最終話 『シリアルキラー』(脚本)
〇雑居ビル
通行人A「なんか警察官多くない?」
通行人B「確かに。 アメリカの大統領でも来るのかな?」
〇黒
この街で、あたしは一体何人の人間を手にかけてきただろう
〇地下道
佐川アリス「ハァ・・・ハァ・・・!」
そして、あと何人の人間を手にかけるだろう
〇黒
悪魔のアリス
最終話『シリアルキラー』
〇テントの中
新井和樹「佐川アリスは、まず間違いなく下水道を移動していると思われます」
犬伏徹「・・・・・・」
武田静香「下水道の全ての出入り口は封鎖してある。 閉じ込めたという認識でいいのよね?」
新井和樹「はい。こちらを見てください」
新井和樹「この周辺の地下は、この7つ以外に地上へ出るルートはありません」
武田静香「・・・・・・」
新井和樹「周辺5㎞には300人体制で警察官を配備しています」
新井和樹「どこにも佐川アリスの逃げ場はありません」
武田静香「ローラー作戦で行きましょう」
武田静香「7つの出入り口から各ルート複数人体制で中央に追い込みなさい」
新井和樹「かしこまりました」
犬伏徹「僕も行きます」
武田静香「ダメよ。あなたは休んでいなさい」
新井和樹「そうだ。お前、昨日から休んでないだろ?」
犬伏徹「行かせてください」
犬伏徹「これは僕がやらなくちゃいけないことなんです!」
新井和樹「犬伏・・・」
〇地下道
アリスが走ってやってくると、正面には複数の警察官たちが見える。
見つけたぞ! こっちだ!
佐川アリス「・・・っ!」
〇地下道
新井和樹「犬伏! 今無線で──」
犬伏徹「ああ。聞いてたよ。Aエリアだろ」
新井和樹「佐川アリスらしき人物を見かけたと」
犬伏徹「ここの隣のエリアだな」
新井和樹「このまま進めば、遭遇する可能性が高い。 覚悟はいいか?」
犬伏徹「ああ・・・!」
〇地下道
この先だ! 急げ!
佐川アリス「この声、犬伏か・・・」
佐川アリス「お前にはずいぶん楽しませてもらったよ」
〇地下道
犬伏徹「佐川アリスはどうした!? ここで挟み撃ちできたはずだろ!?」
女性警察官「あちらを見てください。通路があります」
犬伏徹「これは──」
女性警察官「ここしか道はありません」
女性警察官が指差す方には、先の見えない暗い通路が広がっていた。
犬伏徹「そうか・・・この先か」
新井和樹「いや、でも待て」
犬伏徹「?」
新井和樹「この先のルートは記載がない。 地図に載ってない通路だ」
犬伏徹「虎穴に入らずんば虎子を得ずだ。行くぞ!」
女性警察官「・・・・・・」
〇地下広場
犬伏徹「ここか・・・!」
下水道の行き止まりには、大きな石扉が立ちふさがっていた。
犬伏徹「いいか、準備をしろ。 ここで確実に捕まえるぞ」
犬伏が警察官たちに合図を送ると、彼らは力強く頷いた。
犬伏が石扉に手をかける――
〇秘密基地のモニタールーム
犬伏徹「手を上げろ!!」
犬伏徹「なんだこれは・・・! なぜ地下にこんなものが・・・」
新井和樹「これは・・・この街の、あらゆるカメラの映像が映っているのか」
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