勤め先のカフェは悪の組織支部店です

小夜紅テルン

【第9話】結葉と修と二人の幹部です。(脚本)

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〇洋館の廊下
  ここまでのあらすじ
  二人の幹部、フレユールとジャルジーが喧嘩している所を見てしまった結葉。
  結葉はジャルジーに話を聞くことにしたけれど、最初は興奮気味で話が通じそうにもない。
  それでも少しずつ話をしていくうちに落ち着いてきたジャルジーは、自分が常に怒ってばかりのことを反省し始める。
ジャルジー「・・・私とフレユールはね、幼馴染なの」
甘咲 結葉「幼馴染なんですか!? じゃあなんであんなに・・・」
ジャルジー「あいつはいつもうじうじしてて、引っ込み思案で。私がいなきゃ何もできないような奴だったのよ」
甘咲 結葉「なるほど・・・」
ジャルジー「でも、フレユールはどんどん成長して、最近は物怖じせずに戦闘員にも話しかけられるようになってるの」
ジャルジー「・・・あまりにも楽しそうに話すから、 私よりも他の人と話す方が楽しいんじゃないかって」
ジャルジー「・・・要するに嫉妬よ」
甘咲 結葉「ジャルジーさんは・・・ フレユールさんのことが好きなんですね」
ジャルジー「は!? なんで!?」
甘咲 結葉「そこまで大切に思っているなんて・・・ ただの幼馴染ではそこまでは思えません」
甘咲 結葉「きっとジャルジーさんはフレユールさんのことが大好きだから嫉妬しちゃうんですよ」
ジャルジー「・・・・・・」
ジャルジー「そうかもしれないわ」
ジャルジー「・・・大好きだから嫉妬しちゃったのね それであんなに怒ってばかりで・・・」
甘咲 結葉「でも分からなく無いですよ 私も嫉妬とか沢山しますし」
甘咲 結葉「大好きの感情って、いい面でも悪い面でも人の感情を動かしますよね」
ジャルジー「・・・そうね 次フレユールに会ったら、謝ってみるわ」
甘咲 結葉「是非そうしてください!!」
ジャルジー「・・・ありがと 話したら楽になったわ」
ジャルジー「私は部屋に戻るわね 作業があるの」
甘咲 結葉「手伝います!!」
ジャルジー「えっ!?ちょ、何で!? 手伝わなくて良いわよ!!」
甘咲 結葉「でも、早く終わったほうがいいですよね?」
ジャルジー「あんたカフェの店員でしょ!? カフェに戻らなくていいの!?」
甘咲 結葉「休憩時間中なので!!」
ジャルジー「ちょっと、やめて!!ずいずい迫って来ないで!!部屋に入らないで!!」
甘咲 結葉「あ、すみません・・・」
ジャルジー「全くもう・・・」

〇ストーカーの部屋
ジャルジー「・・・疲れたわ こんな部屋見せられるわけないじゃない」
ジャルジー「・・・でも、あの結葉って子・・・ 素直でいい子ね」
  ジャルジーの心に、少しの余裕と慈しみが生まれた瞬間だった。

〇闇カジノ
  一方その頃、修はというと・・・
四島 修「こんなところもあったんだ・・・ ゲームセンターっていうか、カジノっていうか、って感じだな」
四島 修「誰もいなそうだし、ちょっとダーツしてみようかな?」
四島 修「なーんて・・・」
フレユール「・・・・・・」
四島 修「うわぁ!?」
四島 修「い、いつからそこに!?」
フレユール「誰もいなそうだし・・・って所からかな」
フレユール「その・・・カフェの、人?」
四島 修「あ、はい そうです」
フレユール「お礼を言いたいんだ・・・ その・・・励まされたから」
四島 修「励まされた? いや、僕は・・・」
フレユール「あ、いや、違うんだ・・・ その、女の人に・・・励まされたんだ」
四島 修「結葉さんが?」
フレユール「うん・・・ 僕のこと、強いねって その・・・ありがとう」
四島 修「いやいや、僕は何も」
フレユール「そうだね・・・キミは何も」
四島 修「ちょっ!?」
四島 修「・・・まぁ実際そうなんですが・・・」
四島 修「・・・そうだ、結葉さんから聞いたんです ジャルジーさんと喧嘩したんですか?」
フレユール「け、喧嘩・・・? いや、その・・・」
フレユール「・・・そうかもしれないです・・・」
フレユール「僕はいつもオドオドしてて・・・ それで、イライラさせたのかもしれない・・・」
フレユール「・・・嫌われちゃった、かな」
四島 修「そんなことないと思います」
フレユール「・・・?」
四島 修「防衛機制というものがあり、その中に反動形成というものがあるんです」
四島 修「受け止めたくなかったり認めたくなかったりするものに対して真逆のことをしてしまう、それが反動形成で」
四島 修「もしかしたら、ジャルジーさんは貴方を好きだけど本当に好きか分からなくて認めたくないから怒ってしまうのでは?」
フレユール「・・・防衛機制・・・反動形成・・・」
四島 修「・・・心理の勉強でかじっただけの知識なんですけどね」
フレユール「ううん、それでも嬉しい そっか・・・ジャルジー、僕を嫌っちゃったんじゃないんだね」
フレユール「ありがとう」
四島 修「いやいや、僕は何も」
フレユール「ううん、僕の相談に乗ってくれて本当にありがとう」
四島 修「・・・こちらこそ!!」
  こうして結葉とジャルジー、修とフレユールはそれぞれ友情を育んだ。
  さて、ジャルジーとフレユールは無事に仲直りできるのか。
  続く

次のエピソード:【第10話】甘くて酸っぱい仲直りです。

コメント

  • フレユールさんとジャルジーさん、とっても可愛い恋愛(!?)模様ですね。見ていてニヤニヤしてきます。……この2人が組織の幹部だというのを忘れかけてしまいましたww

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