3話「思惑」(脚本)
〇綺麗なダイニング
ゾンビ「きゃあー!虫!」
セール「お部屋に虫が出たらこれ“抹殺ムッシー”!」
セール「1プシュで地獄虫が来なくなるー!」
ゾンビ「まぁ、買わないと!」
セール「お買い求めは、地獄地獄ホームセンター !」
〇テレビスタジオ
ユキナ「今の何よ」
骸骨「CMです。 スポンサーは大事ですからね」
骸骨「さて、今回は「心霊スポットで決戦」です。 ユキナさん、タケルさんは準備は?」
タケル「OKです」
ユキナ「・・・」
骸骨「今回は乱入はなしですね。 それでは移動を」
〇荒廃した国会議事堂
少女と青年の決戦
タケル「雪子、何故裏切った・・・信じていたのに」
ユキナ「裏切るもなにも・・・最初から信頼なんかしてないわ」
ユキナ「武助、あなたにはうんざりしてたのよ!」
ユキナ「いつも雪子雪子って、引っ付いてきて・・・鬱陶しい!」
タケル「雪子・・・君と戦うなんて・・・僕は・・・」
ユキナ「剣を混じえないと分かり合えないのよ」
ユキナ「さあ、戦いましょう」
ユキナ「武助、逃げてばかりじゃ勝てないわよ」
タケル(ちょ・・・この子、剣術ヤバいだけど! 本当に素人!?)
タケル「ふっ、本気で行くぞ!」
ユキナ「甘い!」
タケル「くっ・・・ここまでか・・・」
ユキナ「武助、さようなら」
ユキナ「・・・」
「うぉおおお!かっけぇぇ!!」
「最高!」
「またみたい〜!」
骸骨「お、視聴率が良いです。 やっぱりバトルは人気ありますね!」
ユキナ「・・・この場合どちらが勝ちなの?」
骸骨「そうですね、視聴者の声を聞きましょうか」
「雪子様最高!かっけぇぇ!!」
「もう一度剣術を見せて!」
「武助も良かったけど、雪子推し!」
「雪子!雪子!」
骸骨「凄い・・・ユキナさん、あなたが勝ちましたので、50魂差し上げます」
タケル「ご、50!?そんなに視聴率とれたんですか!?」
骸骨「ええ、びっくりしました。 タケルさん、あなたは負けましたので-50です」
タケル「そんな・・・」
ユキナ「・・・あら、可哀想」
タケル「ユキナさんは分けたりはしないですか?」
ユキナ「わけないわよ、早い所消えてもらいたいから」
タケル「そんなぁ・・・」
骸骨「ははは、その調子です」
骸骨「それでは、次回の骸骨TVでお会いしましょう」
〇オフィスの廊下
ユキナ「・・・」
ユキナ「タケルさん、ごめんなさい・・・わたくし、早く帰りたくて・・・」
タケル「や、君は何も悪いことしてないし・・・負けたものは仕方ありません」
タケル「次は友人として共演出来たらいいですね」
ユキナ「そうね」
ユキナ「タケルさんとなら仲良くなれる気がするわ」
ユキナ(騙してでも勝たないと。 わたくしは・・・生き残りたいの)
タケル「休みましょう、疲れました・・・」
骸骨「くふふ、どんどん染まりますね。 抵抗したものほど堕ちやすいです」
骸骨「さ、もっと見せてください。 あなた達の茶番劇を」