断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

隍沸喰(隍沸かゆ/おかゆ喰)

20話 教えてもらうの(脚本)

断罪対象である妹を助けたら百合と薔薇が咲いたっぽい

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〇要塞の廊下
フィガロ・パズテカ「・・・・・・」
フィガロ・パズテカ「俺が泣くべき・・・泣くべき・・・」
フィガロ・パズテカ「・・・いくら考えても、理解できない」
フィガロ・パズテカ「どうして泣き出したんだ・・・」
フィガロ・パズテカ「・・・・・・なぜ」
テツナ・テカ「おいジジイ!!」
フィガロ・パズテカ「俺はまだジジイじゃない どうした? 帰る気になったのか?」
テツナ・テカ「帰らない それより──」
テツナ・テカ「──こいつの”神の心錠”を外せ、今すぐ!」
フィガロ・パズテカ「”神の心錠”? それくらいお前なら容易に外せるだろう」
テツナ・テカ「初代から代々受け継がれてるらしくて鎖がクソぶっといんだよ しかも杭がいっぱい刺さってる。お前なら全部外せるだろ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「あの、お願いします 家族を守るためには”神の心錠”が邪魔で──」
テツナ・テカ「そうそう、だからさっさと──」
テツナ・テカ「・・・・・・」
テツナ・テカ「・・・・・・」
テツナ・テカ「・・・邪魔?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「そう、邪魔なんだ。何にも悪いことしてないのに急に締め付けてきたり、急に痛くなったり・・・」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(一度目では”神の心錠”で危うく死にかけたことがあった)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(一度目の俺はアゥルペロの証拠を隠した。そのことを知った公爵令嬢は皇帝に会いに行き、これを伝える)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(”レバノスタン家は嘘ばかりでいつか裏切るかもしれない”と発言し、レバノスタン家が怖い皇帝は俺を殺そうとした)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(公爵令嬢に嵌められて呼び出されていた父上がその場にいて、俺の行いを庇ったから生き残れた)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「苦しいのは耐えられるし、痛いのは慣れたけど、死ぬのは慣れたくないだろ? 確実に家族を守れなくなるから困るし・・・」
テツナ・テカ「そう言う問題じゃないけどな ──なあジジイ、頼むよ。お前にとっては減るもんじゃないんだろ?」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「お願いします」
フィガロ・パズテカ「ふん。初代から受け継がれたから太くなったのではなく、魔物の肉を食べて魔力が増え続け──」
フィガロ・パズテカ「その魔力を抑え込むために鎖が太くなったんだ ”神杭”が刺さっているなら、初代の頃から警戒されていたと言うことだ」
フィガロ・パズテカ「そして、”神杭”が多くなったのは、それほどの量がないと確実に殺すことができないからだ」
フィガロ・パズテカ「まだ見ていないから詳しくはわからないが、俺の力では足りないかもしれない テツナ、手を貸せ」
テツナ・テカ「やる気出してくれてよかったぜ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとう」
フィガロ・パズテカ「・・・・・・」
フィガロ・パズテカ「礼は無事に外せてから言え」

