【第十話】勇者として(脚本)
〇養護施設の庭
天界長「君たちか、訪問者というのは」
天使ミア「天界長! 長らく戻らずに、すみませんでした」
天界長「ミア、無事だったのか」
天使ミア「はい、うっかり大穴に落ちてしまって・・・・・・戻れなくなってしまったんです」
勇者マーキス「王が天使に危害を加えた訳では無いことが、これで分かってもらえましたか」
勇者マーキス「誤解は解けたでしょう。早く、王を解放して頂きたいものですね」
天界長「君は、呪われているのか。しかも、その呪い・・・・・・何処かで」
勇者マーキス「王は、何処にいるのですか」
天界長「その、檻の中に居る」
勇者マーキス「話が早くて、助かります」
王ジョージ「な、其方は勇者じゃないか」
勇者マーキス「ええ、そうです。貴方を、助けに来ました」
王ジョージ「だが、私は・・・・・・」
勇者マーキス「もうっ、細かいことは言いっこ無しだよ。とりあえず、鍵を開けるから」
勇者マーキス「えーと、鍵は・・・・・・あった! これで、開けられるはず」
高橋 美穂「勇者、後ろ!!」
勇者マーキス「へ」
勇者マーキス「ちょっと、危ないな・・・・・・誰の仕業」
天界長「貴様のその手に持っている剣、一体何処で手に入れた」
勇者マーキス「っ・・・・・・」
勇者マーキス「あの・・・・・・祠で、偶然見かけたんですけど」
天界長「その剣が、聖剣だということを知ってのことか」
勇者マーキス「いや、全然。呪われた剣だと、思ってた」
天使ミア「聖剣・・・・・・ですって」
高橋 美穂「ミアちゃん、何か知っているの」
天使ミア「ええ、それは天使すらも屠ると言われている剣」
天使ミア「天界長が、その存在を恐れて封印したはずの剣なのです」
高橋 美穂「な、何ですってー」
天界長「どうやって封印を解いたのか、ましてや呪いを受けて尚生きているのかは知らないが」
天界長「今すぐ、その剣を手放せ! そうすれば、命は見逃してやる」
勇者マーキス「いや、それが駄目なんだよ。手放そうとしても、剣が手から離れなくてさ」
高橋 美穂「あー、成程。だから、いつも肌身離さず剣を持っていたのね」
天使ミア「警戒心が強いんだな・・・・・・とか、思っていました」
天界長「なら、貴様の魂ごと燃やし尽くすだけだ」
勇者マーキス「く、反応が遅れた! このままじゃ」
天界長の振るう剣先が、俺の身体に触れそうになる。
だがその剣は、高い金属音と共に硬い鱗に弾かれた。
オーシュ「ガルルルル」
天界長「な、竜人か」
勇者マーキス「まさか、その姿・・・・・・オーちゃんなのか」
高橋 美穂「えー、オーちゃんいつの間にあんな姿になっちゃったの」
天使ミア「何か、可愛いというより格好良い! これも、アリです」
天界長「ただの、竜人じゃないな・・・・・・これは、劣勢か」
天界長は、何やら考え込むような仕草をする。
永遠に思われるような静寂の後、彼は厳かに口を開いた。
天界長「降参だ。これ以上、こちらに戦闘を続ける意思は無い」
勇者マーキス「分かって貰えて、助かります」
天界長「王を連れていけ。これ以上、私は地上に干渉しない」
高橋 美穂「ちょっと、謝るぐらいしなさいよね。地上に、迷惑を掛けたんだから」
天使ミア「しっしー! 天界長はプライドが高いですから、絶対に謝りませんよ」
高橋 美穂「まあ、いっか。問題はとりあえず、解決したわけだし」
勇者マーキス「それじゃあ、皆・・・・・・地上に帰るよ」
天使ミア「じゃあ、行きますよー! せーの」
〇教室
それから、世界には再びの平和が訪れた。
勇者と天使とオーちゃん・・・・・・それに、私もそれぞれの生活に戻っていく。
・・・・・・はずだった。
勇者マーキス「はっはは。良きかな良きかな」
天使ミア「やっぱり、平和が一番ですね」
オーシュ「ガル」
私の慌ただしい日常は、もうしばらく続きそうだ。
カオスな教室が楽しそうで何よりです……!😄
おっちゃん(オイこら)の成長早いですね?!
TNCの子たちがわちゃわちゃ賑やかとしていてほっこりでした😆
なんやかや和平に導くマーキスさん、さすが勇者、そしてその手腕、ですねっ!
第6話の、筋肉無いけど筋肉痛というのが個人的にめちゃめちゃツボでした。