クリスマスにやって来た慌てんぼうのサンタクロースは学校一の美少女だった!?(脚本)
〇男の子の一人部屋
ガタッ!
ケンスケ「んんっ・・・、なんだ?」
「やばっ!起きた!?」
物音で目が覚めると、そこにはサンタの格好をした女の子がいた
ケンスケ「えっ、何、痴女!?」
イブ「違うよ!見たらわかるでしょ!」
イブ「サンタクロース!」
ケンスケ「サンタって・・・って、イブ!?」
サンタの格好に扮していたのは、学校一の美少女と名高いイブだった
父親がフィンランド人のハーフというのは有名だが・・・、
ケンスケ「いくらなんでも不法侵入して、サンタのコスプレは・・・」
イブ「コスプレじゃなくて本物のサンタなの!」
ケンスケ「それ言っていいの?」
イブ「あっ・・・!」
言ってはいけないようで、イブは慌てて口を押さえていた
イブ「このことは内緒ね!じゃあこれプレゼント!バイバイ!」
慌ただしいサンタクロースは、プレゼントだけを置いて消え去っていった
ケンスケ(本物・・・な訳ないよな?)
〇学校の廊下
翌日・・・、
イブ「ねえ、ちょっといいかな?」
ケンスケ「えっと・・・、何?」
イブ「用件はわかるでしょ?」
イブ「いいから来て!」
強引なイブによって、俺は屋上に連れていかれた
〇学校の屋上
イブ「昨日のこと言わないでね?」
ケンスケ「言うつもりないよ・・・」
ケンスケ(・・・というか、夢じゃなかったのか)
非現実的なことに、俺は夢だと思い込もうとしていた
しかし、やはり昨日、イブが俺の家に来たのは夢なんて都合のいいことはなかった
イブ「実は、私の家・・・というかお父さんの家って代々サンタクロースの家系なの」
ケンスケ「へえ、そうなんだ」
ケンスケ(なんだそれ・・・)
イブ「あ、信じてないね? それなら証拠見せるよ」
そう言うと、イブは指笛を吹いた
ケンスケ(と、トナカイ!?)
イブ「どう?信じた?」
ケンスケ「う、うん・・・」
どうやらイブの言うことは本当らしい
イブがもう一度指笛を吹くと、トナカイは空に帰っていった
ケンスケ「自由自在なんだね」
イブ「すごいでしょ!」
イブ「それでさ、サンタクロースの代々の掟があるんだけど・・・」
ケンスケ「うん?」
イブ「正体知られた相手と結婚しないといけないんだよね」
ケンスケ「えぇっ!?」
イブ「だから責任とって!」
ケンスケ「正体知られたのってイブのミスじゃん! そんな無茶苦茶な!」
イブ「結婚してください!」
ケンスケ「そんな急に・・・無理だよ!」
イブ「お願い!じゃないと一族から追放されちゃうから!」
ケンスケ「えぇ・・・」
ケンスケ(・・・でもイブと結婚って、アリかもしれないな)
イブはおっちょこちょいなところはあるが、学校一と呼ばれるだけあって可愛い
俺みたいな人間が生きていく中で、結婚できることなんて奇跡に近い話だ
ケンスケ「・・・お友達からお願いします」
イブ「プロポーズ待ってるね!」
こんな感じで、俺とイブは付き合い始めることとなった
〇空
それからしばらく月日は流れ・・・、
〇男の子の一人部屋
ケンスケ(今日はクリスマスだ 今年もイブは来るんだろうか?)
もう高校3年生だ
去年来たことも驚きだったが、この年で来るとは思えなかった
それでも期待している自分がいた
〇男の子の一人部屋
俺は早めに布団に入る
すると物音が聞こえた
枕元で音が止まると、俺は静かに目を開ける
イブ「わっ!また起きたの!?」
ケンスケ「いや、起きてた」
イブ「なんで!?」
ケンスケ「・・・待ってたから」
イブ「なんで!?!?」
来るかもわからないイブを待っていたのだから、その反応も当然だ
待っていたのには当然理由がある
ケンスケ「プレゼントがあるんだ」
イブ「・・・私がサンタなのに?」
ケンスケ「ああ、イブに渡したい」
ケンスケ「受け取ってくれないか?」
俺はそう言って、手のひらに乗るくらいの小包みを渡した
イブ「何これ?」
ケンスケ「開けてみて」
イブが包装を開けていく
イブ「えっ・・・!」
イブ「これって・・・」
ケンスケ「・・・結婚しよう」
俺が渡したのは一粒の宝石がついた指輪だった
もちろん高校生の俺に本物は渡せないため、似せたような安物だが
ケンスケ「この一年でイブのことが好きになった」
ケンスケ「結婚したいと思った」
ケンスケ「・・・だから去年の話が有効なら、俺と結婚してください」
イブ「・・・・・・・・・・・・」
イブ「ふふっ」
ケンスケ(笑われた!?)
イブ「ありがとっ! 嬉しい!」
そう言ってイブは俺に抱きついた
ケンスケ「わっ!ちょっ!」
イブ「ケンスケ! 大好きだよ!」
イブ「ケンスケは私にとってのサンタさんだね!」
〇空
家に慌てんぼうのサンタクロースが来た結果・・・、
学校一の美少女と結婚することとなった
棚から牡丹餅とはこういうことをいうのかもしれませんね! きっと彼が素直な良い子だからこういう奇跡も起こったんでしょうね。純粋な心に彼女の矢がささりましたね。
結果的にすごいプレゼントをくれたサンタクロースだったわけですね。
次の年に寝ずに待っててプロポーズ…ってロマンティックです!
すごくキュンします!
羨ましい。実に羨ましい。可愛い子がサンタクロースで、しかも、結婚を迫っているならすぐに結婚しましょうよ。私の家にも来ないかな。おじさんだけど。