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マナ

好きなもの(脚本)

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〇可愛い部屋
優衣「たからもの・・・?もう一枚紙がある」
  『もんだいです。いつもわらってるおみせはどこでしょう?』
優衣「いつも笑ってるお店?なんだろ?」
優衣「スーパーとか?いや、いつも笑ってるわけじゃないか・・・」
優衣「とりあえず探してみよう」

〇一軒家
優衣「子供の書いたものだからそんなに難しいはずないし・・・コンビニ?・・・スーパーもコンビニも大差ないか」
優衣「取り敢えず商店街に行こう。あそこならお店いっぱいあるし」

〇商店街
優衣「お店・・・お店・・・いつも笑ってるお店」
優衣「・・・分からない」
「あれ?優衣?」
優衣「梓?」
「どうしたの?こんなところで!」
優衣「別になんでもない。・・・ねぇ、いつも笑ってるお店って知ってる?」
「いつも笑ってるお店?なんだろ?」
「なにかのなぞなぞ?」
優衣「うん。その・・・お姉ちゃんの手紙に書いてあったから」
「あ・・・分かった!!私もこのなぞなぞ解くの協力する!!」
優衣「えっ!?別にそこまでしなくても・・・」
「いいからいいから!この梓ちゃんに任せなさい!え〜と・・・いつも笑ってるお店でしょ?」
「簡単に解けるなぞなぞのはず!」
優衣「そうかな?」
「そうだよ!あの優衣大好き美穂さんが優衣に解けない問題なんか作るはずないって!」
優衣「・・・・・・」
「う〜ん?」
優衣「あの・・・梓?ホントに無理に解かなくても・・・」
「おーい!お金持ったか?」
「持ったよ!はやく駄菓子屋行こ?」
「駄菓子屋?・・・駄菓子屋・・・あ!分かった!」
優衣「ホント!?」
「うん!いつも笑ってる・・・つまりおかしいってことだから、たぶんお菓子屋さんじゃないかな?」
優衣「・・・なんかこじつけすぎない?」
「子供の考えるなぞなぞなんて大抵こじつけみたいなものでしょ?いいから、お菓子屋さんに行くよ!」

〇ボロい駄菓子屋
「お菓子屋さんって言ったらやっぱりここでしょ!優衣の家からも近いし・・・ほら!」
優衣「うん・・・」
優衣「あの・・・」
「あら、いらっしゃい。なにが欲しいんだい?」
優衣「えっと・・・」
優衣(どうしよう。8年前の手紙に書かれてましたって言っても信じてもらえないだろうし。そもそもなにがあるのかも分からないし・・・)
優衣「あの・・・やっぱり、いい──」
「・・・もしかして、優衣ちゃんかい?」
優衣「えっ?」
「やっぱり優衣ちゃんだね。いや〜大きくなって!美穂ちゃんとよく買いに来てくれてたの覚えてるよ!!」
優衣「あのわたし・・・」
「分かってる。その手紙を持ってるってことは、アレを取りに来たんだろ?ちょっと待ってなよ」
優衣「アレ?」
「はいどうぞ」
「それから・・・」
優衣「これ・・・は・・・」
「・・・8年前にね、美穂ちゃんがお小遣いを貯めてね、もし優衣ちゃんが手紙を持ってきたらこれらを渡して欲しいって・・・」
「全部優衣ちゃんの好きな物だからって・・・」
優衣「・・・・・・」
「ずっと待っていたんだよ。優衣ちゃんが来るのを・・・それからこの手紙を渡してって」
  『おめでとうゆいちゃん。これはおねえちゃんからのおくりもののひとつです。いっぱいたべてください。おねえちゃんより』
  手紙を読み終えた私は一番好きだった飴を一つ口の中に放り込んだ。
優衣「・・・・・・」
優衣「・・・う・・ぐ・・・うぅぅぅ」
優衣「おいしい・・・おいしいよ・・・お姉ちゃん!」
  甘いはずの飴はなぜか涙の味がした

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コメント

  • 本当にやさしいお姉さんですね。
    心にしみるお話ですね。

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