ふれてん

ぽんたろう

最終話後編『ふれてん』(脚本)

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〇明るい廊下
金剛天寿「旧校舎の電気は全部点けた」
金剛天寿「あとは徹底的に探すだけだ」
三好優弥「ありがとうございます校長!」
金剛天寿「絶対見つけるぞ」
三好優弥「はい!」

〇放送室
三好水葉「んー、ここにはないですね」
上杉遼羽「そうだな、もう少し探してみようぜ」
三好水葉「はい!」

〇教室
学園祭係「教室は多いけど、一個一個潰してこう」
ねこ「ゲコゲコ」
学園祭係「レターが手元に届くまでが学園祭だ!」
ねこ「ぴよぴよ!!」

〇保健室
三好優作「ここにもないか」
三好葉月「書類はあるけど 手紙らしきものはないわね」
三好優作「こんなことをするなんて 本当に詩乃らしいな」
三好葉月「本当ね、あの子は本当に可愛いわ」
三好優作「そして、子供2人のために 力になれると思うと感慨深いな」
三好葉月「そうね。もっと探してみましょう」

〇説明会場
斎条「生徒が困っていれば 助けになるこれが我々の使命だ」
金剛天寿「その通りです しかし来年は大掃除をする予定でしたから ギリギリでしたね」
斎条「ああ」
金剛天寿「しかし入学前なのに 旧校舎に隠すなんて面白い子だ」
斎条「一度会ってみたかったな」
斎条「だが、この学園に入れなかった 生徒であっても我が生徒と同じ」
金剛天寿「ええ、必ず見つけましょう」

〇学校の下駄箱
竜崎「ありやせんね」
京極「見落としがないか 何度でも探すだけだ」
竜崎「京極さんの不思議な力で どうにか何ないんすか」
京極「千里眼は持ち合わせてない」
京極「それにこういうのは ズルしちゃダメだ」
京極「正攻法だからこそ、意味がある」
竜崎「根性論嫌いじゃない」

〇薄暗い廊下
蒼村優「ここは暗いままで怖いけど 優弥くんのためなら!」
三好双葉「お兄ちゃんとお姉ちゃんのためなら 怖くなんかない!」
蒼村優「どんなところにあろうと見つけて見せる!」
三好双葉「お姉ちゃん見守っててね!」
蒼村優「でも、やっぱりちょっと怖い、、」

〇教室
三好優弥「徐々に範囲が狭まってきたな」
宇喜多羽彩「あと少しだね」
三好優弥「こんなにみんなが探してくれてるんだ」
三好優弥「絶対見つかるに決まってる」
宇喜多羽彩「優弥、大分顔色良くなったね」
三好優弥「ああ。少し吹っ切れた」
三好優弥「羽彩ありがとな」
宇喜多羽彩「どうしたの? 急にさ」
三好優弥「羽彩がいなかったら 俺どうなってたか分からなかった」
宇喜多羽彩「私がいなかったとしても 誰かが代わりに優弥を助けてたよ」
宇喜多羽彩「双葉、水葉、上杉くん、そむらちゃんとかね」
宇喜多羽彩「それにね」
宇喜多羽彩「私も優弥っていう存在に出会わなかったら ずっと落ち込んだままだったと思う」
宇喜多羽彩「優弥のおかげで いろいろと頭のもやもやがなくなった」
宇喜多羽彩「だから、お互い様!」
三好優弥「そうか」
三好優弥「ん?」
宇喜多羽彩「どうかした?」
三好優弥「教卓の台の裏に何か張り付いてる」
宇喜多羽彩「もしかして!?」
宇喜多羽彩「あった!」
宇喜多羽彩「名前は何て?」
三好優弥「・・・・・・」
三好優弥「天宮詩乃」
三好優弥「本当にあった」
宇喜多羽彩「よかったね」
三好優弥「ああ」
宇喜多羽彩「とりあえず皆に教えよう」

