手紙(脚本)
〇黒
『手紙』
〇明るいリビング
優衣「ただいま・・・」
優衣(二人ともまだ帰ってないんだ)
優衣「鞄置いてこないと・・・」
〇部屋の前
2階に上がり自分の部屋へと向かっていた私は一つの部屋の前で足を止める
優衣(お姉ちゃんの部屋・・・あの日から入ってないな)
姉がいなくなった日から私は姉の部屋に入らなくなった。遺体を見た後もあれは人形かなにかで姉はまだ生きてるんじゃないか?
そんなありもしない妄想に縋っていたのかもしれない。ここを開けてしまったら本当に姉が死んでしまうんじゃないかと思った
けれど今日はなぜか姉に呼ばれた気がして、気づけば扉を開けていた
〇可愛い部屋
優衣「お姉ちゃん・・・?」
優衣(・・・いるわけないよね)
優衣(・・・変わってない。まるでここだけ時間が止まったみたい。たぶんお母さんが掃除してるんだと思うけど・・・)
優衣「懐かしいな・・・お姉ちゃんの好きだった人形。私が泣いてたときよくこれで遊んでくれたっけ?」
思えばいつも私はわがままばかりだった。けどお姉ちゃんはいつだって嫌は顔をしなかった
〇明るいリビング
優衣「おねえちゃん、それちょうだい!!」
美穂「どうぞ?わたしがたべさせてあげようか?」
〇可愛い部屋
優衣「おねえちゃん!あそんで!!こうえんにいこ!!」
美穂「しかたないな〜」
〇土手
優衣「お、おねえちゃん!」
美穂「それをかえしなさい!!」
犬「ワン!ワン!ワン!」
キャーッ!!!
〇女の子の部屋(グッズ無し)
優衣「おねえちゃん〜」
美穂「よしよし!ほ〜ら、いぬさんだよ〜!」
〇可愛い部屋
優衣「本当に迷惑ばかりかけてたな・・・」
優衣「・・・お姉ちゃん・・・」
流れてきた涙を拭いながらもう行こうと思い、犬のぬいぐるみを置こうとしたとき
ぬいぐるみの中になにかがあることに気づいた
優衣「なんだろ?中になにかある?」
優衣「確か後ろがチャックになってたはず・・・開いた!えっと・・・なにが・・・」
優衣「手紙?」
〇可愛い部屋
優衣「一体なにが書いてあるんだろ?」
優衣「見ても大丈夫だよね?」
『ゆいちゃんへ
おたんじょうびおめでとう。おねえちゃんからゆいちゃんへのちょーせんじょーです。
なかのなぞなぞにはおねえちゃんのたからもののばしょがかかれています。
ぜんぶみつけたらゆいちゃんにプレゼントがあります。
がんばってみつけてね。
おねえちゃんより』