唐揚げ(脚本)
〇古いアパート
慎太郎「け・・・惠・・・ マジなの・・・?」
優しい恋人の顔を振り返り
体が固まった。
「吉田ぁ・・・・・・・・・」
「お前は・・・ いつも俺の邪魔ばかりするっ・・・っ!」
怒気に彩られた惠の重く低い声が
唸る。
「俺の・・・っ!俺のしんちゃんにいつも!!」
ざわ・・・っ
慎太郎「・・・・・・あっ・・・っ!!」
「け・・・っ!惠!!!!! とりあえず部屋入んぞ!!」
〇古いアパートの部屋
「・・・・・・・・・」
惠「・・・・・・・・・」
惠「無理ならもういい・・・ 吉田ころして俺もしんちゃんと死」
慎太郎「待て待て待て!!! とりあえず話してくれって!!」
吉田「・・・とりあえずご飯でも食べに行って 話さない・・・?」
吉田「お腹空いてたらギスギスするしね」
惠「・・・チッ しんちゃんの前で いい子ぶりやがって・・・」
慎太郎「惠!!お前いい加減にしろよ!!」
〇安アパートの台所
「・・・」
〇安アパートの台所
惠「・・・俺が作る・・・」
惠「しんちゃんの大好物の・・・」
唐揚げ・・・
慎太郎「・・・」
慎太郎「・・・うまい! こんな時でも惠の唐揚げ美味くて 笑っちゃうな!」
惠「・・・しんちゃん・・・」
話を聞かないことには何もわからないが
めそめそと俺にしがみつく惠が可愛い
吉田「えっと・・・ 凄い美味しいよ惠くん」
惠「・・・チッ・・・・・・」
吉田(舌打ち〜!)
吉田「・・・」
吉田「しんちゃんはこんな美味しいの毎日食べれて 幸せだな〜・・・」
惠「・・・・・・」
スッ・・・
惠「・・・好きなだけ食べたら・・・」
吉田(わっ・・・ わかりやすいし素直じゃない!!)