〇ボロい校舎
三好優弥「皆さんのおかげでありました!」
三好優弥「ありがとうございました!」
三好優弥「あとは手紙を読むだけか」
学園祭係「ねえ」
三好優弥「お姉さん?」
学園祭係「そういえば言っとくことあるんだ」
学園祭係「伝説の告白場について」
学園祭係「手紙はおそらく そこで読んだ方がいいよ」
三好優弥「はい」

〇屋上の入口
三好水葉「お兄ちゃん、大丈夫かな」
三好双葉「今のお兄ちゃんなら 1人にしても大丈夫だよ」
三好双葉「みんなは帰ったけど あとは私たちに任せてくれたんだから」
三好水葉「でも、なんかあった時のため ここで待機」

〇ボロい校舎
蒼村優「みんな帰っちゃいましたね」
宇喜多羽彩「そうだね」
蒼村優「羽彩先輩は優弥くんのそばに いなくて良かったんですか?」
宇喜多羽彩「あの手紙は三好家の問題だからね」
宇喜多羽彩「部外者は引いとくよ」
蒼村優「そうですね」
蒼村優「双葉と水葉がいれば大丈夫ですよ」
宇喜多羽彩「だね」
宇喜多羽彩「そむらちゃんは残るの?」
蒼村優「はい!」
蒼村優「だって、優弥くんがどんな顔して 戻ってくるのかみたいじゃないですか」
宇喜多羽彩「だから私も残るよ」
蒼村優「はい!」

〇高い屋上
三好優弥「ここが『伝説の告白場』だったなんてな」
三好優弥「空に近いから『天使の腰掛け』ってことか」
三好優弥「道理であのときの詩乃が 息切れしてたわけだ」
三好優弥「さて、手紙を読むか」

〇高い屋上
天宮詩乃「三好優弥君へ」
天宮詩乃「この手紙を君が読んでいるということは」
天宮詩乃「きっと私はフラれたんだね」
天宮詩乃「んー、考えたくなかった結果だけど」
天宮詩乃「仕方ないよね」
天宮詩乃「兄妹みたいな関係からは 発展できなかったということか」
天宮詩乃「残念!」
天宮詩乃「でもね」
天宮詩乃「ゆーやの選択だったら 私は何だって受け入れるつもりだったよ」
天宮詩乃「そうしたら私は今度から ゆーやのサポーターになるからね」
天宮詩乃「もし、ゆーやに好きな人が出来たら 全力で応援する」
天宮詩乃「ゆーやに友達が出来るように手伝うよ!」
天宮詩乃「だからね」
天宮詩乃「えっと、何が言いたいかって言うと」
天宮詩乃「10年ぐらい一緒で ずっと私のために歩幅を 合わせてくれたよね」
天宮詩乃「だから、この手紙を 読んでくれた時から」
天宮詩乃「もう私のことは気にしないでいいよ」
天宮詩乃「自分のために生きてね」
天宮詩乃「気になった人が出来たら 好きになっていいよ」
天宮詩乃「私のことなんか気にしないで 友達と遊びに行って平気だからね」
天宮詩乃「ミステリー・オカルト研究会じゃなくて 違う部活に入ってもいいよ」
天宮詩乃「どんな選択しても 私は君の傍からずっと見守るから」
天宮詩乃「ゆーやが私のためにしてくれたことの 恩返しをするだけだから気にしなくていいよ」
天宮詩乃「ゆーやが結婚して子供ができても ずっと見守ってあげる」
天宮詩乃「頼ってくれていいからね 家事は得意だから!」
天宮詩乃「それが私がゆーやにできる 精一杯の恩返し!」
天宮詩乃「んー、そうだなー」
天宮詩乃「ゆーやのことを 見守る天使みたいな存在になろうかな」
天宮詩乃「天使が好きな私にはぴったりだね!」
天宮詩乃「もう私は1人でも大丈夫だから」
天宮詩乃「ゆーやはゆーやのために生きて!」
天宮詩乃「はい! お話はこれでおしまい!」
天宮詩乃「あっ!最後に!」
天宮詩乃「これだけは覚えといてね」
天宮詩乃「ゆーや」
天宮詩乃「ずっと大好きだよ!」
天宮詩乃「私が好きになった最初で最後の人」