〇要塞の回廊
フィガロ・パズテカ「・・・・・・」
テツナ・テカ「どうなんだ? 外せるよな?」
フィガロ・パズテカ「──テツナ、お前は外に出ろ」
テツナ・テカ「ん? 俺の力はいらなかったのか? 気になるからこのまま見てたいんだけど」
フィガロ・パズテカ「お前の力を借りればすぐにでも外せるし苦痛も少ない しかし外した瞬間に今まで押さえ込まれていた”汚れた力”が溢れ出す」
フィガロ・パズテカ「危険だから出ていろ」
テツナ・テカ「本人の前でよく”汚れた”なんて言えるよな」
フィガロ・パズテカ「魔物の中から生み出された”魔力”は本来人が取り込んでいいモノではない 昔から”穢れ”と呼ばれ、避けられてきたモノだ」
フィガロ・パズテカ「今まで魔物の肉を大量に摂取しても無事だったのは、”神の心錠”が”穢れ”ごと押さえ込んでいたからだ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「もしかして魔物の肉が食べられなくなるのか!?」
フィガロ・パズテカ「・・・・・・ ”神の心錠”を外した時に溢れる”穢れ”をお前がどう自分の魔力に変換できるかに掛かっている」
フィガロ・パズテカ「・・・そもそも今後魔物の肉を食べられるかどうか──そんなことを気にしている余裕はない」
フィガロ・パズテカ「”穢れ”は危険だ。それが溜め込まれたモノが今から溢れ出してくる お前の心臓から」
フィガロ・パズテカ「”穢れ”は俺が消す だがお前の心臓を同時に守ることはできない お前は今から夜明けまで、苦痛に耐え続けるしかない」
フィガロ・パズテカ「”穢れ”は精神面に非常に敏感だ 的にされてまた心臓に戻られれば厄介だ」
フィガロ・パズテカ「夜明けまでに”穢れ”を全部出しきれなかったら、命はない」
フィガロ・パズテカ「今すぐに取り掛かる テツナ、外に出ろ」
テツナ・テカ「わかった、危険な時は俺を呼べよ 穢れを少し浴びるくらいどうってことない」
フィガロ・パズテカ「少しではない 呼ばない限りは絶対に来るな」
テツナ・テカ「・・・・・・」
テツナ・テカ「ルゥラッハさま」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「テツナ・・・さん」
テツナ・テカ「テツナでいいって」
テツナ・テカ「外で待ってるからな 皇帝から自由になって、家族を守るんだろ? 呪いなんかに負けるなよ」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(命・・・か また死ぬかもしれない。そう考えても実感が湧かなくて、そこまで不安でもないんだけど)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン(心配してくれてるんだよな)
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「ありがとうテツナ」
テツナ・テカ「頼んだぜジジイ」
フィガロ・パズテカ「始めるか」
ルゥラッハ・オル・レバノスタン「お願いします」

〇城の客室
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「・・・・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま・・・大丈夫かしら 連絡がつかないわ」
ハグスタリ・ベラ「お忙しいのでしょう テンテンポムさまに連絡してみては?」
ハグスタリ・ベラ「ルゥラッハさまが今どうされているか、教えてくださるはずです」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「さすがベラ! そうしましょう!」
  ──エレエレ・テンテンポムです
  お嬢さま、何かございましたか?
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまとお話ししたかったのだけど、連絡がつかなくて・・・ お兄さまが今何をしているか教えてくれる?」
  ・・・・・・
  ルゥラッハさまは今、”神の心錠”を外してもらっているそうです
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さまに”神の心錠”が? そんなこと、聞いてないわ・・・!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「こ、皇帝陛下の仕業よね・・・? 外せるの? 負担はない?」
  外せることを祈りましょう
  明日の夜には帰る予定です。お嬢さまは大丈夫そうですか?
  ドブや公爵令嬢の件を心配しておられました
  何かあったらすぐに連絡してください
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ありがとう お兄さまをお願い」
  はい
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「・・・・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「お兄さま・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「わたしはお兄さまのことを何も知らないのね」
ハグスタリ・ベラ「お嬢さま・・・」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「はやくお兄さまに会いたいわね お兄さまについてたくさん教えてもらわなくちゃ・・・!」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「明日ワヌゥレン卿と話すわ お兄さまが帰ってきた時に、喜んでもらえることを教えてもらうの」
ハグスタリ・ベラ「とてもいいお考えですね」
ハグスタリ・ベラ「ワヌゥレン卿に伝えるように言っておきます もう遅いですからお嬢さまはおやすみになられてください」
アゥルペロ・ミルス・レバノスタン「ありがとう、ベラ」

次のエピソード:21話 曖昧な心当たり

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