断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

27話 無駄になるから(脚本)

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〇華やかな裏庭
ワヌゥレン・シィゼルヴェン(やっと守れると思った。昔みたいに、そばにいて支えられる──支えてみせるって、思ってた)
ワヌゥレン・シィゼルヴェン(もう、あいつは守られる必要もないくらい強い 俺があいつを守るために、必死になって手に入れてきたものは全部無駄だったんだ)
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「本当にあほくせぇな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレン・・・!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「どうしたルゥラッハ? アゥルペロはずっとお前を待ってたんだぜ、そばにいてやれよ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレン、一緒に来てくれないか?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ありがとう。一緒に行きたいけどさ、これでも俺は大公の息子だからな。帝国を出ることはできないぜ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレン、どうしてずっと俺の味方でいてくれたんだ? 俺とお前は魔法学校で会ったばかりの、友だちだろ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「どうしてそんなに、俺のことを・・・大事にしてくれるんだ?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「初めての友だちだったからだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そ、それだけ?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「俺にとっては重要なことなんだよ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ほら、風邪引くぞ。中に入ろうぜ」

〇城の廊下
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「寒くないか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「う、うん・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレン、悲しんでる?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・!!」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「な、何でそんなこと──」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「アゥルペロが、悲しんでるって教えてくれたんだ、だから俺も心配で来たんだ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「確かに、悲しい・・・のかもしれない」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「お前を守りたかった。お前を守れなかったあの時からずっと・・・守ってやりたかった」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「遅くなったけど、やっとお前を守れるって思ってた、でもそれは勘違いだった。お前はもう守られるほど弱くないし──」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「俺以外の別の誰かに守ってもらうこともできる」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「俺の権力が使えるのは、帝国の中だけなんだ。それ以上外に出たら、俺に力なんてないんだよ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「帝国を出たらさ・・・お前を守るために、必死になって手に入れたもの全部が、無駄になっちまうんだ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「俺は、結局お前を守れない・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「いつから、守ろうとしてくれてたんだ?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「友だちになって・・・お前が泣き始めた頃からかな」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(泣き始め・・・?)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(ワヌゥレンの前で泣いたことなんてない。それに、泣いたのなんて、あの頃くらい・・・)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「・・・!?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレン・・・? もしかしてお前、昔俺と友だちなってくれた人なのか?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「覚え・・・てるのか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「覚えてるに決まってる──!! 俺はその人のおかげで、どんなに苦しくても耐えられたんだ・・・!」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「守れなかったなんて言わないでくれ ワヌゥレンが俺を守ってくれたんだ。あの時、お前が守ってくれたから、俺は強くなれたんだ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「そうか」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・そうか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ワヌゥレン──」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「一緒に、行ってもいいか?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「で、でも・・・大公とか、他の友だちとか・・・は? お別れすることになるぞ?」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「俺の人生の半分はお前で出来てるんだ お前がいなくなる生活なんて、考えられない」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そうか・・・来てくれるなら、助かるよ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「・・・行くよ、どこにだって」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「そろそろ、戻ろうぜ アゥルペロが待ってる。怒られるのは俺なんだから」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「うん、戻ろう」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ルゥラッハ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「何かあったら言えよ、例え力がなくなっても、支えることならできると思うからさ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「これからも、お前を守らせてくれよ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとう、ワヌゥレン ワヌゥレンがそれでいいなら、そうしてくれ」
ワヌゥレン・シィゼルヴェン「ああ、そうするわ」

次のエピソード:28話 急に増えると焦る

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