〇高い屋上
三好優弥「詩乃」
三好優弥「詩乃らしい手紙だな」
三好優弥「お前も見てただろ?」
三好優弥「俺にもたくさん友達が出来たぞ」
三好優弥「心配するな」
三好優弥「羽?」

〇高い屋上
三好優弥「詩乃!?」
天宮詩乃「ゆーや」
三好優弥「そっか」
三好優弥「死者、、いや、天使に会える方法か」
三好優弥「俺はずっと詩乃を探してたんだな」
三好優弥「詩乃にずっと会いたいと 無意識のうちに願い続けていたんだ」
三好優弥「ようやく会えたんだな」
天宮詩乃「うん」
三好優弥「ここにいるってことは 本当にいなくなったんだな」
天宮詩乃「そうだよ」
三好優弥「そうか」
三好優弥「詩乃が病院に運ばれた日 詩乃が止めるのも聞かず」
三好優弥「指輪を探しに行ってごめん」
三好優弥「あれが無ければ 詩乃はもっと長生きできたんだよな」
天宮詩乃「ゆーや」
天宮詩乃「あれは関係なかったよ」
天宮詩乃「あのとき、私は自分に 天使が迎えにくるのが分かったの」
天宮詩乃「少しでも早く ゆーやに最後会いたかっただけ」
天宮詩乃「ずっとゆーやを苦しめて ごめんね」
三好優弥「それぐらいいいんだ! 詩乃の苦しみに比べれば大したことない」
天宮詩乃「ゆーやは何も悪くない」
天宮詩乃「それを伝えたかったんだ」
天宮詩乃「もう責任感じなくて良いよ」
三好優弥「ありがとう」
天宮詩乃「でもね、最後本当に嬉しかったよ」
天宮詩乃「私の宝物を見つけてくれたんだから」
天宮詩乃「優弥にも会えたし 指輪も見つかったし」
天宮詩乃「安心して眠れたよ」
天宮詩乃「もう一回言うね」
天宮詩乃「ありがとう!」
三好優弥「ああ」

〇屋上の入口
三好水葉「ねえ、双葉」
三好双葉「ん?」
三好水葉「お兄ちゃん、誰かと話してない?」
三好双葉「ホントだ」
三好水葉「独り言じゃなくて もう一人いるよ」
三好双葉「誰と話してるんだろ」
三好水葉「この声、どこかで聞いたことある」
三好双葉「この声って確か・・・・・・」

