エピソード2 ダンジョンと夢の中(脚本)
〇インターネットカフェ
ファイナルアップルクエスト
そのゲームをし、夢を見れば
何か思い出せるかも知れない
謎の青年「ファイナルアップルクエストですね 302号室になります ごゆっくりどうぞ」
アダム「なあ?おかしくないか? 毎回ゲームするたびに起きる停電 まるでゲームをさせないかのように 感じるんだが」
イブ「でも、リンゴ探しもあるし それに・・・早く何かを思い出さなきゃ 行けない気がするんだ」
アダム「それにあの男・・・毎回いるのも なんだが気持ち悪いんだがな」
イブ「店員さんだし、仕方ないよ とりあえず・・・続き始めよう 今日はナダルのダンジョンかぁ」
イブ(あれ? ナダルのダンジョンって 聞いたことがあるんだが・・・ なんでだ?)
アダム「ダンジョンか・・・ 攻略できるかな 学生たちが言うにはすごく広いマップと 敵も多いらしいぞ。 しかも、一人攻略らしいが」
イブ「と、とりあえずやってみようよ」
〇洞窟の深部
レベル5 「ナダルのダンジョン」
広いマップと魔物が徘徊する。
勇者は一人
次の街を目指していた
勇者(広すぎるわ・・・ それに、このレベルで 私一人で行けるのかしら。 でも、フォーチュンアップルを 探さなきゃ!?)
勇者「れ、レベル10モンスターですって!」
勇者「防御力が高すぎて 剣の攻撃が通じない!」
勇者「こ、このままじゃあ・・・やられる!」
魔法使い「ウォータースピア!!」
魔法使い「はぁはぁ お怪我はないですか?」
勇者「ありがとう、助かりました。 私一人じゃあ、 レベル10モンスター相手には 何もできなくて」
魔法使い「もしかして、あなたも魔王退治に?」
勇者「私は この世界にある フォーチュンアップルを 探す旅に出かけているのです」
魔法使い「なるほど、 では私もご一緒に同行しても よろしいでしょうか? このダンジョンは トラップも多いですし」
勇者「はい、ぜひお願いします」
魔法使い「・・・あなたのために力を尽くしましょう」
こうして、
魔法使いを仲間にし、
ナダルのダンジョンを攻略した勇者は
次の街へと向かうことになった
〇インターネットカフェ
イブ「魔法使いが仲間になるってことか アダム、なんか浮かない顔してない?」
アダム「・・・そうか? 私の気のせいならいいんだ」
イブ「なにそれ?」
アダム「ネカフェを教えてくれた少年がな これを使えば、攻略サイトが 見れるらしいんだ だが、必要はなかったみたいだな」
イブ(あれ?そういえば、 ナダルのダンジョン歩いた気が するんだけどなんでだろ・・・)
アダム「次の攻略サイトでも調べてみるか? せっかくだし・・・」
アダム(ん?こ、この気配は・・・まさか・・・)
アダム「あっつ!!」
イブ「アダム、大丈夫!!」
アダム「大丈夫だ・・・ 単なる・・・かすり傷だ・・・」
イブ「しかし、 最近・・・落雷がよく起きるよね」
アダム(やっぱり・・・おかしい・・・ 何者かが、先に進ませないとしているのか)
アダム「大丈夫だ、なんともない。 機械は壊れてしまったみたいだな」
謎の青年「お客さま、すみません。 先程、停電が起きたため 点検作業ということなので 恐れ入りますがご退場くださいますか」
アダム「・・・わかった・・・今日は帰ろう・・・」
イブ「あの、店員さん また来るんで、ちゃんと点検お願いします」
謎の青年「・・・はい、お待ちしておりますね・・・」
〇ホテルの部屋
イブ「とりあえず、今から寝たら また夢を見るのかな?」
アダム「・・・そうだな・・・ しかし、なんでくっついて寝るんだ?」
イブ「だって、手配ミスで シングルベッドじゃないとないって 言われたから ベッドこれしか・・・」
イブ「だから、殴らなくてもいいじゃないか」
アダム「お前は下の床で寝ろ! 私がベッドで寝る!」
〇時計台の中
そして、
僕たちは夢を見た
それは時計台の中にいる
魔王アダムと勇者がいた
魔王「今日も⋯また見つからなかったか⋯」
勇者「やっぱり、ここにいたのね また探してくれてたかしら?」
