?」
ヤマト「・・・」

〇田舎の学校
  転生前。
  ヤマト、少年時代・・・
ヤマト「やめろよー! 杏奈!」
アンナ「ふっふ〜ん。 嫌ならお姉さんから一本取ってみなさい」
ヤマト「勝てるわけないだろ、デカ女!」
ヤマト(杏奈・・・。 俺の幼なじみで近所に住む姉貴肌)
ヤマト(成績優秀。スポーツ万能。 ・・・おまけに格闘技はプロ級だった)

〇田舎の学校
ヤマト「杏奈が・・・死んだ?」
ヤマト(突然の情報に、 当時、俺は頭が真っ白になった)
ヤマト「な、なんでだよ・・・なんで!?」
ヤマト(杏奈は、昔、試合で倒した男の逆恨みで 暴漢たちに襲われたとのことだった)
ヤマト(直接見たわけじゃなかったが、 後で見た杏奈の死体はそれは酷かった)
杏奈の母「ヤマトくん。杏奈の遺言があるの」
ヤマト「な、なに?」
杏奈の母「『わたしの変わりに最強になって』」
ヤマト「!!」

〇幻想空間
ヤマト「それが・・・ 俺が最強を目指すきっかけだった・・・」

〇村の広場
ヤマト「・・・」
高位魔術師「ヤマトくん?」
アンナ「少年?」
ヤマト(杏奈に似ている・・・。 けど杏奈じゃない・・・のか?)
アンナ「魔術師さんがいるってことは・・・ もしかして少年が南村代表?」
ヤマト「あ、ああ・・・」
アンナ「すごーい! わたし『アンナ』! よろしくね!」
ヤマト「アンナ・・・。 じゃあ、あんたが・・・」
アンナ「そう! 東村代表! よろしくね、少年!」

次のエピソード:第二話 激闘! ヤマト対アンナ!

コメント

  • 拳で未来を切り開く!
    いいですね!熱い!
    どうなるか楽しみです!

  • こんにちは!転生物はたくさん見ますが仲のいい人が先に転生していたのは驚きです!いや、あんなさんなのかそれとも??

    体をずっと鍛えていたヤマトの実力が見れるの楽しみです!

  • こんはんば!

    魔力がないと学校にも通えない世界で、拳のみの強さで成り上がっていこうとするヤマトの姿に魅力を感じました!

    そして、なぜ強くなろうとするのかも明らかになるのと同時に、その要因となった人の登場に今後こ展開が気になり、とても読み応えのある内容でした!

    第二話も読ませていただきます!

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