〇体育倉庫
勇者マーキス「ミアちゃん。俺、やっぱり勇者に向いてなかったのかも・・・・・・」
天使ミア「弱くても、良いんですよ。勇者さんには、誰よりも優しい心があるじゃないですか」
勇者マーキス「でも俺、不甲斐ないよ。ミアちゃんに助けて貰うことになって」
天使ミア「勇者さん、こちらに来てください。私の、膝の上へ」
勇者マーキス「え、良いの」
天使ミア「はい、それで勇者さんの傷が癒えるのなら」
勇者マーキス「それじゃあ、お構いなく・・・・・・」
竜人の子オーちゃん「ガルルルル」
勇者マーキス「貴様、良いところで・・・・・・覚悟は、出来ているのだろうな」
天使ミア「凄い、その闘気!!　圧倒的な強者感出ていますよ、勇者さん」
勇者マーキス「え、本当？　嬉しいな」
高橋 美穂「あんたたち、こんな所で何やっているのよ」
勇者マーキス「いや、これはだな・・・・・・少し、慰めて貰っていて」
高橋 美穂「ミアちゃん、大丈夫だった？　何も、されていないよね」
天使ミア「私は、大丈夫ですよー」
竜人の子オーちゃん「ガル！」
高橋 美穂「オーちゃんも、来てたんだ」

〇教室
竜人の子オーちゃん「ガルルルル」
「あの時は、驚きましたよね。スライムのお腹の中から、竜人の子供が出て来るんですもん」
「ええ、敵意が無さそうだから治療してあげたら懐いてしまったのよね」

〇体育倉庫
天使ミア「はは、可愛い。私の周りを、飛び回っているよ」
高橋 美穂「可愛いのは、今だけかもよ。勇者が言うには、大きくなったら二足歩行するらしいから」
天使ミア「それでも、良いです！　どんな姿でも、オーちゃんなら」
勇者マーキス「その考えが、甘いと言っただろう」
高橋 美穂「何よ、いきなり。嫉妬でも、しているの」
勇者マーキス「竜人の子供は、成長すると狂暴な性格になる」
勇者マーキス「今の内に殺しておけば良かったと、後悔することになるぞ」
高橋 美穂「何よ、あんた弱いからってオーちゃんにまで嫉妬しているの」
勇者マーキス「そういう訳では無い・・・・・・だが・・・・・・」
竜人の子オーちゃん「ガル・・・・・・」
高橋 美穂「ほら、あんたがそんなことを言うからオーちゃん逃げ出しちゃったじゃない」
天使ミア「早く、跡を追わないと」
勇者マーキス「杞憂だと良いが・・・・・・」

〇体育館の裏
高橋 美穂「オーちゃん、何処に行ったの」
天使ミア「オーちゃん、早く出てきて」
竜人の子オーちゃん「ガル」
高橋 美穂「あ、居た」
天使ミア「オーちゃん、突然何処かに行っちゃうから心配したんだからね」
高橋 美穂「オーちゃん、その足元にある鉄の板が気になるの？」
天使ミア「ちょっと、持ち上げてみましょうか」
高橋 美穂「え、嫌よ・・・・・・どうせ、虫とかうじゃうじゃ出て来るんだから」
高橋 美穂「あ、あのアホ面は！」
天使ミア「勇者さんも付いてきてたんだ。やっぱり、オーちゃんの事が心配だったんですね」
高橋 美穂「丁度良かったわね、勇者に手伝ってもらいましょうよ」
勇者マーキス「何だ、俺に用か」
高橋 美穂「鉄の板ぐらい、持ち上げられるわよね。この下が、どうなっているのか、知りたいの」
勇者マーキス「自分で、やれば良いだろう」
高橋 美穂「まさか、非力な女の子に肉体労働させる訳？　サイテーね」
天使ミア「ちょちょっと、そこまで言わなくても・・・・・・」
勇者マーキス「まあ良い。この程度の鉄の板、勇者である俺ならば軽々と持ち上げて見せよう」
高橋 美穂「あんた、その台詞・・・・・・言う相手を間違えているんじゃないかしら」
勇者マーキス「こ、これは・・・・・・!!」