魔王「あのリンゴを食べれば、 願いが叶うと言ったのは お前だからな」
勇者「世界を滅ぼす魔王が たった一つのリンゴを探すために 村を滅ぼしてるなんてね 変なゲームよね」
魔王「相変わらず変わったことを言うな 勇者なら、 魔王を倒すのが楽しいはずだろ」
勇者「あれはゲームの話。 プレイヤーが勝手に 勇者は魔王を倒すって話を作ってるだけ」
魔王「お前はなぜ、あのリンゴを探す?」
勇者「それは・・・あなたは・・・ 私の・・・」
〇寂れた村
勇者 子供「・・・ねぇ?! ・・・今日はいないの・・・?」
魔王 人型「・・・娘、またお前か・・・ なぜ、我を呼ぶ?」
勇者 子供「やっぱり来てくれたのね 待ってたんだよ」
魔王 人型「お前は我が怖くないのか?」
勇者 子供「怖い? あなたは優しい人じゃない! だって、あなたは私を助けてくれたのよ」
魔王 人型「我が助けただと?」
勇者 子供「あなたがくれたあのリンゴ、 毒リンゴだったのね おかげでママ死んじゃったの!」
魔王 人型「・・・お前は母が死んで、喜んでいるのか?」
勇者 子供「・・・そうよ!だって、 アレは私のママじゃないから。 ホントのママはいないから・・・ だから、あなたには感謝してるの」
勇者 子供「ねえ?あなた、魔王でしょ? この世界にあるフォーチュンアップルを 探してほしいの?」
魔王 人型「フォーチュンアップル・・・なんだそれは?」
勇者 子供「願いが叶う奇跡のリンゴ。 そのリンゴを食べたものは願いが叶うって」
魔王 人型「・・・お前の願いは・・・なんだ?」
勇者 子供「・・・それはまだ内緒・・・ だからリンゴを探してほしいの」
〇時計台の中
勇者「あれから探してるんだけど まだ見つからないのよね」
魔王「・・・わからぬ・・・ お前の望みはなんなのだ・・・」
勇者「それはまだ内緒って 言ってるでしょ まぁ、勇者のように リンゴを探す旅をしてるだけかもね」
魔王「勇者らしからぬ発言だな 勇者は魔王を倒すのが目的だろ? そんな我にリンゴを探せとは・・・」
勇者「リンゴを探す魔王が世界を滅ぼし 私がそれを追っていくなんて ロマンチックじゃない?」
魔王「まるでお前のほうが 魔王に見えてくるぞ」
勇者「ねぇ?知ってる? リンゴを食べた男と女が 恋に落ちる神話があるの もし、見つけたら、 私と一緒に食べない?」
魔王「そんなに近づいたら燃えるぞ」
勇者「炎のリングと、魔封じの服装備1式 これを脱がなければ、 私は燃えることはないわよ」
魔王「変わったやつだ⋯ いつか、 その魔封じの服を ぬがしてみたいものだ」
〇ホテルの部屋
アダム(・・・なんだ・・・今の夢は・・・ ゲームの内容とはまったく違う・・・)
アダム(・・・まるで、2人は・・・ 愛を語るみたいではないか・・・)
イブ「ん~あれ、アダム起きてたんだ?」
アダム「なんで、お前が横にいるんだ・・・ だから、あんな変な夢を私は 見たのだろうな」
イブ「・・・僕も見たよ・・・ 時計台の中にいる 魔王と勇者だろ?」
イブ「なあ、アダム、 もしかしたら、僕たちは 大事なことを忘れてるんだと思うよ」
アダム「大事なこと?」
イブ「ずっと不思議に思うんだ キミはアダムと自分で名前を呼んだ そして、 あのゲームも魔王の名はアダム」
イブ「僕はなぜだか ナダルのダンジョンも知ってた どんな敵がいるかも知ってたし、 宝箱のありかも知ってた」
アダム(・・・たしかにそうだ・・・ イブはまるで道を知ってるかのように 迷うことなく、ダンジョンをクリアした)
アダム「・・・そして・・・何者かが 私たちを思い出させないようにしてるとか」
イブ「・・・さっきの場所は時計台・・・ 何回か行った気がするんだよ」
アダム「つまり、時計台に行けば、 何か手がかりが見つかるのかな」
イブ「・・・探してみようか、時計台・・・? ヒントがあるかも知れない それに フォーチュンアップルのありかも」
こうして、
僕たちは
フォーチュンアップルを探すと同時に
思い出せない自分たちの記憶を
探しに行くことになる
僕たちはまだ知らなかった
アイツがこの世界にいることを。