〇高い屋上
三好優弥「ずっと俺のことを心配してたんだろ?」
天宮詩乃「うん」
天宮詩乃「友達できたかなって 楽しく学園生活過ごせてるかなって」
三好優弥「もう俺は大丈夫だ」
三好優弥「たくさんの友達が出来たし 毎日楽しいぞ」
天宮詩乃「知ってる!」
天宮詩乃「たくさんの人に助けられて 私を見つけてくれたよね!」
三好優弥「そうだ」
三好優弥「安心して天国から 見守っといてくれ」
三好優弥「俺も100年ぐらいしたら行くわ」
天宮詩乃「もうおじいちゃんじゃん!」
天宮詩乃「顔分かるかな」
天宮詩乃「でも、待ってるよ!」
三好優弥「だから、さよならは言わない」
天宮詩乃「うん!」
三好優弥「あと一つ言わせてくれ」
三好優弥「最後、病室じゃ言えなかったんだ」
天宮詩乃「何?」
三好優弥「詩乃のことが大好きだ」
天宮詩乃「知ってる!」
三好優弥「やっと言えた」
三好優弥「詩乃は俺の天使だ!」
天宮詩乃「嬉しい! やっと本当に天使になれる!」
天宮詩乃「私もゆーやのこと」
天宮詩乃「大大大好きだよ!」
「お姉ちゃん!?」
三好双葉「本当に?」
三好水葉「嘘じゃないよね」
天宮詩乃「双葉、水葉」
天宮詩乃「大きくなったね」
天宮詩乃「もう背が抜かれちゃったね」
天宮詩乃「双葉、ゆーやと仲直りできて良かったね」
天宮詩乃「ごめんね、私のせいで 喧嘩なんてさせてさ」
三好双葉「うん」
三好双葉「お姉ちゃんは悪くないよ」
三好双葉「心配かけてごめんなさい」
天宮詩乃「もう気にしないの!」
天宮詩乃「双葉大好きだよ」
三好双葉「お姉ちゃのこと! 大好き!」
天宮詩乃「水葉、おかずの取り合いは程々にね」
天宮詩乃「あと、いつもゆーやの味方でいてくれて ありがとね!」
天宮詩乃「水葉がいてくれたから安心できたよ」
三好水葉「うん!」
天宮詩乃「水葉大好きだよ」
三好水葉「私もだよ! お姉ちゃんのこと大好き!」
天宮詩乃「2人とも、もう喧嘩しちゃダメだよ」
天宮詩乃「やっぱり、2人は仲良くないとね」
「お姉ちゃん、今までありがとう」
天宮詩乃「はーい」
天宮詩乃「お父さんとお母さんにも よろしく伝えてね」
天宮詩乃「育ててくれて、ありがとう 本当のパパとママと同じぐらい 大好きだったよって」
「うん」
天宮詩乃「3人ともずっと仲良くするんだよ!」
天宮詩乃「じゃあ、そろそろ行くね!」
天宮詩乃「でも、お別れじゃないよ」
三好優弥「ああ」
三好優弥「またな」
天宮詩乃「またね」

〇高い屋上
三好優弥「行ったか」
三好双葉「でも、寂しくないね」
三好水葉「お姉ちゃんは ずっと私たちを見守ってくれるんだから」
三好優弥「そうだな」

〇通学路
三好優作「さて、子供達が帰ってきた時のために 夕飯でも作っておくか」
三好葉月「そうね、もう夕飯っていうより 夜食だけどね」
三好葉月「たまには手料理しないとね」
三好優作「羽?」
三好葉月「ホントね」
三好優作「不思議と暖かいな」
三好葉月「何か懐かしい感じがするわね」

〇ボロい校舎
蒼村優「ん? 羽?」
宇喜多羽彩「ホントだ」
蒼村優「もしかして上手くいったのかな?」
宇喜多羽彩「そうみたいだね」
ねこ「わん!」
蒼村優「優弥くんはずっと探していたんですよ!」
蒼村優「天使を!」
蒼村優「触れられない天使を!」

〇明るいリビング

〇おしゃれなキッチン

〇大きな日本家屋

〇道場

〇湖畔の自然公園

〇公園のベンチ

〇神社の石段

〇学校脇の道

〇病室

〇ボロい校舎

〇高い屋上

〇ファンシーな部屋

〇ファンシーな部屋
三好優弥「じゃあ、詩乃、行ってくるぞ」
三好優弥「でも、詩乃がいるのは空だけどな」
三好水葉「ほら、早くしないと遅刻しちゃうよ」
三好優弥「はいはい」
三好双葉「お弁当ちゃんと持った?」
三好優弥「持ったぞ」
「いってきます!」
  つづく?

コメント

  • 最初は各キャラクターの掛け合いが面白い作品だなあと思ってましたが、進むにつれて分かる優弥の謎、最後まで芯を通して練られた物語に感動しました!最終話の演出とタイトル回収はついうるっとしてしまいました😭
    次回作も楽しみにしています!

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